2020/01/17
コラム
極軽半遊動で城ヶ島を制す 友松信彦の新釣技が冴え渡る!in 神奈川県三浦半島
友松さんといえば、ウキ止めをつけない全遊動沈め釣りが基本のスタイルとなっているが、今回使用したのはゼロウキにジンタン8号や10号を組み合わせた”極軽”の半遊動仕掛けだった。
そんな繊細な新釣技の秘密を探るべく、城ヶ島で追わせていただいた。
潮のないフィールドで発揮する新たな戦法
友松信彦さんの釣りを簡単に説明すると、ウキ止めをつけない全遊動沈め釣りで仕掛けにテンションをかけながら張りを作り、グレのタナを見極めていくスタイルなのだが、今回はゼロウキ仕掛けにウキ止めをつけ、ジンタン8号や10号といった超繊細なオモリを多用した仕掛けで挑んでいた。
ステージは神奈川県三浦半島の南側に位置する城ヶ島の「千鳥」。まずはパイロット仕掛けである00の全遊動沈め釣りでアベレージサイズである30~33cmのグレを南側のポイントから数尾取り込んだのだが、1時間ほど経過したところで仕掛けを大きく変更。
喰い込み重視の半遊動
「城ヶ島は基本的に潮がない釣り場なんですよ。潮が軽いという表現の方が分かりやすいかもしれませんが、仕掛けに張りを作りながら持っていってくれるような重たい潮がないということですね。私のパイロット仕掛けである全遊動沈め釣りは潮のないフィールドでは仕掛けに張りを作りにくいんですね」
ウキをコアゼロピットDVCタイプDの00から一回り小さいファイアブラッドゼロピットDVCタイプA(Mサイズ)の0に。さらにストッパーから10cmほど下にジンタンの8号を追加し、ベーシックなウキ止めを20cm間隔で2つ結んだ。
「ウキ止めをつけて半遊動にすることで、ウキ止めからオモリまでの張りをオートマチックに作れます。遊動部は20~30cm取りますが、これはオモリがアンカーの役目をしてくれるのと、ストッパーが視認できる範囲なので仕掛けのなじみを目視できます。極小ジンタンを使う理由は、極力軽いオモリでウキ止めからオモリまでに張りを作り、オモリから下をふわふわさせるイメージで釣った方が喰いが明らかにいいからです」
ならばパイロット仕掛けにウキ止めをつけて極小ジンタンを打てばいいじゃないか!と聞こえてきそうだが、ウキの大きさにも秘密が隠されている。
「私の基本形である全遊動沈め釣りで使うウキは、体積の大きいコアゼロピットDVCタイプDです。これには理由があり、仕掛けにテンションをかけてもポイントから外れずに張りをキープできるからです。かといってこのウキにウキ止めをつけてしまうと、ウキの体積が大きいので感度が悪く、グレがサシエを離す確率が高くなってしまいます。理想はさらに小さいウキですが、そういった理由から一回り小さい感度のいいファイアブラッドゼロピットDVCタイプA(Mサイズ)を半遊動で使ってますね」
海面下50cm~1mをキープ
仕掛け変更後、磯際付近を2ヒロほどのウキ下で狙い、35cmまでを数尾追加。
「仕掛け投入後は、ストッパーの落ちがいいところを探してラインを置きます。それが潮上なのか、潮下なのかは状況によって変わるのでストッパーの動きを見て判断しています。ラインの置く場所を決めた後は、たるませた状態で仕掛けをなじませていきます。ウキ止めまでなじめばウキは沈みますが、理想はウキが見える範囲(海面下50cm~1mまで)をキープしてくれるぐらいです。今、ジンタン8号だと沈み過ぎて吊るした状態をキープできないのでジンタン10号に替えて細かい調整をDVCでしました」
「その後のライン操作は、潜り潮などの影響を受けて仕掛けが入りすぎないようにウキが見える範囲をキープするぐらいのテンションをかけます。それと、ウキ止めを2つつける理由は、シモリ玉を入れていないのでアタリがあると、コンッとひとつ目のウキ止めを通過します。それから上がスルスルだと小さなアタリが分かりづらいからですね。合わせるタイミングは状況にもよりますが、基本的にはウキが動き続けているときに素早く合わせます」
後半戦は東向きに釣り座を替え、30mほど沖のシモリとシモリの間の溝に狙いを決めて仕掛けを打ち返すが、サンノジ、イズスミ、特にアイゴのヒット率が高い状況だった。しかし、試行錯誤を繰り返し、午後3時の納竿間際に32cmほどのグレを数尾追加することに成功したのだった。
ベースである全遊動沈め釣り、時に出す高浮力の半遊動仕掛け。そして、極軽半遊動という新たな釣技に磨きをかけた友松さんは今や無敵なのかもしれない。そんな強くなり続ける男が、ジャパンカップという大舞台で連覇を成し遂げる日は、近いに違いない。
Tomomatsu’s Tackle
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