2021/01/28

コラム

山本啓人さん大推薦! 2021スーパーライトジギングNEWアイテム

人気の右肩上がりが留まることを知らない、スーパーライトジギング(以下、SLJ)。イサキをメインターゲットにスタートしたSLJはその幅を広げて進化。現在では多彩なターゲットを狙うための、より身近な釣法としても親しまれている。もっと楽しく、もっと深くSLJを堪能するため、シマノからも続々とNEWアイテムがリリースされる。ここでは山口県の人気船「芳美丸」で実釣を終えた山本啓人さんの、NEWアイテムそれぞれの印象を紹介していこう。

いい意味で予想を裏切られるリール、グラップラー150HG

まずはSLJにベストマッチのベイトリール、グラップラー150HGから紹介しよう。

「とりあえず、ビックリしました(笑)。ジギングに使うサイズとしては最小サイズ。それがHAGANEボディで出来ている。だから何よりも強い。ひと回り大型のリールで巻き切れない状況でも巻ける。ダブルハンドル仕様とは思えないほどの強さです。ボディのたわみも感じない。いい意味で予想を裏切られる感じです。フォールレバーが搭載されたことも強みです。SLJでは浮いている魚を狙うことが多いので、どうしても『上げ』だけでは喰わせられないときがあります。こんなときにフォールレバーを操作してフォール中にジグを動かしていくことは、喰い気がない魚に口を使わせるためのいいアプローチになります。レベルワインドがラインの放出に連動するのでフォールもスムーズ。フォールレバーを使ったときでもラインに無駄なテンションがかからないし、魚が嫌がる動きも出にくい。思ったイメージでスムーズに落としていけます。SLJでは使用するラインが細いので、ファイトのときレベルワインドが連動してラインを放出してくれると、ラインブレイク防止効果がグッとアップします。必須の機能ですね」

3kgクラスのヒラマサをキャッチした山本さん。グラップラー150HGのサイズ感を超える剛性の高さは、青物とのファイトでも安心感を与えてくれる。

HAGANEボディ、フォールレバー、レベルワインド連動がグラップラー150HGの3本柱。しかし、それだけではない。まだまだ山本さんをうならせる魅力があるようだ。

「グラップラー150HGのギア比はハイギア一択。テストを繰り返した結果、さまざまな魚種が一番反応しやすいリーリングスピードに設定してあります。これは普通に巻いてくるだけで魚にアピールするギア比ということ。ギアはマイクロモジュールギア。巻き心地が滑らかなことはもちろん、SLJの場合はターゲットが小さいことも多く、バイトがとても小さいこともある。マイクロモジュールギアは感度もいいので、リールを通して小さなバイトをアングラーに伝えてくれるんです」

レベルワインド連動機能はスムーズなフォールとラインブレイク防止に大きく貢献してくれる。

コンパクトでロープロファイルなフォルムも大きな魅力。操作性はもちろんパワーも想像以上にある。

「コンパクトで持ちやすく、パーミングもしやすい。手が小さい人でも使いやすいと思います。リールを強く握り込む、というのはジギングではNGだと思っているんですが、そうならない握り込みやすいリールだと思います。手の上に乗せておける、強く握らなくていいリールですね。フォールレバーの操作性もいいですよ。左手一本で下から指を回して初期動作を行えるのが大きな魅力。さらに締め込む場合は右手の親指を使って行います。新しい操作方法の快適さをぜひ試してもらいたいですね。とにかく見た目に騙されないでください。一見、ジギングで使えるの? という小さなサイズ感ですが、使ってみればその大きさからは想像できない巻き上げパワーを感じることが出来ると思います。ライトジギングカテゴリーでも十分に使えると思います。シーバス、タチウオ、浅場のブリ狙いなどもOKでしょう。それだけのポテンシャルを秘めているリールだと思います」

