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2021/07/31

コラム

茨城県波崎沖のアカムツ。アカムツに出会うために「誘い」よりも大切なこと。

「アカムツ釣りに限らず『誘い』という言葉がよく使われますが、僕はよく分からないから使わないんです」
耳を疑うが、鈴木新太郎さんは真剣だ。いわく、竿を動かす動作を誘いとすれば、なぜ動かすのか、その時仕掛けはどうなっているのか、そして魚にそれがどう影響するのか。誘いという言葉にまとめてしまうと、そのプロセスやイメージが置き去りにされてしまうのではないか……。
「例えば、波崎沖ではアカムツは竿を持って誘わないと釣れないと言われます。でも、海中をイメージすれば、それは『エサが漂っているときしか喰わない』と考えられます。では、エサが漂う状態を作り出すにはどうしたらいいか?その答えのひとつが仕掛けの寸法や浮力調整アイテムなどです。エサとハリをどう動かすかは、入念な準備の上に、仕掛けや海の状況によって変わるわけです」
つまり、魚の口から答えをたどっていけば、動作と仕掛けは表裏一体。誘いという言葉では表現しきれないのだ。

アカムツ釣りの作法

入念な準備と確実な動作。
変化を見逃さなければアカムツは釣れます。

波崎沖の水深130〜150mを狙ったこの日、新太郎さんは数多くの仕掛けを準備、船に用意されているホタルイカを付けて釣り始めた。
手にしているのはフォースマスター1000エキサイトゲームCI4+ TYPE73 HH195 RIGHT。見た目にも、実際に手に持っても、一昔前の中深場の釣りからは想像できないほど軽量でスマートなタックルだ。
潮は速く2ノット近い。ミチイトは潮の抵抗を受けて押され、底立ちを取り直すとどんどん出ていく。
「この状況では竿を上下させてもハリスは張っているでしょうから、底を取り直したわずかな間がチャンスです」
新太郎さんは確実な投入と底立ちの取り直しで朝のチャンスを逃さずアカムツを手にする。
その後は表層近く30〜50mでサバが掛かり、仕掛けがなかなか海底に届かず、底に着いても速潮に引っ張られてアタリが出ない展開が続く。
数時間が経った頃、水深150m付近でサバが掛かるようになる。ついに海底まで……と顔をしかめたくなるものだが、新太郎さんは逆、この変化をチャンスと見た。
「サバの喰ってくる層が変わるときは、潮が変わることが多々あります。表層は相変わらずでも、潮が落ち着いてきたのかもしれません」
実際、仕掛けが着底し、底立ちを取り直してもミチイトが大きく流されることがなくなった。ここで新太郎さんは、サバを恐れず、積極的に竿を上げ、下ろし、底立ちを取り直す。
「竿を上下させて止めると(ミチイトが立ちやすい今の状況なら)、エサの付いたハリはフワフワと漂います。沈んでハリスが張るまでの間に、アカムツが喰ってきます」
イメージ通りの仕掛けと動作で、狙い通りアカムツの明確なアタリが竿先に出た。ようやく巡ってきたチャンスを逃さず、新太郎さんは終了まで釣り続ける。
「サバの泳層が変わったことで、状況の変化を感じ、集中できました。状況が良く、仕掛けも動作も迷いがなければ、あとは落とせば喰ってくると思えるものです。そうですね……まとめるなら、アカムツ釣りで一番大切なこと、それは、変化を見逃さず、チャンスをつかむことですね」
入念な準備と確実な動作を前提に、変化を逃さない。これが鈴木新太郎流、アカムツ釣りの作法である。

水深130〜150m。茨城県海域は浅い場所でアカムツが釣れる。

中深場の人気ターゲット、アカムツを1000番の電動リールと細身のゲームロッドで楽しむ。1尾のアタリと引きを存分に味わえるタックル選びは、釣りを豊かな遊びにしてくれる。

エサは船宿に準備されているホタルイカを使用。目の間にハリを刺し、外套膜を抜く。

ハリスの長さ、浮力調整アイテムの数、ステイトの長さなど、前情報を活かして釣れている仕掛けを準備。(ハリ数は2本まで)

