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2023/02/09

コラム

製品情報

アーマブースト開発ストーリー

シマノの最新技術によるターゲットを超えたルアーの指針、ブーストコンセプトに2022年夏、新たに加わったアーマブースト。それまで飛ばないとされていたビッグベイトの常識を一投で覆す飛距離はまさに圧倒そのもの。そんな驚嘆のシステム誕生の源を開発者、インストラクターの声と共に公開する。

難しいからやらないところにこそヒントはある

机上の論理。物が形になるまですべてのアイデアは空論だ。まずはできるできないを超えて考える。開発とは、考えて、とにかくやってみること。それでも煮詰まり、実現できないときは他の開発者に意見を聞いてみる。「そういった意見とか自分の考えを整理して組み立てて少しずつそのアイデアが形になっていくっていう感覚が近いですね」。ビッグベイトを遠くに飛ばす。最初は漠然としたアイデアだった。2019年、過去に作ったサンプルの中によく飛ぶルアーがあったことを思い出す。安定した飛行姿勢を生むのはルアーが折れ曲がること。そして、ビッグベイトと相性の良いジョイント機能。圧倒的な飛距離を落とし込むための核が生まれた。

キーとなった折れ曲がる機構。アーマブーストのコアとなった。

奥田学「アーマブーストの機能を説明されて、『どうなの?』っていうのが実際のところ」。

堀田光哉「まぁ話は分かるよ。折れ曲がるのは分かるんだけど、じゃあ実際はどうなのよというところでね、投げてみるまではもうひとつ信用しきれないところ、それはもうありましたね」。

鈴木斉「最初に手にしたときに曲がり方が異常なくらい曲がるんでね、初め、大丈夫か?と思ったんですけどね」。

飛ぶビッグベイトから釣れるビッグベイトへ

当初、懐疑的だったインストラクターもプロトルアーを投げてみて意見が一変する。「スピニングのタックルで投げて違いが明らかに分かるくらいの飛距離の差。それもはもう感じるんで、ある意味凄いね、分かりやすいタイプのルアーでもありますね」(堀田さん)。いままでなかった飛距離に三者とも驚きを隠せなかった。「正直、その瞬間は心の中で『やったなぁ』っていうふうに嬉しくなりました」。投げてもらえさえすれば分かってもらえる。核は確信となる。しかし、ルアーの本質はそこだけはなかった。泳ぐこと、そして釣れること。ルアーに求められる機能は飛ぶだけではない。今回アーマブーストが採用されたバス、サーフ、シーバスの各ジャンルで、飛ぶ以外の機能が追求されていく。

「いままでビッグベイトを使ってた方が投げたら多分驚くと思いますよ」(鈴木さん)

バス、サーフ、シーバス、それぞれのこだわり

バスはクイックなドッグウォーク、インストラクターの奥田さんが着目したのはテールの形状、そしてウエイトバランスなど多くの部分におよび、細かい調整がされていった。シーバスは流しているだけで動くこと、デッドスローから高速巻きまで対応し、足元まで泳ぎ切ること。インストラクターの鈴木さんが注力したのは、ビッグシーバスが捕食する流れの中での弱ったベイトの動きと、襲いやすいような泳ぐレンジの再現。シンキングモデルのサーフモデルでは、アクションはもちろん、サーフという場所柄から、ジョイント部分に砂が入り込まないこと。そのために全国のサーフに足を運び、ミリ単位で調整を重ねた。また、シンキングならではの沈下スピードと、波とアクションとの兼ね合いはインストラクターの堀田さんの探求心と熱意により結実することになる。

プールだけではなく実際のフィールドでも確認していく。

理論が形となり、ルアーとなり、自由になる。

こうして開発者とインストラクターとの二人三脚で完成したのがアーマブーストが搭載されたアーマージョイントだ。「こっちが一個投げかけたことに対してこれもこれも、このパターンも持ってきましたっていうところが、今回このアーマージョイントを作るにあたって最終的に、本当にズシッとしたすごい芯のあるものができたんじゃないかなと思う」(奥田さん)。ビッグベイトを飛ばすという机上の理論は成熟し、形になった。そしてアーマブーストコンセプトは多くの使い手に触れられることになる。「ビッグベイトが飛ぶっていうことで、いままでとは違った使い方や想定外の結果を生み出すことにも実は密かに期待をしています。とにかく一度投げていただきたいなと思いますね」。

開発者とインストラクターとの対立はある種不可避だが、そこに快作へのヒントがある。

バス用はスローフローティングで190ミリ、シーバス用はフローティングと新たにシンキングモデルが追加され、いずれも190ミリ、サーフ用はシンキングで150ミリと、異なるラインナップであることも作り込みを感じさせる。

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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