ファイアブラッドグレ×平和卓也 in 長崎県大瀬戸【ダイブマスター】
2024年10月
※1-530、1.1-530、1.3-500、1.7-530:2025年9月発売予定目的と手段に明確な合理性を備え、過酷な磯に立ち向かうアングラーの意志を承けるかけがえのない相棒ファイアブラッド。代を重ねるごとに洗練されていく調子により磨きをかけるべく、ロッドの設計と実釣におけるアングラーの感性、現代のフィールドのギャップを見つめ直し、徹底的な個性派調子を正常進化。ブランクスにはスパイラルXコアに加え、無駄のない筋肉質な高性能素材であるマッスルカーボンを搭載し、全ての動作の向上に紐づく、振り軽さが向上。調子ごとにファイトシーンでの理想を求めたグリップエンドにはファイティングサポートグリップとセパレートグリップを調子のコンセプト別に採用。シチュエーション、号数という固定概念を打ち砕き、フィールドで選ぶか、調子の個性で選ぶのかはアングラー次第。自らの意志を力に変えるロッドがここにある。2025年、気鋭の4機種が追加。
ファイアブラッドグレ×平和卓也 in 長崎県大瀬戸【ダイブマスター】
ファイアブラッドグレ×友松信彦 in 下田須崎【テンタクル】
ファイアブラッドグレ×田中修司・森井陽 in 五島福江【クォーターマスター・ハイドロスコープ】
【25AW新製品 磯】ファイアブラッドグレ・ハイパーフォース・磯用品 / 平和卓也【シマノオンラインフィッシングショー】
シマノが持ちうるロッド製作技術を全て注ぎ込み、各モデルの個性を徹底的に前面に押し出したシリーズがファイアブラッドである。今回は原点に立ち返り、魚のサイズに合わせてロッド号数を選ぶというよりも、「いかなる号数でも大型をキャッチする」という“理想主義”を限界まで押し進めた。スパイラルXコア採用、またあらたに採用されたマッスルカーボンによる操作性の大幅アップに加え、ベースとなる設計、アングラーの感性のフィードバック、そして近年のフィールドの変化を見つめ直し、生産性を捨ててまでモデルごとの個性と完成度を追求した。限りない理想を追い求めながら、その過程で生じるデメリットを洗い出し補うことで生まれた調子は、手にすれば気持ちを昂らせ、それでいてどのモデルも似通ってはいない。なりたい理想のアングラーに「自分がなる」ための1本、それは新しい“ファイアブラッド”の中にきっとある。
新しいファイアブラッドには、その設計思想とアングラーの想い、そのふたつのパッションを象徴し、融合させるデザインが求められた。その一方で、このシリーズにはトーナメントロッドとしての側面もある。魚を掛けてキャッチするために磨き上げられた性能の無駄のなさ、そしてフィールドで映える存在感はもちろんのこと、所有する歓びまでをも満たす「究極の存在感」をどのように表現するか…それが新世代のファイアブラッドに課された命題であり、ファイアブラッドの使命でもある。
これまではそれを色で表現できる塗料は存在しなかったが、その不可能が最新の塗料と数十回ものトライアル&エラーの果てに具現化された。情熱から冷徹へ、鮮明な発色とそこから金属感を持ちながらなじむように変化していくカラーリングは、24モデルにのみ許されたオリジナルパターンといっても過言ではない。それはほかのアングラーが遠景でロッドの描く曲がりを見たときも、魚を取り込んだ本人がふと元竿に視線を落とすときも、言葉にできない感動を与えてくれるはずだ。
魚のサイズによって「号数」を決めるのがセオリーである磯竿において、釣り場のシチュエーションやアングラーの求めるテクニックなど、釣りのスタイルに合わせて「番手」を決めるのがファイアブラッド。さらに選択肢を増やすため、2024年に続く追加機種には高強度カーボン素材M46Xを採用。これにより、さらなる軽量化と高強度化を追求した。
CLEVERHUNT 〜激渋攻略のために際立つ振り軽さを〜
したたかに喰い渋るグレに対して曖昧な道糸管理は許されない。求めたものは高レスポンスにシビアな操作性を実現するための軽量・高弾性ブランクス。ロッド操作時において穂先のブレがすばやく収束する、「シャキッとした振り軽さ」を追求したことで、アングラーが意図した道糸管理を忠実に実現。また、ファイトにおいては細ハリスを使う極寒期や港湾でのトーナメントシーンでの細ハリスの糸持ち性能も両立。アングラーの知略をロッドが表現し、狙った獲物は逃さない。
