2024/02/07
コラム
三浦半島剣崎間口港出船のマルイカ。ゼロテンションのアタリがわかるようになる秘訣。
![「マルイカ釣りの魅力は繊細なアタリ。自分にしかわからないアタリを取って掛けるのが、何より楽しいですよ」 「マルイカ釣りの魅力は繊細なアタリ。自分にしかわからないアタリを取って掛けるのが、何より楽しいですよ」](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/mv.jpg)
ゼロテンションの作法
スッテはルアー、動いてこそ意味がある。長く止めるのが一番良くない。
超絶技巧・スナイパー釣法を確立させた鈴木孝さんはマルイカの名手でもある。その解説はときに難解ながら、抽出されるエッセンスは濃く、即効性がある。
例えばマルイカのゼロテンション釣法におけるコツ。
スッテはルアーである。ルアーは動いてこそアピールでき、止まっていると見切られる。ゆえに、ゼロテンションで止める時間は短いほうが良い。
鈴木さんのゼロテンションは想像以上に止めている時間が短く、わずか2〜3秒か、それ以下。
同じく、ルアーであるスッテを同じ場所に長時間留めても意味はなく、イカの視界から遠ざけ、再び目の前に落とすことがタタキ以上に重要な誘いであると考える鈴木さんは、巻き落としを頻繁に行う。その頻度は驚くほど多く、1〜2回タタいて止めてアワセたら巻き上げて落とす。つまり、タタキ+止めと、ほとんど変わらない回数で巻き落とす。
要するに、海中にあるスッテが止まるのは、ゼロテンションの2〜3秒だけ。そのわずかな時間でアタリを判別してアワセ、ときにタイミングをずらして多点掛けを狙う。
![オモリを着底させて仕掛けとミチイトのテンションを抜いた状態。それがいわゆる「ゼロテンション」。バイオインパクトマルイカ82SS155は60号オモリを背負った状態で穂先だけが曲がる典型的なゼロテンロッド。 オモリを着底させて仕掛けとミチイトのテンションを抜いた状態。それがいわゆる「ゼロテンション」。バイオインパクトマルイカ82SS155は60号オモリを背負った状態で穂先だけが曲がる典型的なゼロテンロッド。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/01.jpg)
オモリを着底させて仕掛けとミチイトのテンションを抜いた状態。それがいわゆる「ゼロテンション」。バイオインパクトマルイカ82SS155は60号オモリを背負った状態で穂先だけが曲がる典型的なゼロテンロッド。
![スッテは40mmサイズのクリアボディベース。 スッテは40mmサイズのクリアボディベース。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/02.jpg)
スッテは40mmサイズのクリアボディベース。
![落ち込みのサワリにアワセのタイミングを遅らせて多点掛けを狙うと…… 落ち込みのサワリにアワセのタイミングを遅らせて多点掛けを狙うと……](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/03.jpg)
落ち込みのサワリにアワセのタイミングを遅らせて多点掛けを狙うと……
![小さなスルメイカ、通称ムギイカと、やや大きめのニセイカに近いサイズも釣れた。 小さなスルメイカ、通称ムギイカと、やや大きめのニセイカに近いサイズも釣れた。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/04.jpg)
とても常人技ではないし、真似できない。しかし、鈴木さんは、確実に上達する方法があるという。
それが空アワセ。ゼロテンションで止めたら、アタリがなくてもためらわずにアワセるのだ。
「アタリが分からないのは当たり前と割り切り、まずはゼロテンションから2〜3秒のタイミングで空アワセをしてください。そこでマルイカが乗ったり、外れたりすれば『あ、今のがアタリだったのか』とわかってきます。その経験値が上がっていくと、マルイカのアタリが見えるようになるんです」
剣崎沖から城ケ島沖へ移った当日、水深60~70m台にてムギイカ交じりでマルイカを順調に掛ける鈴木さん。帰宅後には必ず風呂に入りながら今日の釣りを脳内再生し、アタリを振り返り、次の手を考えるという。