アカムツがエサを喰うときの仕掛けの状態を作り出すべく竿を動かす。誘いではなく「作業」と新太郎さんは言う。

ハリスが張っている状態。横でも縦でも、ハリの重さや潮の抵抗によりハリスが張っているとアカムツは喰ってこない。

エサが漂っている状態。底立ちを取り直したり、竿を上げて下ろしたときの数秒間、エサは自然に漂う。この状態を作り出す。

アカムツがエサに喰い付く。

上がってきたアカムツ。

サバがどこで掛かってきたか、泳層の「変化」はアカムツ釣りのカギになる。

波崎沖のアカムツは夏からカンネコを舞台に盛り上がる。

タックルの作法

進化したタックルはアカムツなど中深場の釣りをさらに身近にしてくれます。

エキサイトゲームCI4+ TYPE73 HH195 RIGHT
「細くて軽くて、何より曲がりが楽しいのに、すごくしっかりしている。今日みたいに潮が速くミチイトが引っ張られて竿に負荷が掛かった状態でも、自分の動かしたい方向にコントロールできます。これがエキサイトゲームのブランクス、ハイパワーXフルソリッドの特徴で、中深場であっても魚との駆け引きを視覚、感触の両方で楽しませてくれます」鈴木新太郎さん。


フォースマスター1000
「アタリにアワせ、ハンドルを巻きつつハリ掛かりさせ、電動巻き上げに移行する間は動作が止まらないほうがいい。これは手持ちでアタリを出して掛けていくアカムツなどの中深場釣りでは重要。それを自然にできるのが、フォースマスター1000を使って一番素晴らしいと思うところで、一度体験したら手放せません。これにはワンタッチで理想の巻き速度に到達するタッチドライブの『中間速設定』が大きく役立っています。力強さとコンパクトさは使ってみれば一瞬で分かるほど。中深場の釣りをより身近にしてくれるリールです」鈴木新太郎さん。

ロッド

エキサイトゲームCI4+

TYPE73 HH195 RIGHT

全長     1.95m

継数     2本

仕舞寸法   150.4cm

自重     178g

オモリ負荷   60~180号

リール

フォースマスター1000

ギア比        5.3

最大ドラグ力      15.0kg

自重         680g

糸巻量PE[タナトル8]    2.0号600m

               3.0号400m

               4.0号300m

               5.0号230m

ハンドル長         70mm

シマノ電動リールをさらに詳しく紹介する
「Get the Dream」はこちら

探見丸

CV-FISH

エキサイトゲームCI4+ TYPE73 HH195 RIGHT。

TYPE73 HHは全ガイドダブルフットガイドを採用したヘビーデューティー仕様。

中深場での手持ちには、疲れず、力を入れやすいXシートエクストリームガングリップが最適。

2ノット近く潮が流れることも珍しくない。タックルには軽さだけでなく粘りとパワーも求められる。

フォースマスター1000。

新太郎さんが「とても有効」と言うタッチドライブの中間速設定。引きが強く口切れしやすいアカムツは「12」がおすすめ。

右手でハンドルを巻きながらタッチドライブをON。アワせから巻き上げまで途切れることがなく不意のバラシも減る。

探見丸親機搭載船ではNEW海底・魚群水深表示で状況を知ることができる。※魚群水深表示はACCU-FISH®対応の親機搭載船のみ使用可能。

底立ちの取り直しが多いアカムツなど中深場の釣りではスピードクラッチのスムーズさが際立つ。

MUTEKI MOTOR+により3000番クラスのパワーを、ビーストマスター1000EJ同様の強化ギアシステムの採用により高耐久性を実現。

電源ケーブルがハンドル側にあるSコンパクトボディはパーミング性が良く、タッチドライブをコントロールする親指の自由度が高い。

食の作法

一尾のアカムツで三つの食感を楽しむ至高の刺身。

鈴木新太郎おすすめ「アカムツ刺身三種」
1.アカムツを三枚におろす。
2.血合骨に沿って腹側と背側に切り分け、腹側の身は皮を引いて刺身に。
3.背側の身は皮を付けたまま切って炙りに。
4.尾に近い身は厚く切って身質を楽しむ。

【取材協力】茨城県波崎港・庄栄丸

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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ロッド

エキサイトゲーム CI4+

リール

フォースマスター 1000

リール

探見丸 CV フィッシュ

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