2023/04/07
コラム
外房・大原沖のヒラメ釣り。ライトヒラメの真髄は予測力にあり。
ミチイトが従来より細く、タックルが敏感になる「ライトヒラメ」で、ヒラメ釣りは何が変わったのか。
その答えは、海底の変化やアタリが分かりやすくなったこと。
ミチイト、竿、リール、それぞれが実用範囲内で細く、敏感になることで、これまで曖昧模糊としていた海底の様子やヒラメの魚信が明確になった。
ライトヒラメの作法
海底の変化を察知し、その日の釣りを組み立てていく。
現在、ミチイト1.5号を基本としたライトヒラメは外房~茨城、つまり日本最大のヒラメ釣りエリアにおいてスタンダードな釣りになりつつある。
その第一人者・鈴木新太郎さんが地元大原より出船した2月は、ヒラメが岸近くの水深10m前後の浅場にやってくる時期。北風に押されて流される船上で、鈴木さんは40号と50号のオモリを使い分け、ミチイトの角度を調整しながら釣っていく。
エサ付けやアタリからアワセなど、ヒラメ釣りにはいくつか鍵となるテクニックがある。
そのなかで鈴木さんが最も大切にしていることが、「海底の変化を察知し、その日の釣りを組み立てていくこと」。
意外に思うかもしれないが、鈴木さんはヒラメ釣りでオモリを海底に置かない。トンと一瞬オモリが海底に着いたら、すぐに30cmほど上げる。
このときにオモリから伝わる感触で、海底が砂なのか、岩なのか、海藻か、カケ上がっているかなど、海底の状況を知る。
多くの場合、砂地に点在する岩にさしかかる場所はチャンスとなる。同じく海藻の有無、水深の変化など、この日、どのような場所にヒラメが着いていて、アタリを出してくるのかを観察し、次の展開を予測する。
シケの合間で濁り潮と強風の中、数時間の釣りで鈴木さんがつかんだ傾向は、この日のヒラメは岩場など底質の変化よりも、水深が浅くなる場所で喰ってくるということだった。
鈴木さんはオモリでの海底リサーチと同時にフォースマスター600の探見丸スクリーンを活用、たとえイワシが暴れなくても、アタリがなくても、水深が浅くなる場所では集中し、読みどおりヒラメを掛けて見せたのであった。
【オモリを置かずにリサーチする】
タックルの作法
ヒラメ釣りに欠かせない情報力+電動と手巻き二刀流の可能性。
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ヒラメのお造り
~身を無駄にせず食感の違いを楽しむ~
【取材協力】外房大原港・長福丸
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