2024/05/24
コラム
本流・激流の尾長グレ×五島列島×森井陽
磯釣り師にとって特別な存在である尾長グレに真向勝負するのは、シマノインストラクターの森井陽さん。舞台は五島列島。相棒は尾長グレを獲るために開発されたマスターチューン尾長。変化し続ける潮を丁寧に読み、本流に潜むターゲットを獲る。
五島列島の尾長グレ
歯の鋭さ、そしてスピードなど、釣り人にとって好敵手となる尾長グレ。その激しいファイトもさることながら、魚体の美しさも魅力のひとつだ。
「獲れた時に『やったー』って思える、最高のターゲットですね」。
そんな尾長グレに魅了された釣り人のひとり、シマノインストラクターの森井陽さんが向かったのは五島列島。
森井さんのホームでもある四国西南部の沖ノ島や鵜来島のような、見える尾長を浅ダナで仕留めていく釣りではなく、五島では本流の中での釣りとなる。
「ここでは潮を釣る。その潮の中に仕掛けをきっちり送り込んで流してやると、ラインを引ったくるようなアタリで尾長グレが喰ってくるんです」。
本流の釣り
五島列島の福江島、荒川港から出船し、五島の象徴ともいえる大瀬崎灯台を視界に入れる下のオゴ瀬へ。
その留まることを知らない潮は、まさに森井さんが望んだ本流だが、慣れないうちは釣り座を決めることすら困難になる。
「どこに仕掛けを投げたら落ち着くのか、どう流すとどう流れるのか、少し目を離してまた海を見ると、全然違う景色に変わっているとか。それが読みにくい」。
それでも潮を読み、釣りを開始すると、1投目から反応があるのは五島ならではの魚影の濃さ。まずは口太グレ。続けると、2尾目にして、待望の尾長グレをキャッチした。
タックルと誘い
ロッドはマスターチューン尾長1.7-500、リールはBB-X ハイパーフォースC3000DXG S L。口太グレも多い時期(2月上旬)のため、回遊性の尾長グレを狙うべく、遠投気味に仕掛けをキャストして狙うが、口太グレのラッシュに見舞われてしまう。
「口太を釣っている中に尾長が入るから、油断はできないですよね」。
歓喜の瞬間
1投1尾とも思える口太グレの連発に仕掛けをチェンジ。マキエと同調するように潮に流して誘いをかける。
ロッド1本分の道糸を流しては張る、至極繊細な操作を繰り返し、尾長グレを反応させることに成功。潮の強さと相まって、その引きは強い。
「五島らしい尾長がきた!」。
最後の抵抗すら愛おしい、歓喜の瞬間が訪れた。
インプレッション
マスターチューン尾長の最大の特徴は、低弾性・太径設計のブランクス。粘りで『耐える』を『浮かせる』に転化し、ノされることなく捕獲に繋ぐことができるようになった。また、衝撃を吸収することでハリスも切られにくくなり、キャッチ率が向上していることも見逃せない。
「魚を掛けてファイトの時にロッドがノされかけても、じっくり魚をタメて、ジワジワと魚を浮かすことができる。だから極端に言うと、竿立てるというよりも、竿を寝かせながら、ゆっくり魚を上げてくる。そういう特徴のあるロッドだと思います」。
尾長はだから面白い
大瀬崎灯台の足元、一丁網。これぞ五島の本流と森井さんが表現した磯。
潮にずっと流して150mの限界点までラインを送り込んでアタリを待つ。
仕掛けをキャストすると、オープンベールで激しい潮に流されるままにする高度なテクニックを要する誘いで本流に挑む。
「やっぱり本流の尾長は面白いね」。
飲まれてはいたが、ロッドが強い引きを追従し、ブレイクすることなくキャッチに成功。
「尾長狙いをやったことのない方、これから尾長グレをやってみたいという方はね、今回のマスターチューン尾長を使って、ぜひ自分の思い出に残るような価値のある尾長グレを仕留めていただきたいなと思います」。
関連記事
RELATED COLUMN