2023/04/04
コラム
山本啓人がハマる! サクラマスジギングの世界
関西在住の山本啓人さんが、遠路はるばる通い込んでいるのが東北のサクラマスゲーム。その魅力、そして山本さんこだわりのタックルセレクトを紹介しよう!
手練れさえも惹きつけるサクラマスの魅力とは?
ジギングをメインスタイルに、近海から遠征、浅場から超深海まで、さまざまなターゲットを追い求めている山本さん。そんな山本さんを惹きつけてやまないサクラマス。どんなところにそれほどの魅力を感じているのだろうか?
「青森県、岩手県のサクラマスフィールドに通い始めて5年目になります。これまでも多くのオフショアターゲットを釣ってきましたが、サクラマスはちょっと変わった相手です。海と川を行き来する魚なので、海だけで生活している他の魚とはアプローチ法や攻め方が異なる部分が数多くあります。いままで経験できなかったことを考えさせてくれる、すごく面白い魚だな、と思っています。回遊ルートなども含めて魚自体の生態も分からないところも多い。そういった未知な部分にも魅力を感じますね。いまのところ、考えながら自分で仮説を立てて釣っていくのが楽しい、という感じです。テクニカルな面もあるし、考えさせられる面もある。魚から教わることも多い。いままでにないタイプのジギングなのでハマってしまいましたね。魚体の格好良さ。サクラマスにしかない表情、目の形、口の形、どこを取っても格好良い魚ですよね」
巻き上げが軽くて滑らか。基本性能はコンクエスト史上最高峰
今回、山本さんが手にするサクラマス用タックルは新作揃い。まずは大注目のオシアコンクエスト300シリーズについて、山本さんのインプレッションを紹介していこう。
「まず、強さがあります。これまでのモデル同様、さすがコンクエストという感じです。さらに新たにインフィニティドライブが搭載されたので、巻き心地も滑らか。マイクロモジュールギアによる巻き上げの軽さとの相乗効果で、とんでもなく巻き心地が良いですね。滑らかに、シルキーに巻けるということは、力を入れずに軽く回せる、軽く巻き上げられるということも意味します。柔らかく綺麗にシャクるには力を抜くことが大切。力を抜けば、フワフワと漂うように動かすこともできますからね。前作よりも1.3mm低く作られているのも特長のひとつ。とてもパーミング性能が高く持ちやすい。軽く持って、軽くシャクることができますよ」
サクラマスゲームを変えてしまう!? XGモデルの登場
基本性能のさらなる向上に加え、新たに生まれ変わったフォールレバーシステム、Xプロテクトの採用など、注目フィーチャーも多いNEWオシアコンクエスト300シリーズ。なかでもサクラマスゲームを意識した場合、山本さんが特に期待を寄せているのはXGモデルだ。
「これまでのオシアコンクエスト300シリーズには、PGとHGしかありませんでしたが、ここにXGモデルが追加になりました。300XGはオシアジガー1500HGよりも巻き取りスピードが速いんです。スピニングのハイギアモデルでしかできなかった釣りをベイトでも展開できるわけです。しかも300番というライトなサイズ感で。このXGモデルはサクラマスゲームを変えてくれる可能性を秘めています。ギア比は3つを選択できるようになりましたが、僕なりの使い分けの基準となるのはまず水深です。水深が深い青森エリアではXG、水深が浅めの三陸沖などではPGが基本になります。HGはどこのフィールドでも活躍できるので、それぞれのベースとなるギア比を補うようなイメージで使っていけると思います。もちろん、以上の使い分けはあくまでも基本。まったく正反対の使い方もあり、です。組み合わせの選択肢が増えるので、これまで以上にアングラーにとってアドバンテージが増えると思いますよ」
ライトジギングロッドの頂を目指したオシア ジガーリミテッドLJシリーズ
今シーズンのサクラマスゲームで山本さんの新たな相棒となったロッド、それが生まれ変わったオシア ジガーリミテッドLJシリーズだ。(取材時のロッドはプロトタイプです。)
「新たなオシア ジガーリミテッドLJシリーズ、こだわったのはチューブラーブランクスであるということです。とにかくレスポンスが良いロッドです。レスポンスの良さはジグの操作性の良さに直結するとても大切な要素。チューブラー独特のジグを跳ね上げる強さがありますし、高感度という面でも大きく貢献していると思います。また、手に持ったときの軽さは当然として、ジャーク時の軽さにもこだわりました。リールをセットしたときのバランスもとてもいい。ブランクスの設計、グリップの設定を煮詰めることでジャークしたときに軽く感じる、という感覚を追求した結果です。