SCHEMER 〜一手先を読む操作とファイトの両立〜
1号相当の「持ち軽さ」、よどみなく流れるかのような「しなやかな操作性」、ファイト時の腕への衝撃負荷軽減に寄与する「粘り」を合わせ持つアイテム。ブランクスパワーは細ハリス強度を最大限に引き出す守備力を保持していながら、磯際の攻防や不意の良型への対応力を高める余力のあるバットパワーが特徴の1.1号設定。これにより従来の低号数胴調子ロッドの取り込み時のもたつきや、曲がり込むことで磯際にハリスが当たり手返しを妨げるなどのデメリットを解消。スピーディなファイトを可能に。
Quarter Master ~統制を極め、主導権を握れ~
軽く取り回しの良い5.1mのレングス設定による「操作性」を最大限機能させるため、各ピースごとの役割をより明確に設計。穂先は繊細で⼩さなアタリを捉える感度を追求。♯2は繊細な穂先に対してウキの投⼊、ラインメンディングなどの操作性を補完する張りを付与した。そして♯3と♯4はしなやかで素直な荷重移動を実現しているため、⿂のサイズや位置の把握が行いやすく、たとえ⼤型の獲物であったとしても先⼿を取り優位なファイト展開を可能にする。さらに1.2号相当でありながら張りのある元竿で“締め上げる”ことすら可能なため、従来以上にすばやく取り込むことができる。
TENTACLE ~獲物を捕える鋭敏な触覚~
より⾼弾性ブランクスへと進化したことで徹底的に追求した感度、そして操作性で積極的に「掛けて獲る」性能を追求。ロッドにすばやい復元⼒が備わったことにより、仕掛けの投入~ファイトまで、意図した全ての動作に対してロッドが瞬時に反応する。アングラーが意図した次の動作を正確に再現するコントローラブルな調⼦、かつ不意の⼤物に対してのパワーをスムーズに受け⽌める強さを同居させるためにテーパーを再設計。それにより、先調⼦の操作性、攻撃的なフッキング、すばやいファイトに加え、胴調⼦に匹敵するハリスの糸持ちが共存し、常に主導権を手中に収められる。
DEXTRAL 〜よりすばやく、的確な利き手の延長に〜
クイックで正確な操作と全国幅広いエリアで使用可能な対応力を備えたブランクスパワーを正統進化。5mレングスに加え、さらなる高弾性化を追求したことでリニアな使用感が向上。これにより、片手での投入やすばやい道糸管理をより攻撃的に、よりアップテンポに実現。一投一投のプロセスの精度が向上し効率的にターゲットからの反応を引き出すことに寄与。加えて、ファイトの際にも軽快に取り回し、ロッドを立て切る、プレッシャーファイトで手返しよく良型の数釣りを実現。
DIVEMASTER ~深ダナ攻略に繊細さとパワーを~
スレッカラシのフィールドが増え、軽い仕掛けで深ダナの攻略を要求される現代。⾼号数では軽い仕掛けの操作に対して精度が落ち、低号数では肝⼼のファイトでつまづく。その⽭盾を解消することに特化した調⼦を追求した。低号数並みの操作性を実現するため徹底的なブランクスの軽量化を実⾏。ロッドワークの軽快さとレスポンスが向上し、ラインメンディングをはじめとする緻密な操作が容易になった。そして深ダナで掛けても“危険地帯”へ⾛らせず、スムーズに良型をリフトさせるパワーを求め、テーパーと剛性の最適解を追求。現代フカセ釣りにおける⽭盾を解消する1本が誕生した。
HYDROSCOPE ~投げろ、誘え、浮かし切れ~
磯焼けの激しい昨今、⽼練な獲物はより沖の潮⽬に潜む行動パターンに変化しつつある。そのようなシーンで沖のポイントへ仕掛けを届けるために必要な性能を追求。穂先は張りを持たせ、⾃重のあるウキの遠投性能と、“ここぞ”というタイミングには仕掛けを引き戻し誘うなどのテクニカルな操作に対応。そしてベリーセクションからバットにかけては重量感のある⿂を沖から寄せ、リフトアップさせるためのスムーズな荷重移動を実現。これらによって従来の胴調⼦ロッドの鈍さを払拭する振り軽さとオートマチックなファイト性能を両立させ、ロングレンジ攻略の⼤きなアドバンテージを創出した。
SURVEYOR 〜サイズを推し量り、仕留める〜
高号数ロッドに大きな課題となる自重を要因とした「鈍感な感度と操作性」の克服に挑戦するためにファイティングサポートグリップの採用およびブランクスの軽量・高弾性化を実施。従来の高号数ロッドにはない軽快な取り回しで老練な大物を喰わせるアプローチ精度が向上。また、ファイトでは魚の荷重を冷静に把握し、道糸を1mmも出さないかのようなガチ止めファイトを実現するパワーを付与。水深が浅く根の荒い地形やシモリ際を走る傾向の強い魚種などの難敵に主導権を与えず、浮かせるパワーファイトを実現。
