2024/07/01
コラム
メンテナンス
釣行後のGORE-TEX製品のメンテナンス方法 磯インストラクター友松信彦が解説

GERE-TEXウェア類をしっかりメンテナンス
耐久性に加え、防水性と透湿性を備えるGERE-TEX。キャップ、レインスーツ、シューズと様々なものに採用され、アングラーをサポートしてくれる素材だ。しかし、それらのアイテムはアウトドアでの遊びである釣りにおいて、やはり汚れてしまう。さらにそのまま使い続ければ、素材の良さを発揮できなくなる。そこで釣りの後の洗浄、そしてメンテナンスを行うことが大切。ここではその洗浄方法とメンテナンス方向を、友松信彦さんが細かく丁寧に解説。

キャップのメンテナンス
強い日差し、雨、冷たい風などから、頭部を守ってくれるキャップ。GORE-TEXのモデルを選ぶことで不快な蒸れが抑えられ、より釣りに集中することがきでる。しかし汗や飛沫などで意外と汚れるもの。メンテナンスをしっかりしておけば、快適さが保たれるだけでなく、被った時も爽快だ。汚れが目立つ部分を先にしっかりとお洗い、その後全体を洗って、形を整えてからしっかり乾燥させたい。

①まず洗う前に必ず行いたいのが、キャップの裏にあるタグに記載されている洗い方のチェック。

② 次に、大きさを調整する面ファスナーを中立の位置に戻しておく。これにより、洗浄時のファスナーの擦れによる生地へのダメージが少なくなる。

③磯釣りの場合は、巻きエサが付いたり、汗染みなどの汚れがひどいところがあれば、その場所に先に洗剤を染み込ませておく。その際、洗剤を布に塗り、汚れの付いた場所に塗り込む。ビン革(キャップの内側の肌と触れる箇所)もしっかり行っておきたい。

④ 40℃以下のぬるま湯を用意する。洗剤は液外洗剤(中性洗剤)を使用。柔軟剤、漂白剤は生地を傷めてしますので使用しないこと。この液体洗剤を水10Lに対して3~4gを目安に入れる。

⑤洗剤を泡立たせ、そこに前処理したキャップを浸し、手で汚れを落とすように優しく洗っていく。汚れがひどく先に洗剤を塗り込んだ場所は、より念入りに洗っていく。

⑥汚れが落ち綺麗になったら、真水を用意し、そこにキャップを浸して洗剤を落としていく。泡が出なくなるまですすぐ。洗剤成分が付いていると、撥水性能の低下に繋がるため、しっかりすすぐことが大切。すすぎ終わったら、水気を取り、キャップの形を整え、日陰で平干しして終了。
撥水性能を復活させる方法
レインスーツのメンテナンス

①キャップと同様、レインスーツの内部にあるタグをチェックし、洗濯方法を確認する。

②全てのポケットに余分なもの(ゴミやハリスの破片など)、小物類が入っていないか確認。

③袖、裾、膝など汚れやすい箇所にはしつこい汚れが付きやすい。また、襟元も汗汚れが付きやすい。そのような場所は、先に洗剤を別布に取り、染み込ませておく。ゴシゴシと汚れを落とすのではなく、塗り込む感じでOK。

④40℃以下のぬるま湯を用意する。洗剤は液外洗剤(中性洗剤)を使用。柔軟剤、漂白剤は生地を傷めてしますので使用しないこと。この液体洗剤を水10Lに対して3~4gを目安に入れる。



⑤ 洗剤を泡立たせ、そこに前処理したウェアを浸し、手で汚れを落とすように優しく手もみ洗いしていく。汚れがひどく先に洗剤を塗り込んだ場所は、より念入りに洗っていく。


⑥汚れが落ちたら、真水でしっかりと洗剤を落としていく。洗剤が残っていると、撥水性能が落ちてしまうので、泡が出なくなるまですすぐ。すすぎ終わったら、日陰でハンガーに吊るして乾燥させれば終了。


⑦ キャップと同様、ウェアも使い続けていると撥水性能を落ちてくるため、アイロンを当てて撥水性能を復活させる。アイロンの温度設定を「低温」にし、当て布の上からアイロンを当てていく。長く当てる必要はなく、シワを伸ばす感じで当てていけばOK。この時、注意点としてファスナーの部分は布が溶けてしまうことがあるので、ファスナーには触れないようにすること。アイロンを当てても撥水性能が落ちたと感じたら、シマノウェア撥水コートスプレーを掛けると良い。
シューズのメンテナンス

①ブラシなどで、まずは目立つ汚れを落としていく。泥、巻きエサ、海藻、葉っぱなど、細かな部分もチェックしながら落としておく。特にソールは念入りに。これらの汚れが匂いの原因にもなる。

② 大まかにブラシで落としても、こびりついた汚れが残っているため、そのような汚れを洗剤で落としていく。まずは別布に中性洗剤を染み込ませ、それを汚れた部分に当て、洗剤を染み込ませていく。こすって汚れを落とすのではなく、汚れた部分の生地に洗剤が染み込めばOK。

③シューズの中に、中敷きが入っているので、それを取り除く。さらに靴の中の小石、埃などを取り除いておく。

④40℃以下のぬるま湯を、シューズが入る桶などに用意する。洗剤は液外洗剤(中性洗剤)を使用。柔軟剤、漂白剤は生地を傷めてしますので使用しないこと。この液体洗剤を水10Lに対して3~4gを目安に入れる。

⑤洗剤を泡立たせ、そこに前処理したシューズを浸して洗っていく。靴は、その他のウェア類よりも付いている汚れが多いので、ブラシでしっかりと汚れを落としていく。汚れがひどく先に洗剤を塗り込んだ場所は、より念入りに洗っていく。特にソール、つま先分は念入りに。

⑥汚れが落ちたら、真水でしっかりと洗剤を落としていく。洗剤が残っていると、撥水性能が落ちてしまうので、泡が出なくなるまですすぐ。

⑦シューズは、すすいだ後に内部に水が残ってしまうため、布でしっかりと水を切っておく。その後、日陰で平干しして、完全に乾けば終了。

⑧シューズの洗浄後のメンテナンスは、撥水スプレーで行う。撥水スプレーでコーティングしておくことで、汚れが落ちやすく、付きにくくなる。シマノウェア撥水コートスプレーを使用がオススメ。撥水スプレーを使用する際は、必ず屋外で行うこと。
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