2024/05/24
コラム
マスターチューン×BB-Xデスピナin東伊豆 1尾からの展開 友松信彦
グレ釣りの魅力
「(フカセ釣りは)様々な難しい要素が多くありまして、難しいからこそいろいろな釣技があって、その釣技を一つ一つ自分なりに嚙み砕いて上達していく」。
その釣技を自分のものとし、繰り出し、噛み合い、うまく重なることで連発が可能になる。
グレ釣りの魅力を友松さんはこう語る。
「たまたまの1尾からどんどん展開していってパターンにはめ込んでいくゲーム性の高さですね」。
水深5m未満の誘い
取材当日は南西の風が強く、友松さんがエントリーしたのは釣りができる風裏の地磯。半強制的な遠浅エリア、かつ時期的(7月)にエサ取りが多い状況から良型を拾っていく釣りとなった。
クリアで丸見えの底の地形から、水深5m程度だというシモリとシモリの間の少しでも深い溝に誘いを入れてみる。
友松さんがフカセ釣りで大事にしているのは、釣行毎にテーマを設定し、それを実行すること。
今回のテーマは、「浅い水深から魚をいかに引き出すか」。
状況を受け入れて展開する、まさにトーナメントで獲るための思考だ。
パターンの構築
「精度の高い釣りをすると答えが返ってくる時があるんで、そういう魚を釣りたいですね」。
水面に見えるエサ取りが多くても、シモリにエサが入っていない場合、周りを丁寧に攻めると良型が取れる可能性がある。
ウキへの反応を見て攻めるタナを2ヒロに、さらに潮の流れから8号の極小ガン玉を追加し口太グレを捕獲すると、エサ取りの猛攻を避けるべくサシエを小さくして、ついに良型の尾長グレを手中に収めた。
「会心の1尾、嬉しい」。
その日、その時の釣れるパターンを読み解き、再現できるように構築する。
こうした何段階にも及ぶ調整が友松さんの真骨頂でもあり、釣るため、勝つための過程でもある。
タックルインプレッション
「低弾性カーボンの特徴と胴調子が相まって、非常に釣ってて楽しい竿ですね」。
胴調子でよく曲がるが、バランスの良さで竿を立てられる1号。
ど真ん中よりもやや粘りやタメが効く、マスターチューンらしい基本調子の1.2号。
ただ硬いだけではなく、キャスティング性能に優れた先調子の1.5号と、それぞれに特徴と使い勝手を追求したラインナップになっている。
「これからフカセ釣りをガンガン始めていく方、トーナメントに参加したい方、十二分に使いやすい竿になっいますので、一度手に取って魚を掛けてみてください」。
会心の1尾
夕マズメに期待して少し移動。潮の流れ、マキエとサシエの位置関係とエサ取りも含めた魚の反応を確認しつつ探っていく。
30cm超の口太グレを2尾釣ったところで、魚は浮いているのではと推測。
ゼロピットをLサイズの0からMサイズの0に変えて1尾をキャッチ。アタリが明確になったことから続け、水面に波紋が出ていたことから1ヒロの浅ダナで勝負をかけ、待望の良型の尾長グレを捕獲した。
釣れた魚からの推測と展開という、まさに友松さんらしい釣りでの1尾。
「朝からいろいろやって、最後に出会えたこの1尾。このプロセスがやはり楽しいですね、グレ釣りは」。
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