新しいファイアブラッドが到達した性能を読み解くのに重要なキーワードがある。それがコアブランクス。これは磯竿からパーツを全て取り去った状態の、釣り竿として本質的な部分の潜在能力を100%引き出そうという概念だ。そのためにはとくに3つの要素、ガイド、ブランクスそのもの、ジョイント(振出竿の継ぎ)が鍵となる。つまりガイドはライン放出性を妨げない範囲で軽く穂先のトラブルレスと操作を高める、ブランクスは軽く強く、ジョイントがないワンピースのごとき曲がりであること。もちろん理想はあくまでも理想にすぎないが、その高みの至近距離までアプローチするために開発されたのがXガイドであり、スパイラルXコアであり、パラボラチューンR+なのである。なかでも今回はマッスルカーボン+スパイラルXコアの相乗効果が大幅な進化の原動力となった。マッスルカーボンとは通常のカーボンよりも繊維を高密度に束ねることで余分な樹脂を削減した高性能素材。これにブランクスの高強度化を実現する製法であるスパイラルXコアを伴えば、劇的な性能の向上は必然とさえ言えるだろう。
ファイアブラッドに採用されるグリップは2種類。
クォーターマスター、テンタクル、クレバーハント、サーベイヤーはファイティングサポートグリップ。操作性につながる軽さの重視と、竿を肘に当て、まるで自分の利き手の延長のようにロッドを操作して魚をいなすファイトが想定される。そのためエンドグリップに相当する部分は一体成型で断面を三角形状にシェイプ。肘との密着面積を広げる(ラウンド形状との比較で85%アップ)ことで安定感を増した。
一方、ダイブマスター、ハイドロスコープ、スキーマー、デクストラルはセパレートグリップ。よりバット周辺の特性を活かすことが可能なセッティング。リールシート下部までロッドの曲がりが追従しやすく、腰でためる、両腕で保持して耐える、といったさまざまなファイトスタイルに有利な設計である。
アイテムごとに理想の調子を求めた結果エンドグリップまでの選択する。FIREBLOODだからこそできる理想の追求である。
友松 信彦 NOBUHIKO TOMOMATSU
この竿は、私的にはトーナメントの全国大会で使うというよりも、一次予選から二次予選。特に二次予選で使いたいですね。中型までのサイズがメインの近場のフィールド、関西なら和歌山や日本海、伊豆半島もそうですね。四国や三重は悩ましい面もありますが、牟岐や日振島の湾内、尾鷲の湾内などでは絶対使うべきですね。手返し重視の状況なら有効な竿です。
フィネス、なんだけどパワーフィネス。ある程度のパワーを秘めているから、不意に来る大物なら対応できます。そのサイズがレギュラーになると時間がかかるので、どうしても効率は悪くなってしまいますが、中小型メインの中に単発で良型がまじるならかなり威力を発揮しますね。調子的には胴調子でも先調子でもない真ん中。そして、とにかく軽い。軽いイコール楽なんです。軽いことはやっぱり正義なんですよ。
ただ軽さを求めるとカーボンが薄くなる。薄くなると反発力が小さくなる。さらに細い竿だとグニャッと曲がるのですが、折れる直前でいきなり硬くなってしまいます。すなわち粘りのない竿になってしまう。不意の大物が来たときにカツッと止まってしまうので、ただでさえパワーがないのに魚が暴れて止まらなくなってしまいます。それをこの竿ではマッスルカーボンとM46Xで、薄くしても反発力を活かすことができるようになりました。だから起き上げる力が出せるんですよ。
これは完全に素材と技術ですね。そういう竿を意図して作れるかどうかです。20年ほど前の竿にも軽いものがありましたが、やはり粘りがなかった。初代のファイアブラッドが出たときに全体的に自重が上がったのですが、そうすると竿が粘るということが分かったんですよ。さらにほかのメーカーも含めて胴調子寄りの流れになってきた。魚が暴れないですからね。でもシマノはそこから一歩先を行こうとしています。竿が粘るのは当たり前、それに軽さを持たせようとしたのが今回のファイアブラッドなんですよ。
森井 陽 NOBORU MORII