左手の薬指を使って下からフォールレバーを操作できるグラップラー150HG。ロープロボディの生む操作性の高さは特筆もの。

マックスサイズのサワラを仕留めた山本さん。グラップラー150HGはライトジギングまでカバーするパワーも魅力だ。

異次元の回転軽さと、強度、防水性を両立した新しいツインパワーXD

スピニングタックルを使用したSLJで活躍が期待されるのは、生まれ変わったツインパワーXD。前モデルで高い評価を得ていた、強度、防水性はそのままに、大幅な軽量化を達成。SLJでの使用にはとてもプラス要素が多い、とは山本さん。

「新しくなったツインパワーXDはマグナムライトローターを搭載しています。マグナムライトローターは軽量なので非常に巻き上げ力が軽くなるのが特長。感度も凄く上がるので、小さいバイトを感知しやすくなるのが強みです。軽量化して感度があがっているのに、ボディの強さ、剛性感は従来のままなので軽く巻ける。スムーズさも格段に上がっているので繊細なSLJでは大きな武器になると思いますよ。疲れ知らずで激しいジャークを長時間続けることもできる。もう、プラス要素しかないですね。マグナムライトローターを搭載しているリールのなかでは最強。巻きの軽さ、スムーズさがありながら、強い。巻いてもらえばすぐに分かると思いますよ。SLJでの必須パターン、スイミングジャークにも最適だと思います」

繊細なSLJではハンドルを握る手に伝わる情報がとても重要。それでいて強さ、耐久性も重視されるのはジギングならでは。いずれも満たしてくれるリールがツインパワーXDだ。

ツインパワーXDはラインナップが豊富。SLJで使いやすいサイズやギア比、使い分けのパターンなど、山本さんのおすすめは? 

「SLJで使うならおすすめは4000番ですね。XGもあるけれどPGとHGが使いやすいと思います。基本はPG。SLJでは水深が浅いフィールドで釣ることが多いので、HGを使うとジグを引きづって回転させてしまうことが多い。これではいまひとつ喰ってこない。この現象を減らすためにPGを基本にします。ロッドをシャクるごとに、1回1回ジグを横に向けることを意識して動かすのが基本になります。PGで喰わなければ、スピードを速め、追わせて喰わせることを意識してHGにチェンジします。このギア比で喰わなければ違うギア比、という感じで、ジグを変えるのと同様の感覚でチェンジします。そうすると、この魚はこのスピードで喰ってくるとか、ジグを横に飛ばした方がいいのか飛ばさないほうがいいのか、といった傾向が分かってきますね」

ジグと同様、リールのギア比を使い分けることで、魚の反応は変わってくる。多彩なターゲットを楽しめるSLJでは魚種を釣り分けることも可能になる。

新たなSLJ仕様が登場するゲーム タイプLJ&グラップラーBB タイプLJ

ゲーム タイプLJ
グラップラーBB タイプLJ
ロッドでは生まれ変わった「ゲーム タイプLJ」に注目。とりわけスピニング、ベイトともにラインナップされたSLJカテゴリーのフルソリッドアイテムに注目したい。

「新しくなったゲーム タイプLJでこだわったのは、グリップまで曲がるワンピースロッドのような使い心地です。ジャークをすると、ロッドがジグの重みを受け止めて曲がってから、しっかり復元してくれる。いままでにはないシャクリ感で、とてもジャークが楽になりました。全体が粘って曲がる安心感があります。ゲーム タイプLJ ではLJ対応のチューブラーモデルもありますが、今回はSLJということでフルソリッドモデル、スピニングモデルではS65-0/FS、ベイトモデルではB65-0/FSを中心に使いました。フルソリッドはいままでは上位機種のオシアジガーLJにしかなかったモデルです。フルソリッドに特有の弱点、ダルさ、重さ、ネジレがほとんどなくなる感じに仕上がっています。払拭できたのはハイパーXフルソリッドの効果でしょう。フルソリッドながら軽く、ネジレも少ないので、チューブラーロッドのような操作感があります。イージーなジグ操作が可能で、ロッド全体が曲がってジグを動かしてくれるので体に負担が少ない。低燃費ジャークが可能になっています。魚を掛けてからはどこまでも曲がっていくのでとても楽しいですよ。曲がり込むのと同時に衝撃を十分に吸収してくれるので魚を暴れさせない。だからバラしにくい。意図的にジグの暴れを制御しやすいので、リーリングジャークに最適なアクション。それでいてワンピッチにも対応できる。けっこう万能です。ロッドの保持角、ラインの角度を調節しながら使い分け、速く、遅くと緩急をつけたアクションで演出することが可能です」

