シマノ磯ロッドシリーズの中でも、極翔は昔から僕のお気に入りです。魚の引きを胴で受け止めてくれるのが好きで、極翔を握っていればバラす気にならない、頼もしいロッドです。伝統的に「タメて獲る」をコンセプトに、曲げ込んで浮かせるパワー系の胴調子として、磯釣りファンに知られているかと思います。今回のモデルチェンジは、多くの方が引き出せていなかった極翔本来のパワーをより使いやすく仕上げた点が最も大きい進化だと思います。
釣り人は大きな魚が掛かると、竿に乗ってくる力と竿の曲がりの双方を見て、どこかで怖さを感じます。相手が大きく強く速ければ、これ以上は無理だと自分で判断して、糸を出して走られバラすパターンが多い。しっかりやり込んでいる人は、そこでこらえて、もう一つ上のパワーレベルで戦うことができます。このもう一つ上へ、淀みなく連れて行ってくれるのが新しい極翔です。
ブランクスは高弾性でありながら強度も備えた新素材でネジレつぶれがなく、これまで何度も調整を重ねてきたパラボラチューンRによって絶妙の極翔調子に仕上がっています。これらの新素材や新技術により、掛けた魚に必要なパワーゾーンまで滑らかに速く曲がるブランクスが完成しました。つっかえないし伝わりが速い。釣り人が曲がってきたー!と思うよりも速くその次元へ入ります。で、そこからパワーが出てくる。僕はこの新しい極翔の調子を「曲げて攻める」と表現したい。大きな魚の荷重を受けて、曲げ込んで、その先のパワーを使って攻める。期待を裏切らない調子が完成しました。たくさんの人に本来のブランクスパワーを使った磯フカセを体感してほしいと思います。