2022/11/17
コラム
鈴木斉が大原港・山正丸で攻略! 千葉県・外房沖のヒラマサキャスティングゲーム
関東のヒラマサ道場、千葉県・外房沖の春マサに、鈴木斉さんがキャスティングゲームでトライ! 前半パートでは山正丸・山口徹船長と鈴木さんの外房ヒラマサトークセッションの模様を、後半パートでは鈴木さんによる2022年リリースの新製品インプレッションをお届けする。
INDEX
外房沖は全体的に浅いからこそキャスティングの釣りが盛んに
鈴木
鈴木
始めた当初は、魚の量はいまより多かったと思います。でも、どうやって釣っていいのか分からない時代でした。ナイロンライン、トレブルフックの時代です。漁船のポイントを参考にして釣っていました。そうした中で、ここでも釣れるんじゃないか、とポイントを探して、拡げていきました。私の場合は海外でGTフィッシングを経験していたこともあり、それを参考に流し方をドテラにしたり、ジグやプラグをキャストしてみたりして、釣り方を変えてみました。すると思わぬところから魚が出ることがありました。たとえば凄く浅いところとかですね。こんなところにヒラマサがいるのか! という発見を長年積み重ねていくうちに、ポイントや釣り方が拡がってきた感じですね。
鈴木
鈴木
浅いときは10m以内、ときどき5m、6mというアナウンスも聞きます。
キャスティングとジギング、両舷で釣りをするのが外房スタイル
鈴木
鈴木
大型のヒラマサはキャスティングに分があるのか、タックルが強いから獲れるのか、いずれにしても大型がキャッチできるようになりました。以前はジグで5kg釣れたら、やった! という時代だったのが、近年は10kg、20kgという数字が普通になってきました。数が減ってもサイズが出るフィールドになったイメージがあります。
鈴木
外房沖のシーズナルパターンを教えてもらえますか? たとえばシーズンごとのベイトの種類とか、ヒラマサのサイズの違いなどはいかがですか?
鈴木
黒潮の当たり方で海がガラッと変わってしまうんです。半日で変わるし、極端なときは1~2時間で変わってしまう。船長泣かせですよ。
鈴木
キャスティング、ジギングともにヒラマサゲームは面白く、深い!
鈴木
鈴木
鈴木
1回の出船でキャスティングとジギングを同時に楽しめるという点も外房の特徴です。僕は全国あちこちで釣っていますが、どちらかと言えばキャスティングならキャスティング、ジギングならジギングという出船形態が多い。流し変えるたびに船の向きを逆にして両方の釣りを楽しめるのは魅力ですよね。
鈴木
鈴木
鈴木
鈴木
少しでも長くヒラマサゲームを楽しむためのリリース
鈴木
うちの船ではレギュレーションとしてお客さんに協力してもらっていることがあります。又長で65cm以下のヒラマサはリリース、それ以上のサイズのヒラマサのキープは1日2本までとさせてもらっています。子供の頃からこの海を見ていますが、30年前には漁師の船もいっぱいいました。ヒラマサが減り、漁船もどんどん減っていって、エサ釣りの船も減っています。自分自身、ヒラマサの数が減っているのは実感しています。このままじゃいけない、という感覚があります。小さい魚は殺さないように、釣った人が食べる分以上の魚は無駄に殺すことがないようにリリースしていこう、リリースしてもらいたい、と考えています。自分は20年以上前からリリースしてきましたが、なかには賛同してくれる船もあります。外房にはオフショアネットというルアー船の集まりがあります。その集まりの中で何隻かに協力してもらって、独自にレギュレーションを決めています。この先、少しでも長くヒラマサゲームを楽しめるように、リリースしたヒラマサが生んだ卵で少しでもヒラマサが増えるようになればいいな、と思っています。
鈴木
鈴木