ファイアブラッドは4代目になるんですけど、低号数での胴調子は今回が初めて。胴調子ならではの繊細さと1号プラスアルファの強靭さの両方を兼ね備えています。たとえば寒の時期など、どうしても細いハリスでないと喰わない条件は、必ずどこかで訪れるじゃないですか? 竿が曲がり込むことによってラインへの負荷を軽減し、強度を保持してくれるので、1号や1.2号のハリスを使った繊細な釣りでこそ長所が活きますし、曲がりが胴に入ることで1.2号寄りのパワーを発揮します。大物が掛かったとしても曲がり込んで終わってしまうことなく、奥に秘めた強靭さで獲る。
そもそも1号の竿では、40cmくらいの魚が来たときに先手を取られ、ラインブレークで逃がしてしまう方も少なくありません。やはり、もう少しパワーがほしい。かといって繊細な釣りをするには1.2号では強すぎる。そのために1.1号という設定にしました。1号と1.2号のよさを併せ持ち、それを胴調子として仕上げています。しかし胴調子ならではのもたつき感はありません。それを意識してテストを繰り返してきましたし、細ハリスで良型も仕留めてきました。曲がり込むけれども、もたつきやパワー不足はない。平和君とも話していたのですが、そこはやはりマッスルカーボンとM46Xのおかげかなと。
愛媛県矢ケ浜のロケでは1.5号ハリスで49.5cmを釣り上げましたが、そのときにV字状の割れ目にグレが突っ込んでしまった。シモリだらけのポイントだったんですよ。完全に魚が入ってしまい、ほとんどアウトの状況だったのですが、竿を曲げてためたままキープしていると魚が根負けしてズルズルッと出てきたのには驚きました。もうハリスはザラザラで、もしこの竿のような低号数の胴調子でなければ、竿の強さが勝ってハリスが飛んでいたかもしれませんね。
たとえば長崎県五島列島のような釣り場ではなく、私の地元である徳島県牟岐のように、各エリアの身近でシビアな釣り場へ行かれるケースがほとんどだと思うんですよ。細いラインを使わなければならないフィールドは全国的にありますし、そのような磯でこそスキーマーのような竿が向いている。だけど決して弱い竿ではない。繊細さと強靭さを併せ持った、ユニークでとてもおもしろい竿ですね。
田中 修司 SHUJI TANAKA
ファイアブラッドグレの中で、17年前の初代から私がずっと担当してきた1本がクォーターマスターです。仕掛けをきっちり操作して魚のいるところに的確にサシエを届けたい、海の中の見えない状況を穂先や手元に伝わる感度でしっかり把握したい、そんな思いでテストを繰り返してたどり着いたのが、従来の5.3mや5mではなしえなかった5.1mの操作感であり、クォーターマスター独自の調子です。
参考号数として1.2号になっていますが、1番は0.8号クラスのしなやかさ、2番は1号クラスの感度、3番は1.2号、4番は1.4号、そして手元の5番は1.5号というイメージで作り上げました。ラインスラックを極力抑えて魚との距離を短くし、一番喰わせやすいポジションにラインメンディングを行う。そのためのロッド操作がとてもやりやすい。また、私が「スポット」と呼んでいる目に見えない小さな潜り潮をとらえやすく、エサ取りが触ったのか、グレが口を使ったのか、そういう繊細なアタリも明確に伝えてくれます。30cmから36、37cmをメインターゲットに数釣ることを目指しながら、50cmクラスの大型がきても取り込む力を秘めた調子なんです。
スパイラルXコアやパラボラチューンR+などさまざまな機能が搭載されるなかに、4代目の今回はマッスルカーボンを採用したことで、より一層ブレがなくなりました。投入、操作、アワセ、取り込みにおいて、思い通りに仕掛けをコントロールでき、掛けた魚も暴れにくい。取り込むスピードがアップし手返しもより早くなります。限られた時間の中で戦うトーナメントにおいても、自分の釣りのリズムを崩すことなく一連の動作をスムーズに行える強い武器になってくれます。
攻撃的に狙って数釣りができ、型も獲るってなると、どうしても手首や肘に負担がかかります。クォーターマスターに採用されたファイティングサポートグリップは、肘への密着性が高くて竿尻が弾かれることがない。雨で濡れても波しぶきがかかっても竿尻が肘から滑らないので体勢を崩されることなく、常に主導権を握ったままやり取りができます。
