2022/04/30
コラム
大分県杵築市納屋港出船。アジを喰わせて大型魚を狙う。高橋哲也の落し込みin大分。
INDEX
西日本、九州を中心に絶大な人気を誇る「落し込み」は9〜12月のイワシが回遊してくる時期が一般的ながら、冬〜春の低水温期も楽しめる。
大分県別府湾周辺ではアジをエサに、ブリ、ヒラメ、真鯛、オオニベなどを狙うことができ、当地の船では周年、希望があれば出船してくれる。
「まずはエサを付けなくちゃいけませんが、大分の落し込みは、アミコマセを使ってアジを釣るのが特長ですね」
落し込みの作法
釣れないときこそ、細かい作業を正確に繰り返し「時と場所」をつかむ。
さまざまな釣りを経験している高橋哲也さんも、当地の落し込みは初めて。とはいえ下カゴのサビキ釣りは手慣れたもので、着実にアジを掛けていく。
ところが、青物やヒラメなどの捕食者は反応しない。水深60mを皮切りに90、100mとポイントを探っていくものの、場所によってはアジの喰いも芳しくない。
そんな中、高橋さんは仕掛けを試し、コマセの振り方を変え、常に何かを工夫し、欠かさず投入合図で仕掛けを入れる。
探見丸スクリーンに魚群が映し出されるタイミングを計り、仕掛けを再投入したときにちょうど右端に魚群が現れると、自身の読み=勘と、画面=魚群のタイミングが合ったことになる。
そして掛かったアジが追われるのか、追われないのか……。
「釣れないときは、いつ訪れるか分からない、釣れる『時と場所』をつかむために、釣れているときより一生懸命考えます。アタリがないときの落し込みは、マニアにはたまらないものがありますね」
そして沖揚がり1時間前、水深100m、潮の流れが複雑な斜面のポイントで、その「時と場所」がきた。
掛けたアジが暴れる間もなく喰われ、舳 100ー270の穂先が海面目指して突っ込んでいく。高橋さんは舳のフロントグリップを保持しつつフォースマスター3000のテクニカルレバーを倒す。
ドラグは手で引っ張ってもミチイトが出ないほど強い。当然、巻き上げるとともに舳はきつい弧を描くが、舳ならではの長さと粘りにより、引っ張り合って破綻することはない。
リールのパワーと竿のしなやかさを組み合わせることにより、よりスピーディーに海底から魚を離す。これが高橋さんのやり取りの特長だ。
余裕を持って海面に浮かせたのは、丸まると太った5kg超えのワラサ。時=時合と、場所=ポイントが一致したこの好機に、連続でワラサを掛けては浮かせていく。
「今回、初めて大分で落し込みをやりましたが、発見もあって面白かったです。次は暖かい時期に、漁礁周りや、オオニベも狙ってみたいですね」
チャンスを逃さないために、釣れないときこそ小さな工夫と、細かい作業を正確に繰り返す。
これが、高橋哲也の落し込みの作法といえるだろう。
タックルの作法
落し込みをさらに楽しむ確かな実釣力と新たな情報力。
舳 100-270 & 80-270
舳の特長は曲がっていくけど粘り強いこと。強いドラグで魚を根から離そうとするとき、竿がしっかりと長い距離を曲がり込むことによって人への負担、魚への負担を減らし、魚とケンカせずに竿を起こして上げることができます。落し込みではビーストマスター 落し込み、アルシエラ 落し込み、そして今回のような低水温期などには舳と、使い分けています」高橋哲也さん。
フォースマスター3000
「これから起きることを予測するだけではなく、画面の右端に現れる反応で『確認』できる探見丸スクリーンは、海底付近を見る落し込みで圧倒的にプラスになります。MUTEKI MOTOR+搭載でパワーは十分、強化ギアシステムでタフさが向上しており、落し込みで活躍してくれます」高橋哲也さん。
ロッド
舳 80-270
全長 2.7m
継数 2本
仕舞寸法 138.5cm
自重 320g
オモリ負荷 60〜120号
舳 100-270
全長 2.7m
継数 2本
仕舞寸法 138.5cm
自重 325g
オモリ負荷 80〜150号
リール
フォースマスター3000
ギア比 3.9
最大ドラグ力 20.0kg
自重 795g
糸巻量PE [タナトル8] 4号450m
5号350m
6号300m
8号200m
ハンドル長 75mm
シマノ電動リールをさらに詳しく紹介する
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探見丸
CV-FISH
食の作法
レアなブリのうま味を愉しむ
〜ブリカツ〜
【材料】
ブリ200gほど
薄力粉10g
バッター液(卵1個、薄力粉30g、牛乳30ml、パン粉30g)
1.ボウルにバッター液の材料を入れ混ぜ合わせる。
2.ブリに薄力粉をまぶし、バッター液にくぐらせる。
3.パン粉を付ける。
4.170℃の油で揚げる。新鮮なブリのうま味を活かすため軽く揚げ色が付けばOK。
【取材協力】大分県杵築市納屋漁港・Soyamaru
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