2022/03/31
コラム
千葉県勝山港出船のスルメ&ヤリイカ。 沖イカ釣りで一番大切なもの。
INDEX
青く澄んだ海中から次つぎと現れては潮を噴き出し船内に取り込まれるスルメイカ、ヤリイカ。手早くさばかれ潮風になびく船上干し。いわゆる「沖イカ釣り」は、独特の趣がある。
その沖イカ釣りの名手、松田竜也さんは、「イカ釣りで一番大切なことは、確実に仕掛けをさばくこと」と言う。
2月中旬の洲ノ崎沖。今や定番となった早春のスルメイカ釣りは2ノットの速潮の中、200m近い深さを狙った。
1流し1回投入、それも合図に遅れてしまうとイカが釣れないうえ、オマツリを誘発する。そんな中、松田さんは1杯ずつ、着実に数を重ねていく。イカ釣りでは遅れずに投入することがチャンスを逃さない条件。そのために、潮回りの間にイカヅノを投入器に確実に収めて準備をする。
直結仕掛けの作法
ゆっくりでもいいから確実であり続けること。
この日、松田さんが使用しているのは18cmヅノの直結12本ヅノ仕掛け。サバが非常に多い昨今の関東周辺では、今や直結は必須といえる。
「直結仕掛けは難しいと思われるかもしれませんが、ゆっくりでもいいので仕掛けを止めずにたぐり続けて、とにかくイカを、確実に船内に入れてしまえばいいんです。そうするうちに慣れてきて、自分のスタイルができます」
白浜沖を狙った後半は、スルメ、ヤリが半々。ヤリイカにはブランコ仕掛けが多用されるが、サバが多いこともあり松田さんは直結仕掛けで釣り通す。
「春先はヤリイカの型が大きいので、直結を練習するのにもいい時期ですよ」
ツノも18cmのまま、スルメとヤリイカが乗ってくる。そして時折、3杯、4杯と多点掛けになる。
「直結でも、仕掛けが沈んでいくときにイカが触ってくるのが分かります。そんなときは多点掛けのチャンスです」
フォースマスター3000の探見丸スクリーンにはベイトの反応が映し出されている。松田さんは竿先とリールから視線をそらすことなく、落ち込みのサワリに集中する。
そして着底と同時に乗りをとらえると低速巻きを開始。ズン、ズン、ズンと重さが増していくのもお構いなしに力強く巻き上げていく。
「多点掛けできる流しは1日にそう多くありません。いつ訪れるとも分からない時合を逃さないために、やはり仕掛けを投入し続けることが大切です」
最先端のタックルを活かすためにも沖イカ釣りではまず、仕掛けを「確実にさばくこと」。
それはベテランでも初心者でも共通する、沖イカ釣りの作法である。
タックルの作法
沖イカを安心して楽しむために。
イカスペシャル H155 / RIGHT
「深い場所、速い潮の中では視覚的なアタリは出ず、シャクリの重さの変化でイカの乗りを感じ取ることになります。そのとき、ハッキリ言って竿の差が大きく出ます。乗りが分かりやすいのは、短く、先調子で、軽く敏感な竿。イカスペシャルはその条件を完全に満たしています」松田竜也さん。
フォースマスター3000
沖イカ釣りでは電動リールが最も重要な道具といえます。新しいフォースマスター3000は3000XPのパワーを引き継ぐとともに、強化ギアシステムにより耐久性が向上し、より長く使えてイカ釣りには安心。そして探見丸スケールで海中の情報を手元で見ることができるのも、スルメなど中層を狙うときに大きなメリットになります」松田竜也さん。
ロッド
イカスペシャル H155 / RIGHT
全長 1.55m
継数 2本
仕舞寸法 84.8cm
自重 230g
オモリ負荷 100〜200号
リール
フォースマスター3000
ギア比 3.9
最大ドラグ力 20.0kg
自重 795g
糸巻量PE [タナトル8] 4号450m
5号350m
6号300m
8号200m
ハンドル長 75mm
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探見丸
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食の作法
潮風が作り出す滋味
〜スルメイカの船上干し〜
1.胴と頭を腹側から浅く切り開く。
2.内臓とクチバシ、目を取る。
3.竹串を刺して干す。
4.松田さんはグリーンパーチ紙で包んで持ち帰る。
5.軽く炙り好みの調味料でいただく。
※取り除いた内臓類は釣り場で捨てないこと。
【取材協力】内房勝山港・利八丸
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