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2025/07/17

コラム

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春の乗っ込みシーズンの山口県角島沖の鯛ラバ×赤澤康弘

春の乗っ込みシーズンの山口県角島沖の鯛ラバ×赤澤康弘

九州北部エリア・響灘は、マダイのストック量が多く、鯛ラバが盛んな地域である。代表的な鯛ラバフィールドとして名前が挙がる際には、必ずこのエリアがピックアップされる。シーズンの開幕は春。喰いが渋い冬が終わり、春の乗っ込みシーズン、そしてベイトを追って数釣りが楽しめる初夏から秋のシーズンへと移り変わっていく。そんな人気フィールドで開催された大会に、ゲストとして訪れた赤澤康弘さんによる釣行時の分析を紹介しよう。

角島沖のポイント

九州北部、角島沖は、赤澤さんも幾度となく訪れ、これまで数々の良い釣果を得てきた。

九州北部、角島沖は、赤澤さんも幾度となく訪れ、これまで数々の良い釣果を得てきた。

九州北部の桜鯛のラッシュはひと段落していたため、ポイントは角島沖に。参加艇の全船が角島沖に集まってから、大会はスタートすることに。

九州北部の桜鯛のラッシュはひと段落していたため、ポイントは角島沖に。参加艇の全船が角島沖に集まってから、大会はスタートすることに。

鯛ラバのエキスパート・赤澤康弘さんは、2025年6月上旬に北九州・小倉を訪れていた。鯛ラバファンが集う人気大会「炎月×FREE SLIDE 鯛ラバCUP」の2025年第9回大会・北九州予選において、ゲストとして参加者をサポートするためだ。
この時期は、すでに北部九州の桜鯛がひと段落したタイミング。しかし、その後に桜鯛が盛り上がるエリアとして角島沖がある。山口県日本海側にあり、絶景の橋でつながる観光地としても人気の角島の沖だ。この時期、北九州の鯛ラバ遊漁船はこのエリアに入る。今回の北九州予選においても、ポイントは角島沖となった。
大会本部がある北九州市の日明港から船で約1時間30分走らせると、角島が見えてくる。エンジンをスローにして、大会参加の6隻すべてが揃うのを待ち、大会はスタートした。

遅れている乗っ込み

当日は、水温の上昇が遅く、乗っ込みが遅れている状況。しかし、一斉に乗っ込みに入るわけではない。そのため、乗っ込みの黒ずんだマダイも釣れる展開となった。

当日は、水温の上昇が遅く、乗っ込みが遅れている状況。しかし、一斉に乗っ込みに入るわけではない。そのため、乗っ込みの黒ずんだマダイも釣れる展開となった。

船は「ドテラ流し」と、シーアンカーを使った「パラ流し」のいずれかで探る。この日、赤澤さんが乗船した遊漁船の船長は、パラシュートを使ったパラ流しを選択した。
ドテラ流しでは上層2ノットで北東方向に流されていたが、パラ流しにすることで流しが落ち着き、上層は1.3ノット、下層は0.9ノットとなった。
まず船長に最近の状況を尋ねると、「今年は海水温の上昇が遅れていて、最近やっと19℃まで上がってきました。乗っ込みはまだ遅れています」とのこと。例年では大会開催日の数日後に乗っ込みが終わるというが、今年は遅れの影響で、6月いっぱいは乗っ込みのパターンが続くのではないかと予想しているとのことだった。
乗っ込み後は一時的に喰いが止まるが、その後は“荒喰い”のパターンに入る。
「2日前に一般のお客さんを連れて行ったポイントはよく釣れましたが、今回は大会で帰着時間が決まっているため、そのエリアには行くのを諦めました」と船長は話してくれた。大会では潮に出船時間を合わせたり、行けるポイントも限られる。その中で、どう釣るかが問われる。