アタリは見る前にアワセ、帰宅後に風呂で振り返る。そして風呂上がりにはマルイカの漬けで一杯……。
これが鈴木孝流・マルイカの作法である。
【ゼロテン釣法の動作1セット】
![オモリを着底させ、リールをしっかりパーミングした状態で5秒間ほどタタいてスッテを動かす。 オモリを着底させ、リールをしっかりパーミングした状態で5秒間ほどタタいてスッテを動かす。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/05.jpg)
![オモリを着底させ、リールをしっかりパーミングした状態で5秒間ほどタタいてスッテを動かす。 オモリを着底させ、リールをしっかりパーミングした状態で5秒間ほどタタいてスッテを動かす。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/06.jpg)
オモリを着底させ、リールをしっかりパーミングした状態で5秒間ほどタタいてスッテを動かす。
![止めるのは2秒から長くても3秒ほど。このときの竿先の状態がカギになる。 止めるのは2秒から長くても3秒ほど。このときの竿先の状態がカギになる。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/07.jpg)
![止めるのは2秒から長くても3秒ほど。このときの竿先の状態がカギになる。 止めるのは2秒から長くても3秒ほど。このときの竿先の状態がカギになる。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/08.jpg)
止めるのは2秒から長くても3秒ほど。このときの竿先の状態がカギになる。
![短い止めと同時に重要なのがアタリがわからなくてもアワセること。経験値を蓄積するとともにスッテと仕掛けの位置を動かす。 短い止めと同時に重要なのがアタリがわからなくてもアワセること。経験値を蓄積するとともにスッテと仕掛けの位置を動かす。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/09.jpg)
短い止めと同時に重要なのがアタリがわからなくてもアワセること。経験値を蓄積するとともにスッテと仕掛けの位置を動かす。
![タタキ~空アワセ2回に一度は巻き落としを行う。巻き上げは5~10m。 タタキ~空アワセ2回に一度は巻き落としを行う。巻き上げは5~10m。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/10.jpg)
タタキ~空アワセ2回に一度は巻き落としを行う。巻き上げは5~10m。
【理想のゼロテンションとは】
![完全に負荷が抜けた状態から、ミチイトの抵抗分ほんの少し曲がっている間が理想。これ以上曲がったら空アワセでリセットする。 完全に負荷が抜けた状態から、ミチイトの抵抗分ほんの少し曲がっている間が理想。これ以上曲がったら空アワセでリセットする。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/11.jpg)
完全に負荷が抜けた状態から、ミチイトの抵抗分ほんの少し曲がっている間が理想。これ以上曲がったら空アワセでリセットする。
![これはオモリが着底しているもののテンションがかかっているため、マルイカがスッテを抱いてもすぐ離してしまう。 これはオモリが着底しているもののテンションがかかっているため、マルイカがスッテを抱いてもすぐ離してしまう。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/12.jpg)
これはオモリが着底しているもののテンションがかかっているため、マルイカがスッテを抱いてもすぐ離してしまう。
【フォースマスター200マルイカ活用術】
![①巻き落としはチョイ巻きで! ①巻き落としはチョイ巻きで!](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/13.jpg)
①巻き落としはチョイ巻きで!