またデザインにも徹底的にこだわりました。ファイアブラッドグレはシマノのロッドの中でも釣り人を熱くさせる個性派ロッドなので、手元の5番から穂先へ向かって炎が燃え上がるようなカラーリングを施してほしいと要望していました。遠くから見ても浮き上がって見える「FIRE BLOOD Gure」のロゴとともに、釣り人の情熱をさらに燃え上がらせる仕上がりになっています。
友松 信彦 NOBUHIKO TOMOMATSU
グレというのは獲るのが難しい魚、バラしやすい魚というイメージがあったんですけど、ファイアブラッドグレを使って初めてジャパンカップに優勝したときに「魚が簡単に、危なげなく獲れる」と感じたことが、強烈なイメージとして残っていますね。初めて使ったのはハイドロスコープでしたが、その後2代目、3代目が出て今回が4代目なんですけど、2019年には3代目クォーターマスターを使って優勝することができました。だから私の中でファイアブラッドは、限られた時間で早く魚が獲れるしバラしにくい“トーナメントロッド”。この竿を握った瞬間、トーナメンターとしての血が騒ぎ熱くさせる“個性の塊”ですが、使ってこそわかるその個性を体感してもらいたいですね。
テンタクルは操作性重視の先調子なので、そういった個性がより感じられると思います。昨今の竿は先調子が減ってきて胴調子が主流ですが、私にとっては先調子が非常に使いやすい。なぜかというと魚を掛けたときに思い通りにコントロールができるから。たとえば胴調子だと磯際からハエ根が出ていたりする際どい場面で、一度走られたら竿が曲がり込みすぎて止めきれない。先調子だと曲がり込みすぎないですし、テンタクルは適度なクッション性がありながらコントロールできます。
先調子を嫌がる方の意見の多くは、魚が引いたときに竿を叩く感触や、竿をタメたときに腕が疲れること。胴調子は竿全体で吸収してくれますが、先調子は先しか曲がらないから手元に近い部分の荷重が釣り人にもろにかかる。でもテンタクルは先調子だけど先調子に感じない。あたかも胴調子のように釣り人に負荷を感じさせず、魚の頭がどっちを向いているのか、走りそうな気配、それらが伝わってくるので、竿をどうさばけば良いのかわかりやすい。先調子ならではの高感度で、穂先で“聞く”操作もやりやすい。あとマッスルカーボンを使っているため振り軽さが向上していますが、これは全遊動の釣り、半遊動の釣り、どちらにおいても威力を発揮してくれます。竿先を上げる、下げる、わずかに傾ける、そのようにして「糸の重みを仕掛けにかける」ような繊細な釣りが可能になりました。そこがテンタクルでいちばん気に入っている点ですね。
テンタクルは1.2号相当の5.3m。非常に汎用性が高いスペックだと私は思います。中小型の数釣りから不意にくる大物まで対応できる。手返しの早い釣りも、絶対にバラしたくない1尾を確実に獲るのにも活躍します。また5.3mの長さはウキ下を長く取った仕掛けの取り回しがよくキャストもしやすい。私がトーナメントで使いたい長さですし、いちばん活躍できると思います。
平和 卓也 TAKUYA HIRAWA
今回で4代目になるのですが、デクストラルは日本全国のグレ釣り場において、これ1本で戦うことをテーマに僕が立ち上げた竿です。いろんな号数の竿を用意するのもいいのですけど、僕もサラリーマン時代が長かったので「1本しか買えないのなら、どれにしたらいいのかな?」と悩んだ経験もあって、特殊な釣り場以外は全部この1本で戦えるように1.3号相当に設定しました。
プラス、僕が大好きなスタイルのアップテンポな釣りが得意なように長さを5mにしています。以前の1.5号は片手で振り回すのが大変だったので、1.3号で5mなら片手でブンブン振り回せる。今回はマッスルカーボンとM46Xなので、最高の高弾性素材ですから際立って振りやすいですね。さらに手元が1.5号クラスのパワーなので張りがあり、余計に軽く感じやすい。喰いの渋い条件下のシビアな釣りも楽しいですが、元気な魚たちを相手にしやすいのがこの竿です。
前作は時代の流れもあって胴調子寄りに振ったのですが、今回はシマノのグレ竿のど真ん中の調子。竿を立ててやり取りしながらも、魚がデカいとなれば竿尻を腰に当てたり、両手で耐える。このあたりは前作の経験が活きていますね。セパレートグリップになっているのもそれが理由です。愛媛県矢ケ浜のロケでは重量感のある50cmクラスの口太グレを仕留めることができましたが、竿を立てて曲げて寄せて、水深のある磯だったので最後はバットの強さで獲った。高い操作性もさることながら、曲げて、曲げて、曲げ倒してほしい竿ですね。