タックル準備は、潮の速さも想定して

潮の速さ、風で船が流されるスピードは、ポイントに行ってみなければ分からない。幅広い鯛ラバヘッドのウエイト、重い鯛ラバにも対応するタックルの準備をしておきたい。

潮の速さ、風で船が流されるスピードは、ポイントに行ってみなければ分からない。幅広い鯛ラバヘッドのウエイト、重い鯛ラバにも対応するタックルの準備をしておきたい。

角島沖のポイントは水深約80m。魚探には、ボトムから10mほどまで反応が映し出されていた。
「角島沖の流れは一方通行で、しかも速い。ドテラ流しで釣ることも多いので、鯛ラバヘッドは200gまでの重いものも用意しておいたほうが良い」と船長はアドバイス。
赤澤さんも、状況によっては軽い鯛ラバが潮に流されやすいことを考慮し、ヘッドの重さだけでなく、巻き上げパワーのあるタックルや、リールの糸巻量なども考えて準備しておく必要があると語る。

斜めに広く探る誘い

斜めに引くことでアタリが連発するタイミングもあった。スピニングタックルを準備してきたアングラーのキャスティング鯛ラバにヒットが集中した。

斜めに引くことでアタリが連発するタイミングもあった。スピニングタックルを準備してきたアングラーのキャスティング鯛ラバにヒットが集中した。

長さがあれば、船底に入る潮の時でも対処しやすい。ロッドの長さも吟味したい。

長さがあれば、船底に入る潮の時でも対処しやすい。ロッドの長さも吟味したい。

この日の状況について赤澤さんに尋ねた。
「小型マダイの中で釣れた大鯛は、黒ずんで痩せていました。これはアフターのマダイですね。乗っ込みが遅れているという話もありましたが、一気にではなく、かなりバラけて乗っ込みが行われているのではないかと感じました」
釣れている状況を見ても、軽めの鯛ラバを遠投し、斜めにリトリーブして誘うという、産卵後=アフターの釣り方が良かった様子。縦方向でリトリーブしても、マダイがしつこく追い回さず、当たる距離が短い。だからこそ、ラインを斜めに引いて、じっくり見せながら誘うのがベストだという。
ただし、大会では釣り座が決まっており、場所によっては遠投しにくい。また潮や風の向きによって、船下にラインが入ってしまう釣り座では、斜めの角度が取りづらい。こうした状況もあり、赤澤さんは「なかなか厳しい」と話していた。

パターンを見つけていく

さまざまなことを試しながら釣果に繋げていく。鯛ラバの楽しさの一つでもある。

さまざまなことを試しながら釣果に繋げていく。鯛ラバの楽しさの一つでもある。

鯛ラバヘッドはタングステンが人気だが、鉛には鉛ならではの泳ぎの良さもある。各種準備しておきたい。

鯛ラバヘッドはタングステンが人気だが、鉛には鉛ならではの泳ぎの良さもある。各種準備しておきたい。

簡単には大型マダイを引き当てられない状況。とはいえ、その中でも大型を釣っている人がいることから、「いろいろ試して、そのときの“答え”を探すのがベスト」と赤澤さん語る。
ちなみにこの日、上位入賞者や同船者にバイト時の誘いについて聞いたところ、
• 「朝一番で底から2回巻いたところでヒットした」
• 「縦の誘いで、底付近をじっくり誘って喰わせた」
• 「速めの巻き上げからスローに変えた瞬間にアタった」
• 「スピニングタックルで鯛ラバを遠投して探っていたらヒットした」
など、パターンはさまざまだった。これらのことから分かるのは、同じことを繰り返さず、底付近をテンポよく探ったり、速度やリトリーブ角度を変化させたりすることが大切だということ。パターンを探し続けた人こそが、釣果を手にしていたようだ。

プロフィール

赤澤 康弘

赤澤 康弘 (あかざわ やすひろ)

インストラクター

全国のオフショアをメインフィールドに活躍。釣りの腕や理論もさることながら、気さくな人柄で多くのアングラーや船長から慕われる。瀬戸内を中心に活動する鯛ラバクラブ『鯛ラバーズ』の会長を努め、全国の鯛ラバファンが集う『鯛ラバカップ』も主催している。

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