ベイト、スピニングともにLJカテゴリーに属するチューブラーモデルもラインナップしている。

「ベイト、スピニングを問わず、LJ用のチューブラーモデルもとても進化しています。軽くて強いのはもちろん、よりジャークのしやすさが際立ってきましたね。ロッドの反発力をより生かしたジャークが可能な設計になっているので、ライトジギングにはベストマッチ。多くのテクノロジーを搭載して、使いやすく仕上がっていて、LJカテゴリーを超えるような不意の大型にも十分に対応できる強さもありますね」

目でも楽しめるこの曲がりがフルソリッドモデルの真骨頂。曲がるだけではない、しっかり復元する点が、ゲーム タイプLJフルソリッドモデルの特長だ。

グラップラーBB タイプLJにもSLJカテゴリーとなる0番仕様がスピニング、ベイトモデルともに追加されている。

「今回はグラップラーBB タイプLJ B66-0を使いましたが、以前のモデルに比べて格段に使い心地がよくなっています。少し気になっていたダルさがなくなり復元力も十分。バシッとしたロッドに仕上がっています。軽いな、強いな、と思っていたら、ハイパワーXが搭載されていました。納得です。店頭で見ると値段のこともあってビギナー向けかな、と思われるかも知れませんが、ベテランの方が使っても十分に納得いただけるクオリティがあると思いますよ。SLJを始めたい、という方にぜひおすすめします」

前作に比べて操作性が格段に向上したグラップラーBB タイプLJ。山本さんも納得のクオリティだ。

SLJの新定番ジグとして定着間違いなし、ぺブルライト。

「メタルジグでは新しくペブルライトがリリースされます。ウェイトは40、60、80g。SLJで使いやすいウェイトラインナップだと思います。ぺブルライトの動きは、上げのアクション5割、フォールアクション5割。フォールアクションは大人しめでゆっくりという、SLJでヒット率が高いアクションに仕上がっています。シルエット自体もカタクチイワシなどのベイトフィッシュを意識したデザイン。上げも下げ(フォール)もとてもバランスよい動きを出してくれるので、その日の魚がどういう動きに反応するのかの判断をつけやすいジグです。動かし方の基本はリーリングジャークからワンピッチまで対応します。しっかりシャクればスライドするし、リーリングでゆっくりシャクればベイトフィッシュライクなスイミングアクションを出してくれますよ」

ぺブルライトはターゲットを問わず「最初の一投目に選んでほしいジグ」と山本さん。基本となる動きに対する魚からの反応が、その日の釣りの組み立てに大いに役立ってくれる。

ペブルライトの登場でオシアブランドのSLJ用ジグは3種類がラインナップ。それぞれの山本さん流の使い分けを尋ねてみた。

「ぺブルライトはパイロット的存在です。上下の動きのバランスが良く、その日の魚がどういった動きに反応しやすいのかを把握しやすいからです。ワンピッチアクションをベースに、上げと下げの組み合わせで探っていくイメージですね。ガトリンライトTGは巻きで喰わせる、スピードで喰わせるタイプのジグなので、ただ巻きから使い始めることが多いですね。スピーディに手返しよく、効率重視で使っていくサーチベイト的な存在。遊泳力のある青物などにも効果的です。フラットライトはジャーク後の移動距離が少ないところが特長なので、ジャークして横に向けてからフォールという動きを繰り返し、少しスロースピードで、海底に張り付いた根魚、大型青物に口を使わせるイメージで使いますね」