平和 卓也 TAKUYA HIRAWA
ファイアブラッドグレとは17年近く共に歩んできましたから、1本1本に思い出が、もちろん悔しい思い出も含めてたくさん詰まっています。手にすれば「いくぞ!」とスイッチが入るし、悔しい思いをしたとしても「まだいけるぞ!」と。魚を釣るための道具なんですけどそれ以上の、数あるシマノのシリーズの中でも僕の心を熱くさせる、気持ちを強くしてくれる存在ですね。
新しいファイアブラッドグレでまず見ていただきたいのは、深いブラックから燃え上がるように徐々に強い赤になっていくデザイン。さらに両サイドにゴールドをあしらったロゴが入り、好きな人にはたまらないと思います。そして最大の特徴は1本1本の調子に個性があるということ。総合力を上げられるだけ上げて、そこに秀でた個性をプラスしているので、釣り人の個性とマッチすれば相乗効果が生まれると思うんですよ。また、イソリミテッドと同じテクノロジーであるマッスルカーボンが採用されていますが、高強度でありながら軽くできるメリットがありますので、これが竿の総合力を底上げする元になっていますね。
今回、4アイテムを全てしっかりテストしましたし、良いグレもたくさん釣ってきたんですけど、その中でいちばん驚いたのがダイブマスターでした。1.5号相当の5.3mですが、あまりにも軽い。振りやすいし、仕掛けを投げるときのスイングスピードも出る。「本当に1.5号なのか?」と思ったほど軽さのインパクトが大きかったですね。基本調子なのでどんなシチュエーションでもしっかり釣りがこなせますが、受け継いできた深ダナから魚を浮かせる力、それをより磨いています。そこに振り軽さも加わったことがいちばんの個性ですね。
全国を回っていると、竿をのされたり糸を切られたりする強い魚がいるエリアだけど、なかなかヒットに持ち込めない。なので軽く細い仕掛けや細かい操作が求められる。そんなシチュエーションも多いんですよね。相反する部分なので、張りが強い竿だと細い仕掛けとの相性や操作性が落ちてしまう。だからといって低号数の竿にすると魚に勝てない。新しいダイブマスターは両方の部分に対応できるので、繊細な仕掛けで喰わせて、仕掛けを守りながらしっかりと戦えるパワーもある。そしてセパレートグリップなので腰ダメや両手で持つやり取りもしやすい。何よりも竿の曲がりが限界まできたときに、リールシートより後ろの部分も含めて竿全体で戦うことができ、ダイブマスターが代々受け継いできたパワーと総合力を引き出してくれる仕様になっていますね。
森井 陽 NOBORU MORII
ホームグラウンドの四国西南部で、口太グレの45〜50cmが数釣れだす年の暮れ、私の相棒は普段使いの1.2号からハイドロスコープへと変わります。この竿を手にすると過去の激釣劇が脳裏に蘇るとともに、これから始まる良型グレとの出会いに期待が高まり気持ちがどんどん昂ってくる。コンディション抜群の重量感あふれる口太グレを相手にどんなドラマが待っているのかってですね。
一般的な磯竿のように号数によって強さが変わるのではなく、それぞれのロッドに特徴を持たせた個性的なシリーズの中から、自分のスタイルや目的に合わせた1本を選ぶことができるのがファイアブラッドの魅力。号数的には1.6号相当のハイドロスコープは、40〜50cmの口太グレを手返しよく数釣るためのロッドです。
ファイアブラッドシリーズの中でも一番の胴調子に仕上がっていて、竿全体で魚の引きを吸収し暴れさせることなく浮かせてくる。今回はマッスルカーボンの採用により、魚を浮かせる力と早さがさらにアップしました。寒の時期ってグレが釣れるタナは深くなりますよね。深いところで大きなグレを喰わせるとシモリや足下から張り出す根にスレてラインブレイクするリスクも高まります。しかし、浮かせる力と早さがアップしたことで、これまで以上に釣り人が主導権を握ったまま自分の思ったように、シモリや根をかわしてグレを浮かせてくることができます。また、フィールドによっては潮の流れが非常に速いところもあります。轟々と流れる潮に仕掛けを流し込んでいき、その先で喰ってくるような。ハリ掛かりした良型グレは潮に乗って、簡単には寄ってきませんが、新しいハイドロスコープのバットパワーは、ぐいぐいと寄せてくる。これはとっても刺激的ですよ。