ご存知の人も多いかも知れませんが、外房沖は簡単に釣れるフィールドではありません。だからこそもっと頭を使って、海を見て、人の動き、船の動きをよく観察して、いろいろなことを考えて釣りをし、1本を手にすることが大切です。そうやって手にした1本のヒラマサの喜びは何事にも代えられないと思っています。足繁く通って、経験を積んで、試行錯誤を繰り返して、人より釣れるようになると気持ちがいいですよ。何よりも1本釣ったときの喜びが大きいフィールドだと思っています。もちろん、初めて外房に来て10kgオーバーを釣ってしまう人もいますが、それはそれで愉しさですよね。
ヒラマサ狙いの新たな必携ルアー!! オシア別注平政190Fフラッシュブースト
今回の釣行で鈴木さんがメインタックルとして使用したのは、ロッドがオシアプラッガー フレックスドライブS83MH、リールはストラディックSW 14000XG。メインラインがオシア8 6号、リーダーはナイロン120LBの組み合わせ。ルアーは2022年NEWモデルとなる、オシア 別注平政190Fフラッシュブーストをセレクトした。まずは注目の新製品、オシア 別注平政190Fフラッシュブーストからチェックしていこう。
オシア別注平政190Fフラッシュブーストは、オシアペンシル 別注平政190Fにシマノ独自のフラッシングシステム、フラッシュブーストを搭載。さらに重さを増した専用成型ウェイトをこれまで以上に後方にレイアウトすることで、ジャーク後のステイ時の姿勢をファインチューン。ジャーク後に姿勢を復元しやすくなっただけでなく、水絡みが向上したことでダイブミスを低減、さらなる複雑なスラロームアクションが演出可能になった新たなダイビングペンシルだ。安定した飛距離、ダイブのさせやすさ、アクションのキレを実現した新定番ペンシルと言えるだろう。
「オシア ペンシル別注平政190Fはとても優秀なルアーで、これまでも十分な釣果をもたらしてくれました。このルアーをベースにウェイトバランスをより後方重心に設定し、さらにウェイトアップ。結果として水に絡みやすく、アクションエラーも少なくなった印象です。水面下でウォブリングしてよく泳ぎ、飛びだしにくくなっています。これまで出ても乗らなかった、そんな魚も乗せやすくなったと思います。特殊なクセがあるわけでもないので、誰にでも扱いやすいルアー、慣れている方だったら意のままに操れると思います。飛距離も安定して出ます。オーバーヘッドキャストはもちろん、アンダーハンドでキャストしても十分な飛距離が出ますね」(鈴木さん)
「フラッシュブースト搭載の効果も大きいと思います。フラッシュブーストはキラキラと水中で光を拡散してくれるので、遠くの魚、深場にいる魚によりアピールしてくれるのは確かです。ルアーが止まったときでも反射板がキラキラとアピールして誘ってくれます。全体のシルエットではなく、キラキラする反射光だけでアピールするので、小魚のように見えることもあると思います。小型のベイトを捕食しているときにも反応させやすいのがフラッシュブーストの強み。止めておいてもアピールするという要素が加わったので、魚を寄せるパワーが大きくなったし、ルアーとしての完成度も極まったかな、と思いますね」(鈴木さん)
外房沖でも玄界灘でも基準となる190mmというサイズ感
「190mmというサイズはヒラマサ用としてはベーシックでとても使いやすいと思います。外房沖でも玄界灘でもスタンダードと言えるサイズです。ここから大きくしていくか、小さくしていくかという基準になるサイズです。十分な飛距離が出せることが前提条件ですが、自分の場合、外房では別注平政190Fフラッシュブーストから使い始めて、160、150、145mmとサイズダウンしていくのがセオリーとなりそうです。何回もチェイスしてきたけど乗らない、というときはルアーサイズを落とすと一発で喰ってくるということもあります。魚の反応、まとわりつき方などを見てチェンジしていくのもいいでしょう。ルアーサイズを選ぶ際、マッチ・ザ・ベイトだけに囚われないように注意してもらいたいですね。捕食しているベイトが小型でも大型ルアーに反応するときは多いし、逆もあります。活性が高くても低くても、ヒラマサが反応しやすいサイズというものもあります。その点、オシア別注平政190Fフラッシュブーストの190mmというサイズはアピールが大きすぎず小さすぎずというサイズ感。ベイトが小さいときは大人しく泳がせ、ベイトが大型のときは激しく動かしたりして対応することも可能です。魚がボイルしていても、誘い出しでも対応できる万能なサイズ感だと思いますよ」(鈴木さん)