ブランクス自体は極めて細く、極めて軽い。それでいて高強度、高弾性のM40Xという素材を使っているのでとても高出力です。さらに、軽く、細いロッドの弱点であるネジレやブレ、ダルさといった面をスパイラルXコアの搭載によって克服。シャキッとした使用感を感じてもらえると思います。強く、軽く、しなやかなブランクスを実現していますよ。身体にかかる負担を可能な限り少なくして、ロッドに仕事をしてもらうという感じ。高出力なブランクスの反発力がジグにアクションを与えてくれるイメージで、これまで以上に身体に優しくストレスフリーなジャークが可能になっています。強くなるし、感度は増すし、人間はジャークが楽。いいことしかない、って印象ですね」
ワンピッチアクションとスイミング系のリーリングジャーク、この2つがライトジギングで多用される二大アクション。この2つの演出パターンを1本のロッドできなければいけない、というのが山本さんの考え方。2つの演出法を非常に高い次元で可能にしたライトジギングロッドがオシア ジガーリミテッドLJシリーズというわけだ。
サクラマスゲームでは3つのアイテムすべてが活躍する
オシアジガー リミテッドLJシリーズのラインナップはすべて6フィート3インチにレングスを揃えた3本。山本さんはサクラマスゲームでどのような使い分けをしていくのだろうか?
「サクラマスゲームにはすべての番手が対応します。水深で使い分ける、というのが使い分けの基本中の基本となります。青森のように深場を攻めるフィールドでは、B63-2、B63-3が中心。ヒットレンジが浅い三陸沖などではB63-1、B63-2が使いやすいと思います。また、低番手の軟らかいロッドならナチュラルに誘えるし、高番手の硬めのロッドならよりアピールするアクションを効果的に演出できます。深場を狙う場合は硬いロッドとハイギアのリール、浅場はその反対というのがセッティングの基本ですが、あえてその逆のアプローチも面白いと思いますよ。サクラマスはもちろん、ハイレスポンスな攻め方が効果的な釣りにはどんどん使っていきたいです。ファストテーパー寄りのロッドアクションなので、細かい動き、ピッチの細かい動かし方が得意。青物から根魚、タチウオ、サクラマスまで、全魚種と言っていいほど幅広く対応してくれるロッドだと思いますよ」
基本となるのはオシアブランドの3つのジグ
山本さんのサクラマスゲーム、使用するメタルジグのローテーション術を訊いてみよう。
「サクラマス狙いで使うジグは主に3つ。センターサーディン、サーディンウェーバー、ぺブルスティックです。センターサーディンはサクラマスに限らず、僕のジギングゲームのど真ん中に位置するジグ。上げ(ジャーク)のアクションでも使えるし、下げ(フォール)のアクションでも使える。バランスとしても上げ50、下げ50。フォールアクションもとてもスタンダード。とにかく使いやすいジグです。ぺブルスティックはとくにメロウドがベイトフィッシュのときにマッチ・ザ・ベイト的な感覚で使うと効果的なジグ。サーディンウェーバーは名前の通りイワシを模したジグ。どちらも共通しているのは、イワシにも化けるし、メロウドにも化けられるという点。2つのジグの大きな違いはシルエットとアクションです。ぺブルスティックは動きが控え目、反対にサーディンウェーバーはアクションが派手。この違いを生かして使い分けることが多いですね。青森ではアジ、イワシ、サバなどの比較的大型のベイトを捕食していることが多いので、ジグも大きくてもいいと思っています。三陸沖ではメインとなるベイトはメロウドだと思っているので、ぺブルスティックのような細くてギラつきすぎないジグが基本です。また、三陸沖では細かい生き物がメインベイトになることも多く、そういうときは細かい乱反射でアピールできるホロのパターンや、細かい生き物の集合体のように見えるサーディンウェーバーを使ったりすることが多いですね。サクラマスは光の反射の違いで反応に違いが出ることが多いのも特徴。この習性を意識してギラギラさせて誘いたいときはサーディンウェーバー、弱ったメロウドのようにスッとした動きでアピールしたいときはぺブルスティックという感じで使い分けることもありますね」
サーディンウェーバー、ぺブルスティックにサクラスペシャル登場
安定の釣獲力を誇るぺブルスティック&サーディンウェーバーにサクラマスゲームにフォーカスしたスペシャルカラーが登場する。山本さん流の使いこなし方を訊いてみよう。