胴調子の竿は、仕掛けをキャストするときに竿のたわみが大きいのでコントロール性能が落ちると思われるかもわかりません。しかし、1番(穂先)に若干の張りを持たせることでキャスト時のブレを抑え、自分が思ったところへ正確に仕掛けを投入でき、狙った位置に送り届けることができる高い操作性も兼ね備えています。
新しいファイアブラッドは、ワクワクする、闘志がみなぎる斬新かつ美しいデザインで、さあ、釣りをするぞって気持ちを高めてくれる仕上がりになっています。より喰わせやすく、より取り込みやすく仕上がったハイドロスコープは、思い出に残るような良型の数釣りをしたいときに、ぜひ使っていただきたいなと思います。
田中 修司 SHUJI TANAKA
M46Xとマッスルカーボンをはじめ根本的にカーボン素材がよくなり、さらにいろんなものが複合されて今回のサーベイヤーに注ぎ込まれました。前作と比べてかなり変わったという印象があります。軽さもそうなのですが、先調子で操作性重視でありながら、魚を掛けたら思い切り曲げ込むことができる竿に仕上がっていますね。1.7号相当で号数的にはこのシリーズでいちばん高号数ですが、特に魚とファイトしたときには高番手の印象がなくなります。ファイティングサポートグリップで片手でもやり取りが楽ですしね。
この号数でセパレートグリップではないことに最初は驚きましたが、先調子ということでラインメンディングなどの操作がしやすいようにという選択です。実際、ハイドロスコープと0.1号しか変わらないのですが、ハイドロスコープは胴にじわっと乗ってくる粘りの竿。サーベイヤーは先調子でも掛ければ一変する印象で、バットの重要な部分までドーンと一気に乗ってくる感じなんですよ。それで操作性をキープしながら魚の引きを抑え込む。のされるっていう感じはないですね。
私が使うなら50cmクラスの口太グレが狙える長崎県五島列島など。伊豆や紀伊半島などでシモリが点在する浅いポイントにもいいですね。魚が走っても早めに止めてくれる感じなので、ドラグを強めに設定しておいて竿を起こしにいく。あと変則的な使い方ですが、大分県内なら50cmクラスの尾長がアタるときにもいいですね。ハリスを2号以上にするとなかなか喰わないですし、ラインメンディングなどの操作が重要になってくるのでね。
手のひらにフィットし、滑りにくい形状を徹底追求。また軽量高強度素材CI4+を採用することで優れたグリップ力、操作性、高強度化を実現。緩みやがたつきを抑える磯専用スクリューシート。さらにマットラバーコーティングを施し、濡れた手でも滑りにくいグリップ力と操作性を発揮します。
軽量、高強度のカーボン一体成型技術を用い、腕との接地面積を増やし、抜群の安定感と軽量化を追求したファイティングサポートグリップ。
高強度素材の採用で進化した、次世代の基本構造。
シマノ独自の設計・製造方法により、曲げ、ネジレ、つぶれなど、あらゆる方向に対して、さらなる高強度化を徹底追求。ロッド性能を根幹から高めるシマノ独自の基本構造スパイラルXに、ナノアロイ®テクノロジーにより実現した高強度樹脂を用いたカーボンテープを使用。選りすぐりの素材でさらなる高強度化を実現しました。一般的な構造との比較で、ネジリ強度1.4倍、つぶれ強度2.5倍を達成(当社比)。さらにスパイラルXとの比較でも、ネジリ強度10%アップ、つぶれ強度15%アップを達成(当社比)しました。
※ ナノアロイ®は東レ(株)の登録商標です。
解説ページはこちら
本来のロッド性能を引き出すシマノオリジナルガイド[Xガイド]。
ロッドメーカーの観点から生まれたXガイドは、ブランクスが備える潜在能力を十二分に引き出すために誕生しました。軽さ、トラブルレス、キャスト性能を高次元に融合させたシマノオリジナル高性能ガイドです。
解説ページはこちら
ロッド本来の性能を引き出す適材適所のモノづくり。
竿づくりの基本はまずブランクスにこだわり、その性能を最大限に引き出すこと。釣り人の意思を入力し魚からの答えを感じ取るグリップは、そのための重要なターミナルです。シマノはそれぞれのシーンで求められる“握りやすさ”を追求、斬新な発想を形にします。
解説ページはこちら
マッスルカーボンは通常のカーボン素材よりもカーボン繊維を高密度に束ねることにより繊維間の隙間を大幅に減らし、その隙間を埋める樹脂を削減した高性能素材。
