2025/07/15
コラム

初冬の宮崎サーフを熱くする夢のターゲット。堀田光哉がタチウオから読み解いたオオニベ接近のサインとは。

サーフアングラーが集う初冬の宮崎で。夢のターゲット、オオニベに挑む。
宮崎県の太平洋沿岸部には広大なサーフが広がり、年間を通して多くのアングラーが訪れる人気の釣り場。特に12月から1月にかけては、オオニベのハイシーズン。全国各地からこのターゲットを狙うアングラーが集い、サーフは一層の盛り上がりを見せる。オオニベは1mを超える魚体と、重量感あふれる引きが魅力の魚。サーフアングラーにとっては憧れのターゲットでもある。そんなオオニベを求め、堀田さんは宮崎の地に足を運んだ。

オオニベのハイシーズンは12月から1月にかけて。堀田さんは12月の中旬に足を運んだ。
まずは入念な下見と状況確認から。注目すべきは水の色と自然な濁り。
堀田さんが最初に行ったのは、入念なポイントの下見。「ヒラメと同じで、やっぱりベイトの有無は確認しておきたいですね」と話しながら、あらかじめ目星をつけていた複数のポイントを回っていく。その際には、波の状況や水の色もしっかりとチェック。「オオニベ狙いなら、少し濁りがあるくらいのほうが警戒心も薄れて釣れやすい印象です」と教えてくれた。ただし、雨や荒天後の茶濁りのような状況は逆に良くないとも。理想は、風や波でほどよく砂が巻き上げられたような自然な濁りだという。

初日は下見をメインに進めていく堀田さん。ベイトの有無や波の様子などをこまかくチェックして回った。

水の色にもこだわっていた堀田さん。初日は短時間の実釣のなかでニベがスレでヒットした。
新しくなった「ネッサXTUNE」。軽快かつ粘り強いブランクスに期待。
今回、堀田さんが手にしていたのは、刷新された「ネッサXTUNE」。コンセプトは「粘り強く、軽快な操作性を持つロッド」。3ピース構造を活かした「マルチピースUBD」により、各セクションに最適な素材とテクノロジーが配置され、曲げ込むほどにパワーを発揮する粘り強さを実現した。さらに、上位機種にも搭載されている「カーボンモノコックグリップ(ハイレゾタイプ)」を採用し、キャストからルアー操作まで、あらゆる場面で軽快な操作性を体感できる。2024年に新たに登場した「ネッサSS」に近いモデルでありつつ、その性能をさらに高めた使用感だと堀田さんは語ってくれた。

「ネッサXTUNE」は3ピース設計。素材やテクノロジーを適材適所に配置する「マルチピースUBD」の採用で強靭かつ軽快なブランクスに。

カーボンモノコックグリップ(ハイレゾタイプ)の搭載でキャストの方向性も定まりやすい。ボトム感知にもすぐれた感度も魅力。
タチウオが捕食される珍しい状況に遭遇。緊張感のあるやり取りがついに始まる。
初日は夕マズメのみ実釣。小型のニベがスレ掛かりでヒットしたのみだった。そして迎えた2日目。朝マズメから挑むも、反応は薄く、苦戦を強いられる。だが、夕マズメに転機が訪れる。濁りの状態を見極めながら選んだ釣り場で、海面にベイトの動きを確認。そして、小型のタチウオがルアーにスレ掛かりしてきた。「珍しい状況ですね。でも、これがベイトになっているんでしょう」と冷静に分析する堀田さん。その直後、「何かが追われてる!」というシーンに遭遇。気持ちを高ぶらせながらも冷静にキャストし、「熱砂 ビームドリフト 97S フラッシュブースト」をストップ&ゴーでアクション。すると「ドスン!」という手応えとともに、「ツインパワーXD C5000XG」のドラグ音がけたたましく鳴り響いた。

スレでヒットしたタチウオ。堀田さんの経験のなかでも珍しい状況だったとのこと。

フッキングが決まったのも束の間、強烈な走りを見せるオオニベ。左右へ走り回り一瞬の油断が命取りになりそうな手に汗握る展開となった。
姿を現したのは1mオーバーのモンスター。記録的なサイズのオオニベと出会う。
一瞬エイかと思わせるほどの重量感。しかし、グングンと突っ込む手応えにオオニベであることを確信。左右へ走るスピードとスタミナはまさに桁違いだ。ほんの少しの油断がバラしに繋がりそうな、緊張感あふれるやり取りが続く。だが、ここで「ネッサXTUNE S108MH」の粘り強さが真価を発揮する。じわじわと距離を詰め、波打ち際まで寄せると、すかさずランディングに成功。「やったよ!これは嬉しいサイズだね!」と、興奮が収まらない堀田さんがキャッチしたのは、堂々たる1mオーバーのオオニベだった。「これは自分にとって最大サイズのオオニベです。まさかこのタイミングで出会えるとは思っていませんでしたね」と終始興奮が収まらない様子であった。

確かな手応えと持久力の高さにオオニベだと確信した。ネッサXTUNEの粘り強さが本領を発揮する。

ついに決着の時。ブランクスのパワーを最大限に活かして慎重に寄せる堀田さん。
貴重なチャンスから手にした1尾。それは格別な余韻を残してくれた。
ヒットの瞬間について堀田さんは「小型のベイトもいましたが、オオニベは明らかにタチウオを狙って喰っていましたね」と語る。「目の前にチャンスが来てよかったです」と続けるが、その言葉の裏には、入念な観察と冷静な状況判断、そして準備があった。オオニベの釣果は決して簡単に得られるものではない。だからこそ、一尾がもたらす感動は格別で、挑む価値があるのだ。この記事を読んで心を動かされた方も多いだろう。ぜひその気持ちを大切に、オオニベに挑戦してみてほしい。そして、そう簡単に釣れる相手ではないからこそ、貴重なチャンスをものにするためにも、タックルの準備は万全に整えて臨みたい。

この1匹から得られる感動は特別なものがある。タックル装備はいつも以上に万全にしておきたい。

リリースした瞬間、格別な達成感に包まれた。さらに釣果を目指したくなったと堀田さん。
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