COLUMN

松岡豪之MEETS電動ジギング
《専用タックルでブリジギングに挑む!実釣編》

2019年10月にリリース予定の電動ジギング対応リール【ビーストマスター2000EJ】と、その専用ロッドである【オシアEJ】と専用ジグ【オシアEJスピード】。
これら電動ジギング対応タックルのポテンシャルを確認するため、シマノインストラクターの松岡豪之さんが九州の大分県と四国の愛媛県に挟まれた豊後水道へ釣行!
バーチカルスタイルの“電動ブリジギング”に挑みます。

今釣行でのビッグワンとなった10kg 弱のブリ。バーチカルジギングで、小型を避けつつ狙い通りに引き出しました。思い通りに釣った、感慨深い一本となりました。

電動ジギングで挑む!夏のバーチカルブリジギング

このエリアのブリジギングシーズンは周年。真夏はやや低調になるも、9月から冬場にかけてサイズが上がっていくのが例年のパターン。春から秋は10㎏、冬場は最大15kgを目標サイズにするアングラーが多いようです。
以前から、一般的なジギングに加え、電動リールを使ったジギングを積極的に展開している松岡さんも、
「船を立て、瀬をピンポイントで攻めながら釣るのが豊後水道のジギングの特徴。ドテラ流しとは違うバーチカルスタイルの釣りで、どれだけ電動ジギングが通用するのかとても興味深いですね」
と期待に胸を膨らませていました。

お世話になったのは大分県大分市、家島港の釣吉丸。アジ、サバ釣りなども得意とするが、周年ジギングでの出船にも対応しています。

スタートからヒット連発!手返しの良さが光る電動スタイル

今回の釣行は2日間を予定し、初日は7時から佐賀関沖でスタートしました。
松岡さんはまず、ビーストマスター2000EJの巻き上げスピードを25に設定し、ロッドはオシアEJ B63?4をセッティング。
手始めに起伏の激しい海底形状のポイントへ向かいます。
一流し目から4?5kgクラスが、続いて船を流し替えての再投入でも約7kgがヒットし、いきなり順調な滑り出しです。
その後もビーストマスター2000EJの設定を変更することなくオーソドックスなワンピッチジャークで3?5kgクラスのブリを連発!

7kgクラスのナイスコンディション。十分に満足できる相手ですが、ブリどころ、大分県ではまだまだ、となってしまいます。使用ジグは狂鱗仕様のブルーバックカラー「キョウリンマイワシ」、260gのオシアEJスピード

ファイトに関してはスムーズなこと、この上ない印象です。ビーストマスター2000EJに搭載された、パワーとスピードを生み出す、「GIGA-MAX MOTOR」の真価が発揮された一場面。片手でホールドしているだけで、軽快にグイグイとブリを寄せてしまいます。

その後一時間ほど経って潮の流れが緩みだすと、松岡さんが攻め手を変えました。
スピード設定を22に変更し、オシアEJスピードのウェイトも260gから230gに変更したのです。
「ちょっと喰いが落ちたので、新しいヒットパターンを探すためにいろいろと試しています。とはいえ、ジギングにおいてはやはり基本が大事です。バーチカルに攻める場合、瞬間的に喰わせる能力や、タナを見分ける能力が求められます。バーチカルではスラックを作ってから抜くこともできるので、ドテラの釣りと比べると、ジグの動きを自分でコントロールする意識が大切になってきます。電動リールを使うと、ジャークスピードなどを一定にできるため、自分の基準を作りやすいですね」
松岡さんはさらに続けます。
「例えば、スピードを25に一定にしてティップだけでシャクったり、バットに乗せてシャクったり、ロッドの番手を替えてみたりと、振り幅・強弱を調整して釣るだけでもいろいろ見えてきます。今日のように釣り始めから潮が流れ、普通にシャクっているだけでも喰ってくるようなときも、この調整が大切です」

初日はスタートからヒットが続きました。連続ヒットを演じたビーストマスター2000EJのスピード設定は25。「いろいろ試しましたがブリ狙いで基準となるスピードとしているのは25です」と松岡さん。

連続ヒットの主人公は3~5kgクラスのブリ。メインに使用したのは電動ジギング専用ジグ、オシアEJスピードの230、260g。カラーはキョウリンシルバー、キョウリンマイワシを多用しました。

大型狙いなら低速、小型なら高速。電動タックルで攻め分けの愉しさを実感!

スタートから順調にヒットを得ていた松岡さんですが、ヒットのペースが落ちてきたタイミングで電動タックルを置き、スピニングタックルを握りました。
「常に負荷が掛かる電動ジギングでは、潮の変化が分かりにくいことも。そんな時は使い慣れたタックルを使って確かめてみるのもいいですね。潮の変化に敏感になって、普段より状況がわかりやすくなると思いますよ」
結果、3?4kgクラスの連続ヒットに!
しかし、潮が緩んできているせいか、徐々に当初の荒々しい喰い方ではなくなってきました。
そこで松岡さんは、やや大幅な移動を機に、再び電動タックルへの持ち替えを決断しました。
ジグはオシアEJスピードの260g、オールシルバーの狂鱗仕様を使用し、今までよりロッドの振り幅を狭めながら25、23、20と順にスピードを落としていきます。

