2022/10/13
メンテナンス
ベイトリールの日常メンテナンス
近年のベイトリールは防水性能が向上し、海でも問題なく使用できます。しかし、波飛沫を被ったまま放置すると各部に付着した塩が結晶化し、固着などの不具合が生じる恐れがあります。
本来の性能を維持するためには、日頃から簡単なメンテナンスを行うことをおすすめします。メンテナンスといっても、日常に行うレベルであれば大掛かりなものは不要です。シマノのベイトリールはボディの密閉性が高く、またギアも緻密に組み上げているため、無闇に分解すると元の巻きごこちに戻らなくなるケースもあるのでおすすめできません。
日常的なメンテナンスでは、しっかりと塩気と汚れを落とし、スプールや回転軸周りの必要箇所にオイルやグリスを注油するだけで十分です。
手順1 洗浄
まずは流水でリール本体に付着した塩分や汚れを洗い流します。レベルワインドやクラッチ周辺などの可動部は特に汚れが溜まりやすいので、念入りに汚れを落としましょう。汚れがひどいときは、本体からスプールを外して洗うとよいでしょう。洗浄はあくまでシャワーなどの流水で行い、水の中に漬け込まないようにしてください。
洗浄時は、必ずドラグを締め込んだ状態で行ってください。ドラグを緩めたまま水を掛けると、内部に水分が侵入する恐れがあります。洗浄は水道水で行うこと。温水で洗浄するとグリスが流れてしまう恐れがあります。
1.ドラグを締める
2.全体の汚れを落とす
3.ハンドル周りの汚れを落とす
4.クラッチ周辺の汚れを落とす
5.細部の汚れを落とす
6.スプール周りの汚れを落とす
7.ブレーキパイプの汚れを落とす(SVSインフィニティの場合)
手順2 脱水&乾燥
洗浄が終わったら乾燥作業に入ります。乾燥は「日陰での自然乾燥」が鉄則です。早く乾かそうとドライヤーで熱風を当てたり、日なたに置いたりすると内部の蒸れにつながるので避けるようにしましょう。また、スプレータイプのエアダスターで水気を飛ばすこともおすすめしません。
リールに残った水滴は乾いた布などで拭き取り、その後は屋内か風通しのよい日陰で乾燥させるようにします。乾燥させる途中では、隙間に残った塩分やサビによる固着を防ぐため、一日に一回はハンドルやクラッチなどの作動部を動かすようにしてください。
注意点は、とにかく完全に乾燥させることです。表面は乾いているように見えても、細部の隙間に水分が残っていることがあります。乾燥が不完全なままケースに入れっぱなしにすると、固着などの不具合を起こす可能性があるので注意してください。
1.ハンドルを回して水気を飛ばす
2.クラッチ周りの水気を拭き取る
3.乾いた布で全体の水気を拭き取る
4.風通しのよい場所で陰干しする
5.固着やサビを防ぐひと工夫
手順3 注油&グリスアップ
リールが完全に乾いたら、必要箇所にオイルやグリスを差します。オイルとグリスは箇所やパーツによって使い分けます。リールの性能を最大限引き出すために、オイルとグリスは必ずシマノの純正品をお使いください。
注油とグリスアップの箇所は機種によって異なり、またDCブレーキと遠心ブレーキ(SVSインフィニティ)によっても違いがあるので、お手持ちのリールの取扱説明書にて確認してください。ここでは21アンタレスDCと19アンタレスの2モデルを例に説明します。
必要なもの
【DCブレーキ搭載、遠心ブレーキ(SVSインフィニティ)共通の注油手順】
1.ハンドルノブの回転部分をグリスアップする
2.ハンドル側の注油穴キャップを外す
3.ベアリング部分にオイルを差す
【DCブレーキ搭載リールの注油手順/例=21アンタレスDC】
4.反対側のサイドカバーを開ける
5.注油穴キャップBを外す
6.ベアリング部分にオイルを差す
7.DCユニットを取り外す
8.スプール軸にオイルを差す
【SVSインフィニティ搭載リールの注油手順/例=19アンタレス】
4.サイドカバーを開けてスプールを外す
5.スプール軸にオイルを差す
6.スプール軸のベアリング部分にオイルを差す
7.サイドカバーのベアリング部分にオイルを差す
8.ブレーキパイプ部分にオイルを差す
オーバーホールについて
以上の簡単なメンテナンスでも塩噛みによる固着やサビを防ぐことができ、滑らかな回転が維持されますが、使い続けているうちにギアなどのパーツは摩耗してきます。
快適にリールをお使いいただくためにも、一般的な釣行ペースなら1年に一度、頻繁に釣行される方なら半年に一度程度、定期的にオーバーホールに出されることをおすすめします。また、うっかり海水に水没させてしまった場合も、オーバーホールに出していただくほうが安心です。
詳しくはフリーダイヤル(0120-861130)に問い合わせていただくか、シマノホームページをご覧ください。
シマノカスタマーセンター
https://www.shimanofishingservice.jp/
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