2020/02/05
コラム
上達の近道は手返しにあり!只松雄司、ファイアブラッド グレ デクストラルで大物グレを喰わせる
多少の悪条件でもトーナメントとなれば試合が続行する限り竿を振り結果も求めていかなければならない。2006年シマノジャパンカップ磯(グレ)釣り選手権全国大会を制した只松雄司さんにグレ釣り上達のコツをアドバイスしてもらった。
INDEX
潮の読みとアプローチ法
上げ潮が宮の浦のシンボル尾上島方向へ向かって走っていて、その引かれ潮から仕掛けを入れる。
「グレは瀬から離れすぎるとエサを追ってこないので、マキエと合わなくなった時点や仕掛けを投入した地点から20mも離れると仕掛けは回収した方がいいでしょうね」
潮の中に仕掛けを流していく本流釣りは、その潮目の下に沈み瀬や根など魚が居つく条件があれば流してみる価値があるが、モトバンは瀬際からドン深で、たとえ沖合に沈み瀬があっても上手く仕掛けが流せない。つまり、瀬の周りでマキエの効く範囲が主戦場ということになる。
「釣りの大事なことは釣れない時間をなくすこと」
とは、只松さんの口癖だ。その中で釣れる可能性の薄くなった時間に見切りをつけ、流し直す。1尾の差で勝敗が決まるトーナメントでは特に気をつけなければならない点だ。まだ水温が20℃を下回らない晩秋の磯ではバリやイサキの活性が高い。
「仕掛けが入りすぎるとイサキ喰ってくるし、潮が緩いとバリ。まだまだ潮が動いていない感じだね」
只松さんは、沖に出てしまったエサトリを足元に戻すべく足元だけにマキエを打っていく。こうすることで沖のマキエを完全にカットするのだ。
スズメダイは厄介だが、意外と素直な魚なのだ。
良型を引き抜く
さらにマキエワークは遠近分離だけではない。喰わせのポイントは3点くらい目星をつけておくと良い。それは潮のヨレや潮の変わり目など何らかの変化が生じている所。
グレが喰い出せばエサトリは影を潜める。只松さんは、目星のポイントにマキエを打って横に縦にグレを走らせる。そうすることで喰い気を増幅させ、良型の個体との遭遇率を高めることができる。ロッドの持つ高度な操作性はツケエが潮任せではなく、まるで釣り人の意思でグレの口元に届けているかのようだ。海中のツケエの流れ方のイメージが鮮明になればなるほど手返しの重要度が増し、有効な流しを増やしていくことができる。
アベレージサイズの数釣りの連続の中から、ある瞬間40㎝クラスが飛び出した。
「これは良い型だよ」
そういうとロッドを立て、胴までしっかり入り込んだロッドはパラボラチューンR+で大きく曲線を描き、粘る。グレを海面まで浮かせるとタマノエが驚きのスムーズさでスイスイ伸びて掬い上げた。
「頭を使って手返しをよくすることが、グレ釣りの秘訣であり基本です」
只松さんはさらなる1尾を求め、潮の流れに目を凝らす。
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