今回、エンゲツリミテッドでは初となるフルソリッドモデルが登場しました。フルソリッドはこれまで炎月エクスチューン/SS/XRとアップデートを重ねてきましたが、今回さらに設計を見直し、グリップエンドから弧を描く調子を実現。より大きく曲がってバラしを防ぐ調子に仕上がりました。FS-B66Mのテストではでヒラマサの7kgやブリの10kgクラスもドラグを締めた強引なファイトにも関わらず、竿に余力を残して仕留められました。ただ柔らかいだけの竿ではありませんよ。
乗せ調子モデルはブランクスを一新して軽さと感度を徹底的に磨きました。MでもMLでも魚が鯛ラバに触れた瞬間が思わず声が出るほど明快。またアタリも弾かず掛けた後の叩くような引きも吸収してくれ、感度と柔軟性を両立している印象です。
テストでの実釣を通して私が感じたことを各モデル別ご紹介します。
FS-B510MLは操作性が良く感度に優れたショートロッド。短いブランクスに多くの要素を落とし込むのは難題ですが、このモデルはティップを繊細に仕上げ、追従性の良いベリーとしなやかなバットをバランスよく調和させています。瀬戸内などの10〜70mくらいの水深に適した誰にでも使いやすいロッド。軽快に曲げて楽しむ遊び心のあるモデルですが、取り回しの良さを活かしてマイボートやカヤックフィッシングにもおすすめです。
竿全体を曲げて獲る。ソリッドの王道調子を追求したのがFS-B66MLです。FS-B 510MLよりもバットを強く仕上げ、より幅広いシチュエーションに対応します。パワーも兼ね備えているので、玄界灘のプチドテラくらいまでならOKです。内海でも外海でも私が一本だけ選ぶならこれですね。「曲げて楽しみたいけど、掛けた魚は絶対バラしたくない。」そんな上級者に向いていると思います。
FS-B66Mは100m以上の水深で、200g以上の鯛ラバを用いたディープドテラに対応します。このようなシチュエーションではリールだけ巻いていては魚が寄ってきづらい。そこでフルソリッドの特徴である竿全体を曲げ、リールをフォローして魚を寄せてくることに重きを置いています。曲がり込んでも強靱なバットが残っているので大物をリフティングすることが可能。とても頼りになるフルソリッドで、高負荷の鯛ラバをされる方に使っていただきたいと思います。
N-B610ML-Sはティップからベリーは非常にしなやかでありながら、最後のバットでフックを貫かすことができる攻撃的な乗せ調子です。力の伝達にとても優れているので、巻いてオートマチックに掛けることも苦にしません。とにかく繊細で感度が高い。バーチカルで海の中からより多くの情報量を得たい。さらに魚の息遣いを感じながらバイトからランディングへ持ち込みたい方にピッタリです。またギリギリまで攻めた設計により、フルソリッドのように曲がるのも特徴。細さもフルソリッド級で見た目にもリミテッドならではのこだわりを感じます。
チューブラーの乗せ調子で外海に対応するのがN-B 610M-S。バットにパワーを持たせて深い海域のハードな釣りへの適性を持たせながらも非常に感度が高い。海の中の状況を的確に察知し、しっかり乗せて バットで貫いて、やり取りを楽しむ。そんな釣りに向いていますね。