「これまでの自分の実績、という面から絶対外せないカラーがグリーンゴールドとブルピン。この2つはマストカラーと言えますね。サクラスペシャルではこの2つの実績カラーをラメブルピン、ラメグリキンとしてラメ仕様で仕上げています。視覚に訴えることができるフラッシング効果はサクラマスゲームでは大きな要素。ホロやグローというパターン、カラーは多くのアングラーが使っている、いわば定番パターン。おさえておきたいカラーではありますが、それだけでは抜き出た釣果を得ることはできません。今回のサクラスペシャルではこれまでにない新鮮なアピール手段としてラメを使っているところは興味深いですよね。細かい乱反射、乱反射しながらも色も変わるという意味で太陽光を細かく捕らえて反射するラメは効果的だと思いますよ。
Tグロピンは光を透過するホログラムパターンとグローの相乗効果が期待できるカラー。新しい発想だと思います。ベタっとしたグローの光り方にも変化が出てきますからね。ローライトの状況はもちろん、ベイトが小さいときに光を乱反射してベイトを模したりできるので面白いと思いますよ。ブラックはシルエットがしっかり出るのが強み。加えて今回のカラー、Aブラックはジグの真ん中あたりが少し薄目のブラックになっていて光の明滅効果が期待できます。際立つシルエットと光の明滅でサクラマスにスイッチを入れることができると思いますよ」
リリース以来人気沸騰! オシア シックスサイドとは?
山本さんのサクラマスジギングの基本となるのは以上の3本!…だったのは実は昨シーズンまでのこと。2023年のシーズン初登場ながら北海道や青森の各フィールドで人気爆発! 入手困難となっているほどの評価を得ているジグがオシア シックスサイドだ。
「シックスサイドはリアバランスに設定されていることが最大の特長です。シルエットがコンパクトなのでベイトが小さい時にも活躍します。どんな状況でも釣れてしまうジグですが、サクラマスジギングでとくに活躍するのは二枚潮のような複雑な潮の状況のとき。ジグがうまくフォールしなくなる状況、ラインが引っ張られてジグがフォールアクションを出せない状況でも、リアバランス設計でフォールスピードが凄く速いので、しっかりフォールして動きを出してくれます。ターゲットの目の前からパッと姿を消すようなフォールの動きも演出可能で、フォールでリアクションバイトを誘う使い方もできます。
真っすぐ上がってリアを跳ね上げて横に向く、という動きが基本。スライドはあまりせずその場で寝るような感じの動きになります。ボディが幅の異なる面で構成される六面体であることも大きな武器で、どの角度から見ても幅広の面と細い面の2つの異なる面によるフラッシングを発します。視覚で捉える傾向が強いサクラマスに対してもしっかりアピール可能です」
オシア シックスサイド、使い方の基本は?
「シックサイドの使い方はワンピッチジャークがベースになります。そのなかでジャークの幅を変えていく演出法が基本になるかと思います。あえてなんですが、ある程度の引き重りを感じるように設計されています。潮、水にジグをぶつけ、失速させてリアを跳ね上げて動かすような使い方をするためです。そのため最初は引いていて少し重く感じるときがあると思います。その場合はロッドをひと番手上げて強くする、もしくはリールの巻き上げスピードをあげるのがおすすめ。そうすると基本にしているタックルよりもしっかり動かすことが出来ます。ジグの特徴に慣れてうまくロッド操作ができるようになったら、いつものタックルセットに戻してもいいでしょう。タックルを使い分けることでアクションの幅を拡げることができると思います。
フォールでもイレギュラーアクションを出し、アピールすることができます。この動きをコントロールすることで、さまざまな攻略が可能になってきます。ロングフォールも面白く、多くの性能を隠し持っているジグで。意外に大型魚が反応してくるのがショートピッチ。硬めのロッドを使い、あまりロッドを振らず、ロッドの反発力だけを使ってピョコピョコ動かして小さく寝かせる演出法です。この動きは底に張り付いている魚や上下のレンジ移動を嫌う魚にも効果的です」
まだまだシーズン継続中の東北エリアのサクラマスジギング。以前からご当地の釣りとして一定の人気を集めてきたが、近年、急速に発展したのはタックルの進化のおかげ、と船長、ロコアングラーは口を揃える。ぜひ最新鋭のタックルで、最先端のサクラマスジギングを楽しんでいただきたい。
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