2024/02/28
コラム
大原沖のヒラメ。ヒラメ釣りの核心は〝底探し〟にあり。
鈴木新太郎さんのヒラメ釣りは〝コロンブスの卵〟に似たところがある。
ヒラメ釣りにおいて、以前はアタリがきたら竿先を送り込む、あるいは仕掛けを海底に着けて喰い込みをうながす、といったアドバイスが見られた。ところが、鈴木さんはこのイメージをガラリと変えた。
底の探し方の作法
オモリは海底の情報を得るツール
それが「オモリを底に着けない」ヒラメ釣り。正確には「オモリで海底を探ったら、速やかに上げる」方法論。
鈴木さんのヒラメ釣りにおいて、オモリは海底の情報を得るツール。オモリをそっと下ろし、海底に触れたら速やかに30cm上げてキープする。
海底にオモリが触れた感触で、底質が砂なのか、岩なのか、海藻なのかを判断する。このとき、オモリを寝かせたり、長時間着けていると、魚信と海底の区別が付きにくく、根掛かりのリスクも増すため、速やかに上げる。
取材日、冬を迎えた大原では、水深10m前後でアタリはあるものの、なかなか喰い込まなかった。微妙な前アタリを逃すと後が続かない、ちょっと気難しい展開だった。
こんなとき、揺れる船の上で、前アタリなのか、底なのか、海藻なのか判別することは難しく思えるが、鈴木さんは、こんなときこそオモリで海底をていねいに探さなくてはいけないと言う。
オモリの感触から、海底を想像する……水深はもちろん、底質が岩から砂に変わったときは、より集中する。
鈴木さんが手にする「バイオインパクトライトヒラメ64 225」のソフチューブトップは、大きく、しなやかに動くため、オモリが着いた瞬間を実にわかりやすく表現する。ゆえに、オモリを速やかに浮かせることができる。
このとき、穂先に動きとして現れない岩や砂や海藻など「感触」の情報は、カーボンモノコックグリップを通して手に感じている。
そしてオモリを浮かせた状態を維持していると、よりダイレクトにヒラメの前アタリが動きと感触として鮮明に伝わってくる。当然、アワセの好機も逃さない。
船が流れず、ヒラメも気難しい当日も、鈴木さんはチャンスを逃さずヒラメを手にして見せた。
ヒラメ釣りにおいて、オモリは竿や糸の延長として海底の情報を収集するもので、底に着けて釣るものではない。これが当たり前の作法になる日も、そう遠くはない。
【オモリを立てて、穂先を曲げて、底を探す】
船の上下動などに対応しつつ、竿をていねいに操作して「底を探す」。このとき、穂先は常にオモリを背負って一定に曲がっている状態を保つ。
タックルの作法
見えなかったものが見えるようになる目感度と手感度、そして操作性。
食の作法
ヒラメの昆布締め
~ふくよかな旨味と滑らかな食感~
【取材協力】外房大原沖・つる
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