パラボラチューンはスムーズな調子を実現するために、各節の合わせ部分を見直し、強度を維持したうえで剛性の段差を排除。ワンピースロッドに匹敵する滑らかな調子とパワーを引き出すことに成功。また、磯ロッド専用に開発したバージョンとして、ロッド全体がスムーズに曲がるように各継部のブランクスの肉厚を最適化したパラボラチューンR、継部だけでなく前後の節のテーパー関係を見直し、より滑らかな曲がりの支点移動を可能にしたパラボラチューンR+が存在しています。
新開発、タフテック∞は一般的なソリッドに対して巻き込み強度3倍、巻き込み量5倍を実現(当社比)。強いタフテックαを凌ぐ高強度ソリッド穂先です。
カーボン繊維によって強化したシマノ独自の素材CI4をさらに進化させたCI4+。従来樹脂と比較してより軽量で高い強度を備えているのが特徴。
ブランクス表面に施した特殊コーティングにより、汚れの付着を大幅に抑えることに成功。優れた撥水防汚性能により、汚れがついても、水洗いするだけで簡単に落とすことが可能。ロッドの美しさを保ちます。
ブランクスの表面に「ドット」と呼ばれる凸状の特殊塗装を施すことにより、ラインとロッドが接したときの摩擦抵抗を抑えることに成功。雨や波しぶきを受ける悪条件下においてもラインのベタツキを防ぎます。
節の継ぎ目はやりとり中にもっとも負担が集中する部分。Gクロスプロテクターは破損のリスクを大幅に軽減するとともに、玉口部分に精悍なルックスを与えます。
品番 |
全長(m) |
継ぎ方式 |
継数(本) |
仕舞寸法(cm) |
自重(g) |
先径(mm) |
錘負荷(号) |
適合ハリス(号) |
リールシート位置(mm) |
リールシートタイプ |
カーボン含有率(%) |
本体価格(円) |
商品コード |
JANコード |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CLEVERHUNT 1-530 | 5.30 | 振出 | 5 | 114.8 | 190 | 0.8 | 1-4 | 1-4 | 392 | UPLOCK | 99.5 |
137,000円 |
273741 | 4969363273741 | * |
SCHEMER 1.1-530 | 5.30 | 振出 | 5 | 114.8 | 207 | 0.8 | 1-4 | 1-4 | 392 | UPLOCK | 99 |
137,000円 |
273727 | 4969363273727 | * |
QUARTER MASTER 1.2-510 | 5.10 | 振出 | 5 | 110.9 | 190 | 0.8 | 1-4 | 1-4 | 392 | UPLOCK | 99.5 |
137,000円 |
272379 | 4969363272379 | * |
TENTACLE 1.2-530 | 5.30 | 振出 | 5 | 114.8 | 195 | 0.8 | 1-4 | 1-4 | 392 | UPLOCK | 99.5 |
137,000円 |
272386 | 4969363272386 | * |
DEXTRAL 1.3-500 | 5.00 | 振出 | 5 | 108.8 | 200 | 0.8 | 1-4 | 1-4 | 405 | UPLOCK | 99 |
137,000円 |
273758 | 4969363273758 | * |
DIVEMASTER 1.5-530 | 5.30 | 振出 | 5 | 114.8 | 212 | 0.8 | 1-4 | 1.2-4 | 405 | UPLOCK | 99 |
138,500円 |
272393 | 4969363272393 | * |
HYDROSCOPE 1.6-530 | 5.30 | 振出 | 5 | 114.8 | 217 | 0.8 | 1-4 | 1.2-4 | 405 | UPLOCK | 99 |
138,500円 |
272409 | 4969363272409 | * |
SURVEYOR 1.7-530 | 5.30 | 振出 | 5 | 114.8 | 210 | 0.8 | 1-5 | 1.5-5 | 422 | UPLOCK | 99.5 |
138,500円 |
273734 | 4969363273734 | * |
※リールシート位置:アップロックは竿尻からリールシート前部固定フードまでの長さです。