2023/09/07
コラム
ヒラマサキャスティング入門 シーズナルパターン編 田代誠一郎

遊漁船サンライズの船長として、また、いちアングラーとしてヒラマサを追い続けている田代誠一郎が、ホームの玄界灘でヒラマサキャスティングゲームの魅力と釣るための基礎を徹底的にレクチャー。今回は、季節ごとのヒラマサの動きとルアー、攻め方について。
春の特徴とメインルアー
春は産卵前のヒラマサが様々なベイトを荒喰いする時期。子イカ、モジャコ、キビナゴ、イワシ、サンマ(玄界灘では5月頭まで)、ボラ、コノシロなどとバラエティに富んでいることから、ルアーサイズもこれといった決まりはない。そんな中、田代さんがおすすめするのがオシアペンシル別注平政シリーズ。190F・160Fがベーシックとすれば、145Fはベイトが小型の時、大型になれば220F。モジャコやイワシを捕食するナブラの移動スピードが極端に遅いので、短距離移動で誘えるオシアバブルディップ180Fも有効になる。


ショートジャークでナブラを狙うヒラマサのスイッチを入れる。マッチサイズではなくても効果的なのがバブルディップだ。

メインルアーのマッチタックル①:ルアーの動きを大事にしたいのでリーダーは細めに設定する。

メインルアーのマッチタックル②:ややパワーアップ版。いずれも別注平政220F・190Fにマッチする。
春のサブルアー
ベイトが小さい時にフォローできるのが別注平政145F、ヘッドディップ140Fクラスの小型シルエットのルアー。口を使わせやすいのはもちろん、着水音が大きいとヒラマサの活性が落ちることがあるが、小型なので着水音を抑えることができる。それとは真逆に、コノシロやボラなどの大きなベイトを捕食するナブラもあるので、大マサ(大型ヒラマサ)に対応するルアーやタックルも準備しておきたい。産卵前の様々なベイトを捕食している時期だからこその幅広さが求められる。

別注平政145F(写真上)とヘッドディップ140F。鈎自体も餌と認識して喰ってくることがあるので、シルエットで驚かせないことはメリットになる。

サブルアーのマッチタックル①:小型シルエットのルアーに最適。

サブルアーのマッチタックル②:超大型のヒラマサに遭遇した時のチャンスを逃さないためにも持っておきたいパワー系タックルだ。
夏の特徴とメインルアー
夏は産卵を終えたヒラマサが体力回復のために荒食いモードに入り、大型ルアーがメインとなる。トビウオ、ダツ、サヨリ、小型のシイラなどがメインベイトで、ナブラも多く見られる。田代さんが多用するのは別注平政220F。捕食場所はほとんどが20mよりも浅いシャローで、メインタックルは根から引き離せるパワー系。大型のルアーと太いラインによるシャローのガチンコ勝負というエキサイティングなシーンが繰り広げられる。

別注平政220Fのメインの使い方は、トビウオを食べている時はロングジャークで水中をゆらゆら泳がせる。

夏に生まれたオシアフルスロットル240Fでのノンストップジャークも手堅い。

オシアワイルドレスポンス240Fは、ベイトがカマス等大型の時にはジャストサイズだ。

アジのナブラで効果を発揮するのがオシアヘッドディップ175F。AR-Cで強いタックルでも遠投できるのは心強い。

春のようにベイトが多彩ではないので、強引なファイトに対応するメインタックルをワンセット用意する。

サブに無風などで潮が動かない時でも飛ばせるややライトなタックルを準備しておくと、疲れにくく、1日投げ切ることができるのでおすすめだ。

春同様、突然現れる超特大のヒラマサを獲れるタックルも構えておきたい。
秋の特徴とメインルアー
夏の延長に近いが、シイラのようなベイトも成長し大型化が加速する一方、サンマやスルメイカが下ってくる秋(玄界灘では10月中旬)。スルメイカの群れを狙うヒラマサを見つけられたら大チャンス。「ルアーを投げて浮かせておけばバーンと喰ってくるんで、すごくおもしろい。秋は違ったパターンでいいですね」。オシアバブルディップ220Fフラッシュブーストのショートジャークのナブラ撃ちも期待は大。30キロクラスも上がるので、ルアーは大型のまま、飛距離と精度を出すためのラインバランスを考慮したタックルが必須だ。

メインルアーは夏から引き続きオシア別注平政220F。アオリやスルメのイカ系パターンにはゆらゆらしたアクションが強い。

大型化するベイトにはオシアフルスロットル240Fのノンストップジャーク。サンマっぽいシルエットも有効だ。

シイラの喰い上げや活性の低い時に効果的なのが、オシアワイルドレスポンス240Fのフラッシングアクション。

バブルディップ220Fフラッシュブーストは、深場や潮波が激しい場所でも泡と音でしっかりアピールする。

ルアーの重さにも負けない8号のタックルが秋のメイン。ノンストップジャークにはPGのリールもありだ。

水深が60m程度あれば、疲労しにくいワンランク落としたタックルでも獲っていける。

秋にもモンスターヒラマサに対応するタックルは準備しておこう。
冬の特徴とメインルアー
季節のグラデーションとしての冬のメインベイトは、秋に入ってきたイカ、サンマ、イワシなど。これらのベイトの捕食場は比較的深めなので、タックルはパワーダウンしても問題はないが、引き続き大型も釣れるので、パワー系もサブで構えておきたいところ。メインルアーはやはりオシア別注平政220F。捕食するベイトの種類でルアーを変えるのが効果的になるので、サーチからの絞り込みが重要。特にイカ団子と呼ばれるスルメイカは、出会えたらイージーに捕獲できるラッキーベイトなので覚えておこう。

ベイトの種類を見極めるためにもマルチなオシア別注平政220Fが活躍。イワシであればワンサイズ落とした190Fを投入しよう。

まだ残っているシイラや入りたてのサンマがベイトであれば、オシアフルスロットル240Fを大遠投して広域からノンストップジャークでサーチだ。

メインタックルは秋と同じく、大型ルアーを遠投して探るためのコンビネーションになる。

深場用のサブタックルも同様。ゴリゴリのパワーファイトではなく、ドラグを出してやり取りを楽しむのも田代さんのおすすめだ。

やはり冬にも特大サイズを狙えるタックルを準備しておくと安心。通年帯同しておこう。
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