「カラーは6色から選べます。ヒラマサゲームを前提にした場合の自分のカラーセレクトの基本は、ベイトが表層にいてヒラマサがそれを追っているようなとき、つまりボイルやナブラがあったりするときはナチュラル系カラーをよく使います。反対に誘い出しのときは、魚がどこにいるのか分かりにくいのが前提。ルアーがどこを泳いでいるかなどを含めて、バイトに至るまでの過程をしっかり目で捉えておきたいので、派手なアピール系カラーを使うことが多いですね。前者はNイワシ、Aトビウオ、後者はAオレンジ、Nピンクイワシ、Nホワイト、Tイワシミントが当てはまります。Tイワシミントは視認性もよく、これまでのオフショアルアーではあまり見なかったカラーです。今回も夕マヅメにTイワシミントカラーでヒットさせることが出来ました。光量が少なくなっている状況でもよく見えたので操作性が高く扱いやすかったですね。ヒットしたのは水中に潜ってウォブリングしているときでしたが、ルアーアクションはもちろんフラッシュブーストの効果もあったと思いますよ」(鈴木さん)
ストラディックSWシリーズに待望の14000XGが登場!
鈴木さんがヒラマサのキャスティングゲームを楽しむ場合、リールに求める最低条件が14000XGというサイズとギア比だ。これまではステラSW14000XG、ツインパワーSW14000XGを使用することが多かった鈴木さん。2022年、14000XGという番手にストラディックSW14000XGが仲間入りした。ステラ、ツインパワー譲りのフィーチャーで武装したストラディックSW14000XG。中級機種ではあるがその実力が気になるところ。外房での実釣を終えた鈴木さんに印象を訊ねてみた。
「自分の場合、ヒラマサをキャスティングで狙う場合、使用するスピニングリールはXG一択。理由はルアーの操作性という観点からです。HGモデルでは、どうしてもワンジャークで2回くらい巻かなければいけない状況があります。ロッドのジャーク幅にXGの巻き上げ量が合うので、どうしてもXGモデルを選択せざるを得ません。比較的、求めやすい価格のストラディックSWシリーズに14000XGモデルが登場したことは、幅広いアングラーにヒラマサを狙ってもらえる機会が増えることを意味すると思いますね。
ドラグは最大で15kgを確保しています。PE8号以上を使っての大型狙いにはステラSWやツインパワーSWをおすすめしますが、PE6号までで楽しむ場合には十分対応できると思います。外房では十分に活躍してくれるでしょう。Xタフドラグ搭載なので安心できると思いますよ。」(鈴木さん)
鈴木さんも太鼓判! 必要十分な実力者ストラディックSW14000XG
「価格を考慮しても、巻き上げ力、巻き心地、滑らかさは素晴らしいと思います。使用感としても問題ありません。ルアーを操作していても滑らかさを実感できると思います。潮の流れが効いているときに大型のルアーを泳がせても、リールが負けていると感じることは一切なかったですね。オフショアでのヒラマサゲームに挑戦したい、という人にはとくにおすすめできると思います。超大型魚ややり取りが非常に難しい釣り場以外であれば、巻き取りの速さもラインキャパシティもあるので、十分に戦えると思います。XプロテクトやXシールドを採用しているので、海水が内部に入りにくいのもいいですね。異音が出にくいので快適に使用できるし、長期的にも壊れにくいと思います。初期性能が長く保たれるということはありがたい性能ですよね」(鈴木さん)
ストラディックSW14000XGは、外房沖でヒラマサキャスティングゲームを始めたい、というアングラーには心強い味方となってくれそうだ。ザ・外房スペシャル=オシアプラッガー フレックスドライブS83MH