SLJ用ジグ三兄弟。写真上からガトリンライトTG、フラットライト、ペブルライト。使い分けることでより釣果アップが期待できる。

新たなタックルの登場でさらに盛り上がること必至のSLJ。未体験というアングラーにもぜひ挑戦してほしい、と山本さん。

「SLJは道具面でもアプローチ面でもどんどん進化していくと思います。タックルの進化が凄いので、今後はSLJという枠を超えて、いろいろな魚、いろいろな水深で、新たな可能性を切り拓いていける釣りだと思います。NEWタックルを使ってさらに楽しんでいってほしいですね」

WEB LURE X MOVIE

【SLJ】2021シマノ スーパーライトジギング新製品コレクション

タックルデータ

REEL:GRAPPLER 150HG

堅牢なHAGANEボディのロープロファイルボディにフォールレバーとレベルワインド連動機能を搭載したオフショア対応小型ベイトリール。SLJに照準を合わせた、より釣れる最大巻き上げ長78cmの設定にも注目だ。

REEL:TWINPOWER XD 4000PG、HG

マグナムライトローター搭載により、操作性と感度を向上する異次元の回転軽さを実現。さらにアルミ製HAGANEボディを採用することで高剛性をも実現したNEWモデル。SLJには4000PG、XGがべストマッチ。

ROD:GAME Type LJ

ジャーク性能が際立つ進化を遂げた新生ゲームタイプLJシリーズ。SLJ対応アイテムはすべてハイパワーXフルソリッドを搭載したフルソリッドモデル。しなやか、細身、粘りといったフルソリッドの特長を生かしながら、特有のネジレ、ブレ、ダルさといった短所を克服。ベイト&スピニングを合わせて3アイテムがラインナップ。

ROD:GRAPPLER BB Type LJ

ハイパワーXを搭載し、上位機種の設計ノウハウを継承、生まれ変わったグラップラーBB  タイプLJシリーズ。SLJ対応の0パワーモデルがスピニング、ベイトともに1アイテムずつ登場する。

LINE: OCEA EX8 PE 1号

スロー系ジギングのように、水深300mを超えるような深場を攻める場合、ラインの水キレの良さが重要になる。OCEA EX8 PEは、ラインの滑りがとてもいいので、水キレに優れ、二枚潮のような状況でも対応しやすい。潮の抵抗によって必要以上にラインや糸フケを出さずにすむ。また、PEラインの登場以来、伸びない糸はもう珍しくなくなった現在、伸びないことと、強さを両立させることがメインテーマになっている。OCEA EX8 PEは8本撚りで強度があるので、ラインの号数をワンランク落とすことができ、経験では14㎏の青物を1.5号で何の問題もなく獲ることができた。水キレがよく、かつラインを細くできるので、潮流の抵抗を軽減しながら楽に釣りを展開できる。細ければ当然感度も上がるので、魚からのコンタクトや海中の情報をキャッチしやすい。

LEADER: OCEA JIGGER LEADER MASTER FLUORO 5号

強度に優れた超高分子量『マスターフロロ』採用し、従来のオシアリーダーと比較し、高レベルの「しなやかさ」と「衝撃吸収性」を実現。数々のテスターレコードがこのラインで捕獲されている。糸グセ/ヨレが入りづらく、長時間の使用にも向いています。スプールにも良く馴染み、スローに使う回転系ジグにもお勧め。2重構造を採用し、外層を柔らかくする事で、安定した結節強力が出しやすく、芯を固くする事で、ファイト時に踏ん張る、粘りを出すことに成功。

プロフィール

山本 啓人 (やまもと ひろと)

[インストラクター]

幼少時、身近な海でのエサ釣りを経て、ルアーフィッシングをスタート。 ソルトゲーム全般に親しむ過程でジギングに出会いハマる。 現在は「理論と勘を駆使して考える」釣りであるスロー系ジギングに没頭し、その魅力を発信している。

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