2023/05/11
コラム
三浦半島・走水のビシアジ。ときめきと妄想のコマセ釣り。
![三浦半島・走水のビシアジ。ときめきと妄想のコマセ釣り。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/MV.jpg)
今ではライトスタイルも広まっているアジ釣りだが、名物アジで知られる走水はオモリ130号を使う昔ながらの「ビシアジ」である。
理由は簡単。走水は読んで字のごとく潮が速く、水深40m以浅でも130号のビシカゴがフケ上げられることも珍しくないためだ。
重いビシ(オモリ)、それに見合った強度のミチイト、竿、リールを使い、確実に底を把握して、コマセをまいて、魚を寄せてアタリを出させる。コマセ釣りの基本・原型と呼べる釣りがビシアジだ。
ビシアジの作法
タナを取る、コマセを振る、探る。難しくないからこそ確実に。
「コマセ釣りの良いところは、本来、だれもがそこそこ釣れることだと思います。初めてでも何尾かは釣れて、それがとてもおいしいアジだったら素晴らしいですよね。潮が速くても釣りになって、道具も丈夫なビシアジは、大好きな釣りです」
アジからキハダまでコマセ釣りを知り尽くす松本圭一さんは、根強いビシアジファンである。
この日の釣り場は走水前の水深60~80m。朝方は潮がやや速く、松本さんは素早い手返しで数を伸ばす。一方、昼前に潮が緩んでからは時間をかけて仕掛けをなじませて、ときに置き竿で釣っていく。
![釣り場は走水港の前一帯。午前、午後船で平日も多くの釣り人が訪れる定番の釣り。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/01.jpg)
釣り場は走水港の前一帯。午前、午後船で平日も多くの釣り人が訪れる定番の釣り。
![走水のアジは大きくても脂の乗りがよく、大アジ、特大アジが珍重される。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/02.jpg)
走水のアジは大きくても脂の乗りがよく、大アジ、特大アジが珍重される。
「潮が速いときはコマセがすぐ横に流されてアジも離れてしまうと想像して、手返しを早くします。逆に潮が緩いときはコマセが下へ漂い沈んでいくと想像して、じっくり待ちます」
松本さんが使うタックルは小型軽量ながら十分なパワーとスピードを持つフォースマスター600と、ベイゲームアジビシ165の組み合わせ。
「仕掛けが短いビシアジは、コマセ釣りだけでなく船釣り入門にもおすすめです。そこを出発点に近場でいろいろな釣りを楽しみたいという方にとって、フォースマスター600は最初の1台に最適といえます」
また、コマセ釣りでいえば、ウイリー五目やコマセダイへとステップアップしていくとき、ビシアジで覚えた基本が必ず役に立つという。コマセ釣りの面白さはもちろん、食も含め船釣りの扉を開けてくれるのが、ビシアジなのだ。
「コマセ釣りはイメージすることが多いのが魅力です。コマセがどう流れて、魚にどのように喰わせるか、自分の仕掛けが海中でどうなっているのか。イメージどおりにアタリが出ると、ときめきます。まあ、妄想が楽しいってことですね」
手持ちで誘って喰わせたり、置き竿で喰わせてみたり、3尾掛けを狙ってみたり。そのときめきと妄想の先に、大ダイやキハダがいるのである。
【基本のコマセと探り】
![着底したら底ダチを再確認して1m巻き上げる。 着底したら底ダチを再確認して1m巻き上げる。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/03.jpg)
着底したら底ダチを再確認して1m巻き上げる。
![2~3回コマセを振りつつ1m上げる。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/04.jpg)
![2~3回コマセを振りつつ1m上げる。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/05.jpg)
2~3回コマセを振りつつ1m上げる。
![数秒待ったら竿先を下げて。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/06.jpg)
数秒待ったら竿先を下げて。
![コマセの中に仕掛けを通すイメージで竿をゆっくりと上げて探る。※アタリがこない場合は再び着底させて①~④。2セットで仕掛けを入れ替える](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/07.jpg)
コマセの中に仕掛けを通すイメージで竿をゆっくりと上げて探る。
※アタリがこない場合は再び着底させて①~④。2セットで仕掛けを入れ替える
![コマセを振るためにドラグをきつくするビシアジでは、巻き上げ速度の調整と竿の弾力でアジの口切れを防ぐ。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/08.jpg)
コマセを振るためにドラグをきつくするビシアジでは、巻き上げ速度の調整と竿の弾力でアジの口切れを防ぐ。
![口の横、膜に掛かったアジは大きいほどその重さでバレやすい。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/09.jpg)
口の横、膜に掛かったアジは大きいほどその重さでバレやすい。
![居着きと思われる黄色味がかったアジ。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/10.jpg)
居着きと思われる黄色味がかったアジ。
![タナを細かく探る手間が省ける3本バリ仕掛けは、喰いが立つと3尾掛けも。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/11.jpg)
タナを細かく探る手間が省ける3本バリ仕掛けは、喰いが立つと3尾掛けも。
【フォースマスター600×ビシアジ】
![松本さんの中間速設定](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/12.jpg)
【松本さんの中間速設定】
ワンタッチで設定した速度へ到達、力の入れすぎによる不意の増速を防止するのが中間速設定。松本さんはビシアジでは[ファイト速]のみ12、[さそい速]はOFFで使用する。
※スピードロックもOFFで使用する。
![松本さんのタッチドライブ設定](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/13.jpg)