瞬時にハイスピードで5~10m巻き上げて落とし直す「巻き落とし」は「PICKUP」ボタンを押すだけでいい。速度は設定で「チョイ巻き[Hi]」にセットしておく。
![②タッチドライブは中間速20 ②タッチドライブは中間速20](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/14.jpg)
②タッチドライブは中間速20
竿でアワせ、ハンドルで巻いて乗りを確信したらタッチドライブで巻き上げる。鈴木孝さんは中間速を[20]に設定、巻き上げ加速を決めるモード設定はノーマルの[N]としている。
![竿でアワせ、ハンドルで巻いて乗りを確信したらタッチドライブで巻き上げる。鈴木孝さんは中間速を[20]に設定、巻き上げ加速を決めるモード設定はノーマルの[N]としている。 竿でアワせ、ハンドルで巻いて乗りを確信したらタッチドライブで巻き上げる。鈴木孝さんは中間速を[20]に設定、巻き上げ加速を決めるモード設定はノーマルの[N]としている。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/15.jpg)
タックルの作法
手巻きでも電動でもマルイカのアタリは変わらない。
【バイオインパクトマルイカ82SS155】
超繊細にして超高感度、そして優れた強度を誇るカーボンソリッド穂先・タフテックαを搭載するハイスペックマルイカロッド。
![鈴木さんが「オモリが10号軽くなる」と表現するほど操作性を高めるフロントトリガー。 鈴木さんが「オモリが10号軽くなる」と表現するほど操作性を高めるフロントトリガー。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/16.jpg)
鈴木さんが「オモリが10号軽くなる」と表現するほど操作性を高めるフロントトリガー。
![82SS155と73 145にはタフテックα、深場ゼロテンに適応する82S160にはタフテック穂先が搭載されている。 82SS155と73 145にはタフテックα、深場ゼロテンに適応する82S160にはタフテック穂先が搭載されている。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/17.jpg)
82SS155と73 145にはタフテックα、深場ゼロテンに適応する82S160にはタフテック穂先が搭載されている。
![【フォースマスター200DH】 【フォースマスター200DH】](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/18.jpg)
【フォースマスター200DH】
リールが手巻きでも、電動でも、マルイカのアタリの出方は同じです。大切なのはそれぞれの長所を理解して使うこと。手巻きリールは操作性が良く動作がスムーズでアタリを取りやすい。一方、電動は巻き落とし、アワセ、回収、全てモーターが行うため疲れず、開始から終了まですばやい手返しが可能。1流しで何回も入れ替えられるようなときも電動が有利で、仕掛けの回収にも余裕が生まれますから、フォースマスター200は深場だけでなく仕掛けの扱いに自信のない方にもおすすめできます。
![ハンドル1回転60cmのハイギア仕様のため、アワセ時にハンドルによるアシストも楽でカンナの刺さりが良い。 ハンドル1回転60cmのハイギア仕様のため、アワセ時にハンドルによるアシストも楽でカンナの刺さりが良い。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/19.jpg)
ハンドル1回転60cmのハイギア仕様のため、アワセ時にハンドルによるアシストも楽でカンナの刺さりが良い。
![バイオインパクトマルイカのフロントトリガーとの相性も良い。 バイオインパクトマルイカのフロントトリガーとの相性も良い。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/20.jpg)
バイオインパクトマルイカのフロントトリガーとの相性も良い。
![バイオインパクトマルイカのフロントトリガーとの相性も良い。 バイオインパクトマルイカのフロントトリガーとの相性も良い。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/21.jpg)
食の作法
マルイカの漬け
~酒のつまみに。香りと辛味はお好みで~
![船では釣りに専念、帰宅後に作る絶品の漬け。ご飯もすすむが、酒もすすむ。 船では釣りに専念、帰宅後に作る絶品の漬け。ご飯もすすむが、酒もすすむ。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/22.jpg)
![1, つけダレは酒1.5、しょう油1、ミリンまたはめんつゆ少々を煮切り、冷めないうちにユズコショウを適量。 1, つけダレは酒1.5、しょう油1、ミリンまたはめんつゆ少々を煮切り、冷めないうちにユズコショウを適量。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/23.jpg)
![2, 皮付きの胴、ゲソ、エンペラを細切りに。表側から切るといい。 2, 皮付きの胴、ゲソ、エンペラを細切りに。表側から切るといい。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/24.jpg)
2, 皮付きの胴、ゲソ、エンペラを細切りに。表側から切るといい。
![3, 冷やした漬け汁にマルイカの身を漬ける。鈴木さんは2時間ほど漬け込む。 3, 冷やした漬け汁にマルイカの身を漬ける。鈴木さんは2時間ほど漬け込む。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/25.jpg)
3, 冷やした漬け汁にマルイカの身を漬ける。鈴木さんは2時間ほど漬け込む。
![4, 皿に盛り付け、辛味がほしいときにはユズコショウを付けるのがおすすめ。 4, 皿に盛り付け、辛味がほしいときにはユズコショウを付けるのがおすすめ。](/ja-JP/content/fishingstyle/article/saho/240202_v1/img/26.jpg)
【取材協力】三浦半島剣崎間口港・喜平治丸
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