2020/03/27
コラム
多彩なパターンで攻め切る!田中修司 、ファイアブラッド グレを手にマイナー釣り場で良型連発!
大分の名手・田中修司さんが選んだ釣り場はその名を知る人も少ない地磯。そこで待ち受けていたのはアワせても掛からない小ダイのアタリや分かりづらい本命のアタリ、それに加えて良型の逃げ場となる大きなハエ根があるという難条件だった。
INDEX
狙って仕留めた良型
ファーストヒットは釣り座を戻して数投目で、タモに収まったのは30cmオーバーの口太だった。
「当て潮で仕掛けが寄ってくる中でラインが張ったような違和感がありました。そっと聞いてみると、やはりアタリでしたね」
喰わせたタナは竿1本程度。釣り場選びに間違いがなかったことに安堵した田中さんは、気を引き締めてサイズアップを目指す。
ところが次のアタリはスッポ抜けで首を傾げる田中さん。
「もっと待った方が良いのか?」
糸走りのアタリに発展するまでアワセを遅らせてもハリ掛かりしないが、明確なアタリはさらに続き、ようやくハリ掛かりしたのは10cmほどの小ダイだった。
「潮の流れ中を好むマダイは手前側には寄ってきませんが、動き回ると面倒なエサトリですね。たまに気配がなくなることがあるので、そのときを逃さないで釣りたいと思います」
マダイが待ち構える沖を狙うことはできないが、打つ手がないわけではない。マダイをとどめるためのマキエを沖側に打ってその手前から仕掛けを入れていくと、30cmクラスのイシダイと25cmほどの尾長が喰ってきた。
「尾長は潮が変わるという合図です。しかしこのサイズの口太じゃなくて良かった。37~38cmの口太がコンスタントに出るようになれば本格的なグレ釣りシーズンですが、もう間近でしょう」
目指すは好期突入を宣言する40cm超え。期待を込めて下げ潮の釣りに挑む。
「やっぱりおったか!」
ロッドを大きく曲げた田中さんが狙ったのは、これまで一度も仕掛けを入れていない沖を向いて右側となるポイント。あらかじめシモリが点在する場所にマキエを打っていたが、良型のグレはマキエ投入後すぐに仕掛けを入れても喰ってこないことから、しばらく時間をおいて攻めるタイミングを計っていた。
危なげのないやり取りでキャッチした口太は35cmクラスだったが、田中さんが発した言葉は
「危なかったですね」
タモの中のグレを見るとハリ掛かりはくちびるの皮1枚だった。
それから25分後、同じパターンで同様のサイズのグレを掛けたが、この1尾は名手ならではの観察眼がもたらした釣果。
「さっきまで右手のシモリ周辺でトンビが飛んでいたので、マダイは沈んでいるはずと見ていました。グレが先に出てくれると思ったけど、うまくいきましたね」
穂先を軽く引き込むアタリを伝えてくれたファイアブラッド グレ クォーターマスターは、寒グロシーズンにも大活躍してくれることだろう。
40cmオーバー登場
風向きが変わり左側から強風が吹き抜けるようになったが、下げ潮の本流に引かれていく流れが左手のハエ根をかすめるように沖へ出ると千載一遇のチャンス到来。シモリ付近に投じた仕掛けがなじむ前からツンツンという小さなアタリが頻発する。これを見送った先にあったのはコツンという明確なアタリで、アワせると同時にグイグイとシメ込んできた。
しっかりとアワセのタイミングを見極めることで仕留めた口太は40cmオーバーで、ついに目標を達成。しかしハリ掛かりは非常に危うい状態で、タモの中でポロっと外れてしまった。
下げ潮のチャンスタイムは長くは続かず、沖から当ててくる流れに変化すると同時に30cmオーバーのイシダイがアタったが、その後はマダイの気配もグレの気配もない静かな時間帯に突入する。
「グレはどこかでエサを喰っているんでしょうけど、動きが悪いのかもしれませんね」
ここで田中さんが実践したマキエワークは広範囲に散らす切り打ち。しっかりと先打ちマキエを効かせ、追い打ちのマキエはツケエを追いかけるように合わせる。
「かたまりでマキエを撒いてもピンポイントにしか効きませんが、広い範囲にゆっくりと落ちていくマキエを打つことでグレを動かすことができます」
この作戦が功を奏し、一瞬だけ風が弱まったタイミングにロッドをなぎ倒そうとするパワフルな魚がヒット。
獲物はハエ根に向かって何度も突進を試みるが、そのアタックをことごとくクォーターマスターが封じ込める。ラインを出さない強気のやり取りの結果、軍配は田中さんに上がった。
「あまり注目されない場所ですが、こんなのがアタってくれば上出来ですよね」
丸々とした魚体の40cm級を写真に収めたところでタイムアップとなったが、多彩なパターンで攻め切った田中さんは納得の表情を浮かべていた。
多くのグレ釣り師が訪れる真冬の米水津。2020年のグレ釣りシーズンは思わぬ穴場での大釣りもあるかもしれない。
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