【松本さんのタッチドライブ設定】
アジは口が弱いため巻き上げの加速をスローに。[タッチドライブ]→[モード設定]→[S:スロー]で完了。また、タッチドライブスピードロックとフッキングモードはともにOFFにしている。
タックルの作法
ビシアジ「にも」最適な基本性能+充実の多機能電動リールのすすめ。
![ベイゲームアジビシ165](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_01.jpg)
【ベイゲームアジビシ165】
速潮下でも130号ビシをブレずにしっかり振り抜くパワーと、大アジの口切れを防ぐクッション性を両立、手首の疲労を軽減するXシートエクストリームガングリップにより「ビシアジは重く疲れる」というイメージを覆す専用竿。
![フォースマスター600](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_02.jpg)
【フォースマスター600】
ビシアジ専用であればワンサイズ大きな電動リールをすすめますが、ビシアジも楽しめて、タチウオも楽しめて、コマセダイも楽しめてと、近場のさまざまな釣りを楽しみたい方にはフォースマスター600を最適なリールとしておすすめします。私はビシアジではシンプルな設定で使いますが、これは巻き上げ力とスピード、持ちやすさ、ハンドルの巻きごこちやギア比、クラッチなど、基本性能が高いからこそ。多彩な機能はタチウオなど、船釣りの楽しみを広げる際に存分に楽しませてくれます。
![NEWフォールレバー](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_03.jpg)
【NEWフォールレバー】
仕掛けのフォールスピード調整のほか、ビシアジやコマセダイではビシを投入する際のバックラッシュ防止に非常に有効で使いやすい。
![タッチドライブスピードロック](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_04.jpg)
【タッチドライブスピードロック】
タッチドライブを押している間は巻き上げが加速し、離すと減速する機能。中間速を設定している場合はタッチドライブを押している間はMAXまで増速、離すと中間速に戻る。魚の引きや船の揺れに合わせた細かな巻き上げが可能。
![フッキングモード](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_05.jpg)
【フッキングモード】
静止または、さそい速からワンタッチで最高速まで加速させてフッキングさせる機能。跳ね上げアタリなど瞬時の巻きアワセが必要とされる場面や、竿先を上げた姿勢からワンハンドでのアワセを可能にする。
![MUTEKI MOTOR+](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_06.jpg)
【MUTEKI MOTOR+】
クイックレスポンスに優れるMUTEKI MOTOR+はタッチドライブとの組み合わせでより直感的な操作性を発揮。信頼の巻き上げ力と耐久性は速潮下で130号ビシの頻繁な手返しも快適にこなす。
![タッチドライブとSコンパクトボディ](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_07.jpg)
【タッチドライブとSコンパクトボディ】
電源コードをハンドル側に配置、全高を抑えパーミング性に優れるSコンパクトボディは、親指をずらすだけでタッチドライブの操作へ移行できる。タッチドライブの厚みや感触も細かな改良が加えられ、押した感覚が明確になっている。
![手巻きハイギア化&ドラグ力UP](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_08.jpg)
【手巻きハイギア化&ドラグ力UP】
タナ取りやコマセワーク、取り込みにおいてハンドル1回転あたり67cmのハイギア仕様はリズミカルに釣りができることに加え、巻いているときの感度も良いと松本さん。最大ドラグ力は安心の10kg。
![探見丸スクリーン](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_09.jpg)
【探見丸スクリーン】
ビシアジでは底ダチを取ったときの水深の差から潮の速さを予測、コマセをまくインターバルやタナの微調整に役立てることができる。 ※探見丸搭載船で使用可能。
![東京湾・走水沖ビジアジタックル](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/tackle_10.jpg)
食の作法
走水のアジフライ
~湾口の速潮に育まれた極上アジの逸品~
![脂の乗りと食感は格別、一度食べればまた釣りに行きたくなる。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/14.jpg)
脂の乗りと食感は格別、一度食べればまた釣りに行きたくなる。
![1, 今回はアジが大きいため三枚おろしに。薄力粉100g、卵Mサイズ2個、パン粉を準備。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/15.jpg)
1, 今回はアジが大きいため三枚おろしに。薄力粉100g、卵Mサイズ2個、パン粉を準備。
![2, 薄力粉をまんべんなくまぶし、溶いた卵につけて](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/16.jpg)
2, 薄力粉をまんべんなくまぶし、溶いた卵につけて
![3, パン粉をたっぷり付けたら](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/17.jpg)
3, パン粉をたっぷり付けたら
![4, 揚げ油を熱し、パン粉がカラッと、アジに火が通るまでおよそ3分程度揚げる。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/230511/img/18.jpg)
4, 揚げ油を熱し、パン粉がカラッと、アジに火が通るまでおよそ3分程度揚げる。
【取材協力】三浦半島走水港・関義丸
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