オシアコンクエストの300番がモデルチェンジしました。潮流が速くて、水深が深いフィールドが、鯛ラバで300番を使う前提になります。こうしたフィールドではドテラ流しが中心。「潮の変化を感じ取れるかどうか」が、釣果を大きく分けるキーワードになります。潮の変化を感じるということはつまり、ヒットレンジを見極めるということ。中層、下層のどこのレンジの潮が流れているかを見極めることを意味します。鯛ラバがどんどん払い出していくなかで、どれだけ払い出したところで潮が効いているのかを判断し、潮が効いたところで鯛ラバを動かしたほうが釣果につながる、という考え方が主流になっているからです。
釣り人はリールのハンドルの抵抗を通して潮の変化を感じるわけですが、新しいコンクエストに搭載されたインフィニティドライブは、マイクロモジュールギアと相まって巻き感度の向上に大きく貢献していると思います。重い鯛ラバを使ってもスムーズな等速巻きが可能で、潮の変化を確実に読み取ることができます。より潮の抵抗を感じるために、近年はHGタイプを中心に使うようになりました。HGモデルは構造上、PGモデルに比べて多少巻き重りがします。その抵抗感を逆に利用し、より手に伝わる抵抗の大小を感じることで、潮の変化を感じることができるのです。しかし、水深が深いフィールド、重い鯛ラバを使うフィールドで、いたずらに小型のHGモデルを使用するのはおすすめしません。疲労感が大きくなるし、巻きの変化の大小も感じにくくなってしまいます。僕の場合、具体的には150g以上のヘッドを使用するフィールドでは300HGがメイン機になりますね。
基本はHGモデルと考えていますが、たとえば250gを超える鯛ラバを使わなければならないときや、ラインを200m以上出して釣りをする必要性があるときは、どうしてもHGモデルでは巻き上げがキツくなります。スムーズな巻き上げもできなくなります。潮の変化も感じにくくなってしまいます。こんなときはPGモデルの出番。ただ、潮の速さなどどのようなシチュエーションで釣りをするかによって基準は変わってきますので、最後はご自身の判断で選んでいただきたいですね。
新しくなったフォールレバーにも注目してほしいですね。これまでのフォールレバーはフォールテンションを強くかけると巻き上げが重くなってしまい、使いづらい一面がありました。今回採用された新しいフォールレバーは、フォールテンションをかけても巻き上げが重くなることがありません。とてもストレスなく使えます。300番が活躍するような外海での鯛ラバゲームでは、フォールしていく鯛ラバにバイトしてきたり、フォールする鯛ラバに真鯛がついていって巻き上げに移行した直後にヒットしたりすることが多々起こります。とくに春先は真鯛が浮く傾向があり、よくあるヒットパターンと言えます。たとえば玄界灘や三国沖などでも、非常に高いところからフォールさせていく攻略法が効果的なことがあります。フォールスピードを活かしてリアクションバイトを狙うパターンや、逆にフォールスピードを落として潮に馴染ませる、いわゆるナチュラルに落としていくパターンなど、フォールスピードを使い分けて攻める考え方が有効になります。どのフィールドもどんどんタフになりつつありますので、巻きだけでなくフォールでの攻略が必要になっています。新しいフォールレバーを使った釣りはとても有意義になってくると思いますね。
僕は手が小さいので、パーミングする手ではフォールレバーを操作できませんでした。新しいコンクエストではロープロ化されたフレームと、新しいフォールレバー形状も相まってパーミングする手の親指もフォールレバーに届くので、片手でフォールスピードの調整が可能になっています。また、ロッドに装着したときに一体感が増しています。
ハンドルノブはT型タイプが標準です。巻き手の親指と人差し指を使ってノブの根本をつまむようにして握ると、アタリがあっても滑ることがなく十分に鯛ラバでも使用できると思います。感度を求め、なるべく指先だけで軽く持つことができる夢屋のラウンドノブに替えてもいいと思います。
防水性能を向上させるXプロテクトも搭載されました。外海の釣りではリールが潮を被る状況も多いので、なるべく防水性能が高いほうがありがたい。僕は釣りをしている途中で、何度も真水を掛けて洗います。鯛ラバは巻きのなかでいろいろな変化を読み取っていく釣りです。リールで感じることが多い釣りとも言えます。だから初期の回転性能を持続してくれるXプロテクトの存在はとてもありがたいですね。