鈴木さんが「外房のヒラマサキャスティングゲームで欠かせない」というお気に入りロッドがオシアプラッガー フレックスドライブシリーズ。なかでもS83MHはこれだけあればいい、というほどのマストアイテムだ。
「オシアプラッガー フレックスドライブは凄くいいですね。投げやすいし、気持ちよく曲がってくれる。外房ではMHクラスが基準になります。あとはルアーサイズ、ヒラマサのアベレージサイズに合わせて、M、Hと上下にパワークラスを振る、というイメージです。迷ったらMHで間違いない。このロッドはブランクスに『外房』って書いてもいいくらい(笑)、ベストマッチなロッドだと思いますよ。フレックスドライブのように低弾性カーボンを素材にしているロッドは、重さが気になったり、キャスト時の振り抜けの悪さが気になったりすることが多いんです。でも、このロッドはそういった低弾性カーボンのマイナス面を克服していて、いいところが十分に活かされている印象ですね」
キャストからルアー操作、ファイトまですべての動作が心地よく安心できるロッド
「振り抜けが凄くいいんですよね。シャキッとして投げやすい。それほど力を入れなくても飛んでくれるので疲れにくい。ティップにパワーがあるのでルアーの操作性も非常にいい。それでいて魚を乗せやすいし、掛かってからはしっかり曲がり込んでくれるので身体に対する負担もとても少ない。魚のコントロールもしやすいし、バラシも少ない。いいところばかりですね(笑)。よく曲がる、と言いましたが、曲がり過ぎないという点も評価できます。前作は曲がり過ぎてしまって魚のコントロールが難しいときがあったんですが、今回のモデルでは曲がり込んでもバットにはしっかり芯が残って耐えてくれる。大型のヒラマサが掛かったときでもロッドがパワーを吸収してくれるので、素早く移動したりドラグを締めたりという瞬時の対応がしやすい。硬いロッドは引っ張られてアングラーが振り回され、その間に主導権を奪われて根ズレ、という結果を招きやすいですからね」
鈴木さんが心酔している、という印象まで受けたフレックスドライブS83MH。手放しで高評価を与えるそのワケは、実際に手に取って確かめていただきたい。
ラインナップも増えてより使いやすくなったHDタックルボックス
外房沖での実釣時、鈴木さんが「このボックス、凄く使いやすいんですよね」と何度も口にしていたのがHDタックルボックス。リリース以来、船上で見かける機会も増えつつある人気商品だが、その魅力をあらためて訪ねてみた。
「オフショアの釣りで使うボックスは強度がとても大切。塩水をザバザバ被ったりするし、船の揺れであちこちにぶつかったりもする。椅子代わりに座ることも多い。過酷な条件に耐えるための強度、耐久性は絶対条件になると思います。壊さないように、と気を使って扱うものではないので、ラフに使っても大丈夫であってほしい。HDタックルボックスは細かいことを気にせず、がさつに扱っても平気という安心感がありますね」(鈴木さん)「荷物がたっぷり入ることも大切。HDタックルボックスはちょうどいい高さ、幅、深さでとても使いやすい。すべての条件を高次元で満たしているボックスだと思います。シンプルさもいいですよね。周りに余計な装飾品があるとかさばりますし、破損もしやすい。車に重ねて積み込むときなども、引っかかったりして邪魔にもなる。移動するときに邪魔にならないシンプルさは、とても使い勝手がいいですよ」(鈴木さん)
鈴木さんがヒラマサゲームでメインに愛用しているサイズはCS-201Uだが、より小型のCS-203V、CS-202Uもラインナップされている。スモールサイズのHDボックスはルアー専用として利用するなども一手。使い方はアングラー次第だ。ヘビーデューティーな性能は鈴木さんのお墨付き、自由な発想で使い倒していただきたい。
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