2020/04/27
コラム
抜群の対応力!ジャパンカップ連覇の友松信彦が伊豆半島の未開拓磯を冷静に攻略。
重い半遊動から軽い半遊動へ、ジャパンカップ連覇の友松さんが抜群の状況判断をし、
田子の未開拓磯を攻略していく。
シモリ狙いを小休止
いつもの釣りで連続ヒット
上層に少しエサ取りが出てきたようで、仕掛けに手を加えてみたものの反応がなく、しばし停滞。
そこで船着き正面の開けたポイントを狙ってみることにした。ここではもちろん、いつも通りの全遊動にスイッチ。
右手の沖に投げると沖流れの潮は見つかったが、マキエが溜まるようなスポットは見当たらない。やや左手の中距離に泡が浮かぶ軽い潮目のような箇所を見つけた。そして、ここで連発。
このときウキを見ていると、ウキ下がなじんでからの入り方がいつもと違うような気がした。
「(ウキが沈むのは)遅いですね。結局、いい潮があるわけじゃないので張って調整するとマキエから外れてしまうんです。だからある意味、ウキ任せです。それに深く入れたら喰わないですね、竿1本くらい入っていたのを一度上げて、2、3ヒロでフワフワさせてたらきましたね」
30cm後半までのサイズは出るが、40cmまであと1、2cm足りない。惜しい。
水温は20度を切っているものの寒というには遠い。むしろ適水温に近いこともあり、いつもの釣りが威力を発揮したようだ。
ここではハマフエフキの60cmオーバーも飛び出したが、怪力のこの魚を1号ロッドであっさり取り込んだのには驚いた。そして、ここにも攻略のヒントがあった。
根ズレを恐れぬ理由
シモリ周りの釣りで厄介なのが根ズレ。それを防ぐ秘策が竿を曲げ込み過ぎないやり取りなのだ。
「とにかく引っ張り過ぎない。今の竿は性能がいいからすぐ魚が落ち着くんですよ。最初にフルパワーで引っ張るとダメですね。竿の2番くらいに荷重をかけて散歩させるような感じで寄せると、磯を見ると沖へ逃げるんです」
このやり取りは、以前のジャパンカップで田中修司さんの釣りを見て影響を受け、練習を重ねてきたものだという。修司さんが「ハエ根返し」と呼び、友松さんは「穂先やり取り」と呼ぶこの技がシモリ周りを恐れずにタイトに狙える原動力のひとつになっているのは間違いないだろう。
ちなみに2人とも0・8号や1号といったロッドを好んで使用するのも、これが理由のようだ。
「普通の高弾性カーボンだと『弾く』んでしょうけど、今の竿はこういうことができるようになったんですね」
重い半遊動から軽い半遊動へ。そして40cmの壁を突破
潮が引いたので釣り座を20mほど左へ移動してみることにした。短い岬のような地形を越えると釣り座を構えることができた。ここも沖に頭を出すシモリとの間を狙うポイントだ。
最初は全遊動のまま狙ってみたが狙いのピンポイントから仕掛けがどうしてもズレてしまうのと、微妙なアタリでサシエを取られてしまった。
「あれがアタリだったんですね、半遊動いってみましょうか」
ここも「ガチャガチャ」したポイントなので2BのウキにオモリはBとG3をセットした。ウキ下は2ヒロ。数投して下のG3を少し上に上げると再び反応が出始めてレギュラーサイズが顔を見せてくれた。が、ここで友松さんは満足せず、次の手を模索する。
「軽い半遊動に替えてみます」全遊動はすなわち、ゼロウキと相思相愛の関係にある。やはり浮力の小さなウキの方が釣れるイメージをつかみやすいのだろうか。そして、ついに。最初はレギュラーサイズに思えたが、その魚は足元で思いのほか粘った。真っ白なサラシのうえに浮かび上がったのは待望の40cmオーバーだった。
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