電動ジギング専用ジグとしてリリースされるオシアEJスピード。「電動ならではの超ハイスピードでも泳ぎが崩れない。しっかりローリングするし、フラッシングもする。万能に使えるジグです。潮抜けがとても良いので、潮が流れないときは、他のタイプのジグも織りまぜて使っていくといいと思います」と松岡さん。

小型の魚からのバイトを避けるように釣り続けてしばらく、ついに渾身のフッキング!
コンディションも上々の10kgに少し欠けるビッグワンを見事に釣りあげました。
「ボトム付近にいる大型に照準を合わせて巻き上げスピードを20と少し遅めに設定。シャクリ幅もやや小さめにしました。ボトムから20mを丹念に探っていたのが良かったようです」
以降は、3~4kgの拾い釣りを続け、初日のストップフィッシングを迎えました。

スピニングタックルに持ち替えてもヒットを連発。使い慣れたタックルで感じ取った海の状況を電動ジギングにフィードバックし、ビッグワンキャッチにつなげました。

「今日は、使い慣れたスピニングタックルで感じる潮のつかみ具合と、電動タックルで感じる感覚の違いが面白かったですね。何より、今回はスピニングタックルも併用することで、電動タックルでもアナログ的に攻め分ける愉しさを感じることができました。これは大きな収穫です。活性が高いときは速めにして広範囲にアピールを行い、上のレンジにいる小型を避けて大型を狙いたい場合はボトム中心に低速で、といった攻め分けが重要ですね」

釣吉丸でジギングを担当する桑嶋仁志船長。好きが高じて、というタイプです。また、取材時はシマノTVの撮影も同時敢行。

電動タックルの可能性を十二分に感じた開拓釣行。

初日の時点で『釣り切った!』という感触を得ることができた松岡さん。
そこで2日目はスタート時のみ初日と同じ佐賀関周辺を釣り、その後はより深場へ!
新規開拓と深場でのテストを目的に、水深150mから200mまでを探りました。
松岡さんは水深に対応すべく、ロッドをオシアEJ B63‐5にチェンジ。ジグもオシアEJスピードの300gにウェイトアップしました。
さらに、深場では通常のワンピッチジャークに加え、ビーストマスター2000EJに搭載のジギング専用モード「オートジャークモード」でもトライ!
これはリールの巻き上げ速度、巻き上げ時間、停止時間などを設定し、オリジナルなジャークアクションを電動で演出できるモードで、設定中はロッドを持っているだけで、再現性の高いジャークを繰り返すことができます。

ただ巻きはもちろん、レバーを操作しながらのワンピッチ、ジギング専用の「オートジャークモード」では独自のジャークアクションを設定できます。多彩に展開できる演出パターンは、新たなジギングの愉しさを生み出します。

「玄界灘で生み出した僕のオリジナルモードがあります。名付けて『松っちゃんモード』(笑)!巻き上げ時間=0・6秒/止め時間:0・2秒/巻き上げスピード:25に設定したモードです。実績あり、なのでぜひ試して欲しいですね!」
結果的に、今回の釣り場の新規開拓は残念ながら実を結びませんでした。
しかし、開拓精神に満ちた釣りが、新たなフィールドを生み出すことは間違いありません。
松岡さん自身も今回のトライで多くの手ごたえを感じたようです。

これまではドテラ流しで釣るフィールドを中心に、電動ジギングのテスト釣行を重ねてきた松岡さん。船を風と潮に立て、バーチカルに攻める豊後水道での釣りでも、その手応えは十分に満足できるものでした。

「2日目の今日は、深場で大型が釣れたらラッキー、という感覚でした。自分が経験した電動ジギングでは一番深い、水深200mちょっとまでバーチカルで釣りましたが、電動リールの使用感として際立ったのは『回収の速さ』や『楽さ』。加えて『巻き上げパワー』や、『スピード』も凄いですね! 深場の釣りで一番大変な回収を手返しよく、しかも楽にできるのは最大のメリット。300gのジグでも、200mでもスグに回収できました。」

楽に釣りができる、というこれまでの電動ジギングの印象は、ジギング専用リール、ビーストマスター2000EJの登場で大きく変わるかもしれません。このリールに秘められたポテンシャルはそれだけ大きいのです。

使いこなす愉しみが大きい電動ジギング今後もその進化から目を離せない!

最後に、2日間にわたって電動ジギングの可能性に触れた松岡さんに、今回の総括をしてもらいました。
「タックルを使いこなす愉しみを再発見できたことが最大の収穫!探究心がまた生まれ、道具の使いこなし方が見えてきました。タックル、釣りのスタイルには各々に長所短所がありますが、それらをしっかり使いこなさないと、いい釣果を得るのは難しいです。この点を再認識できたのが、今回の一番の収穫ですね」
これからも日々進化する、マスターアングラー松岡の電動ジギングから、ますます目が離せない!

電動ジギングタックルは、ロッドがオシアEJB63-4、5、リールはビーストマスター2000EJを使用(以上はすべてプロトモデル)。スピニングタックルはロッドがオシアジガー コンセプトS62-3、リールがステラSW8000HG を使用。ラインはともにメインラインが、オシア8 LD-A71S 3号、リーダーはオシアリーダーEX フロロ12号。

ウェイトはオシアEJスピードのラインナップ230g、260g、300gのすべてを使用しました。

使用タックル

ロッド:オシアEJ
リール:ビーストマスター2000EJ
ジグ:オシアEJスピード

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