2022/08/22
コラム
沖縄県・名護港出船、高橋哲也の大物泳がせ釣り。 巨魚・アーラミーバイに挑む。
INDEX
その巨体が海面に浮かび上がる瞬間、音がした。少なくとも、見た者と高橋哲也さんには聞こえた。
沖縄本島、伊江島海域で夕マヅメの海に現れたのは38kgのヤイトハタ。沖縄でアーラミーバイと総称される大きなハタ類の中で最も引きが強く、そのパワーはクエを凌ぐと言われる。
電動ファイトの作法
破綻させる要素を一つとして残さない。
舞台は水深70~80m前後の荒根、ムロアジの泳がせ釣り。根魚釣りの鉄則として根に走らせてはいけないのはカサゴもアーラミーバイも同じだが、スケールがあまりに違う。
ハリスは80号。最新電動リール・ビーストマスターMD6000のドラグを目一杯締めて、喰い込んだ瞬間に全速力で巻いて根から離す。
ムロアジを泳がせると、ハタ類だけでなくカンパチ、アオチビキ、ゴマフエダイ、オニカマス、GTが竿を絞る。
そのたびに高橋さんはハリスやリーダーを確認し、少しでも傷が付いていれば交換する。歯の鋭い何者かにハリスを続けざまに切られても、黙々と作業をこなす。次の投入でアーラが喰ったとして、破綻させる要素を一つとして残さない、それが高橋さんの釣りだ。
そして夕マヅメ、ついにアーラが喰ってきた。だが、底から離したと思ったところで反転を許し、根で切られた。
恐るべき強さ。しかし諦めることなくムロを泳がせると、アーラは再び喰ってきた。
先ほどの経験からビーストマスターMD6000での操作をアジャストした高橋さんは圧倒的なパワーを使いこなし、夕闇迫る海に38kgのヤイトハタを浮かびあがらせたのであった。
【電動ファイトの手順】
①クエなど大型根魚狙いは置き竿
②ドラグは目一杯締め込む
③喰い込んだら全速力で巻き上げる
そして...
【海底から引き離すことに成功したらドラグと速度を調整する!】
フルドラグ+全速力で根から引き離した後、そのまま巻き続けると巨大魚相手ではハリスが切れる。
高橋さんは15m、または15秒ほど巻き上げ「安全圏」と判断したらドラグと巻き上げスピードを調整してファイトする。
タックルの作法
巨大なハタと対峙する運を高めるための答え。
ビーストマスター BG
ハイパワーXフルソリッド構造によりグラスフルソリッドロッドの欠点であるネジレ・ブレを排除。パワーだけでなくストレスのない使用感を実現した大物用ロッド。
ビーストマスターMD6000
釣れる魚は釣れる、釣れない魚は釣れない。そこには『運』が左右していると思っています。だからこそ、運を高めるために万全を期すわけです。そのなかで何を重視するかといえば、クエなど大きなハタを狙うのであれば、猛烈な力で根に突進するハタを素早く海底から引き離し、根ズレをかわすことができるリールです。
しかし、巻き上げが強いだけでは根をかわせず、早いだけでは力負けします。つまり圧倒的に強く、しかも早いリールが理想なのですが、実は非常に難しい。この難題を解決してしまったのが、ビーストマスターMD6000。この強さと早さは、これまでとまったく違うレベルです。
ただし、巻き上げ力とドラグがあまりに強力で、スピードも早いため、スピードレバーとドラグ操作に慣れないままスタンディングファイトを行うと身体に大きな負担がかかり危険です。まずは竿を置いた状態で、十分に操作に慣れてほしいと思います。
ロッド
ビーストマスター BG
リール
ビーストマスターMD6000
探見丸
CV-FISH
専用バッテリー
BTマスター 11AH
食の作法
アーラミーバイのマース煮
【材料】ミーバイ約200g、ショウガ1片、長ねぎ1/2本、島豆腐1/4丁、水140ml、泡盛大さじ2、塩(マース)大さじ1/2杯、あおさのり(アーサ)5g
1.身は大きめに切る。
2.ショウガは薄切り、長ネギは4cm程度、島豆腐はひとくち大に切りそろえる。
3.鍋に水、泡盛・マースを入れ、沸騰したらアーサ以外の具材を入れて落し蓋をし、中火で6~7分間煮る。
4.アーサを加えて火を止めれば完成。
マース煮は器に入るサイズを使うのが一般的だが、今回は大型の切り身でアレンジしてみた。
【取材協力】沖縄県名護港・プーヤン
関連記事
RELATED COLUMN