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2024/09/19

コラム

最先端のI字系ジジルプロップ 67SS徹底解剖×奥田学

最先端のI字系ジジルプロップ 67SS徹底解剖×奥田学

デカバスハンターとして知られる奥田さん。その奥田さんの手によって、I字系ルアーの進化形として完成した、ジジルプロップ67SS。デカバス対応の究極の喰わせを可能にするルアーであり、そのコンセプトはホバスト、デッドホバと呼ばれるテクニックに通ずるものがある。開発に至った経緯を奥田さんが語る。

進化したI字系ルアーの開発

第一世代のI字系ルアーの登場から遅れて発売されたジジル。爆発的なセールスを記録し、全国各地のバスフィールドを席巻した。しかし、巷にI字系ルアーが溢れんばかりの状況になると、このルアーへのバスの反応が鈍ることに。もちろん、地域やメインベイトなどの違いによって一概にはいえないが、さらに進化したI字系の開発が望まれた。
「I字系ルアーの特徴は、フローティングで巻くことで潜って無波動でまっすぐに進む。止めると浮く。I字はラインの重さ、風の力で前に進んでしまう。自走する。だからI字なんだけど、これこそが今の魚が見切る要素のひとつ」と奥田さんは分析する。
求められる要素は、自走せずアングラーがスピードを操ることができ、レンジキープができること。これを実現させるために開発がスタートしたのだ。

トップウォーターのスイッシャーのように見えるが、I字系ルアーの進化形なのだ。

トップウォーターのスイッシャーのように見えるが、I字系ルアーの進化形なのだ。

ベースとなったジジルは、第一世代のI字系の死角になっていた要素を払拭した新たなるI字系として誕生した。

ベースとなったジジルは、第一世代のI字系の死角になっていた要素を払拭した新たなるI字系として誕生した。

ジジルプロップには自走を抑えるため、Btベイトのようにテールを付けたが、満足のいく動きが出なかった。

ジジルプロップには自走を抑えるため、Btベイトのようにテールを付けたが、満足のいく動きが出なかった。

プロップを装着することでレンジキープでき、バスが狙いを定めやすくなった。

プロップを装着することでレンジキープでき、バスが狙いを定めやすくなった。

ジジルプロップへのバスのアタック。スレたバスが追ってきたが手前で見切って反転。その後…
ジジルプロップへのバスのアタック。スレたバスが追ってきたが手前で見切って反転。その後…
反転したバスは、その後迷いながらも、最終的にはジジルプロップを口にした。

反転したバスは、その後迷いながらも、最終的にはジジルプロップを口にした。

「さんざん迷った挙句、最終的には口を使うでしょ。これがジジルプロップの実力」

「さんざん迷った挙句、最終的には口を使うでしょ。これがジジルプロップの実力」

プロップ装着後、次なる課題は「飛距離」

「プロップがもたらす水流が狙いではない。レンジキープできて、自走させないための手段。アングラーが操作しやすいようにするため」と奥田さんは言う。プロップを装着することで完成が見えてはきたものの、プロップ装着後の改善点は飛距離だった。チューニングではジジル70を使っていたが、これにプロップを装着すると空気抵抗の関係で飛距離が出なかったのだ。
レングスを長くすればいいが、それでは意味がない。1フックにすれば浮力を確保できて、飛ぶ場所にウエイトを配置することができるが、1フックでは身切れを防ぐために、デカバスに対して弱気のドラグセッティングしかできない。そこでボディ形状を見直した。太くして平面を使うことで飛ぶように。それと同時にプロップが回転することでボディがまわってしまわないようにボディフィンを取り付けた。こうして、すべての条件をクリアしてジジルプロップが完成したのである。

「飛距離はジジル70と同等、いやそれ以上に飛ぶまでになりました」

「飛距離はジジル70と同等、いやそれ以上に飛ぶまでになりました」

ジジルの流用ボディではなく、すべてを新規設計して完成に至った。

ジジルの流用ボディではなく、すべてを新規設計して完成に至った。

2フックへのこだわりは、デカバスハンターである奥田さんの矜持。

2フックへのこだわりは、デカバスハンターである奥田さんの矜持。

最終的に喰わせるデッドスロー、スロー領域で使うので、そのスピードでも回る高レスポンスなプロップを開発。

最終的に喰わせるデッドスロー、スロー領域で使うので、そのスピードでも回る高レスポンスなプロップを開発。

有効使用領域のリトリーブスピードで、ボディの回転を抑制するためのフィンをデザイン。

有効使用領域のリトリーブスピードで、ボディの回転を抑制するためのフィンをデザイン。

必須カラーと手軽に別物ルアーになるチューニング

今回の実釣では、サーチではチャート系を使っていたが、流れの中にいるフィーディングバスを狙うために選んだのは、捕食のスイッチを入れるようなフラッシングするカラー。これに変えてバイトに至った。カラーについて、奥田さんはこのように語る。
「僕が作ったBtベイトに三原色という考え方があって、膨張する色、透け感のある色、フラッシングのリアルな色の3系統をラインナップしている。ジジルプロップでも同じ考え方が有効。最低でもこの3つをローテーションしてほしい。カラーローテで喰う魚がいるから。」
また、ジジルプロップのチューニング法についても話してくれた。
「テールのフックアイは通常エイト管を使うんですが、ジジルプロップではあえてヒートンにしています。これは一度ヒートンを抜いて、後ろにペラを取り付けるチューニングにも対応するためです」

膨張、透ける、フラッシングの3系統をローテーションするのが釣果アップの秘訣。

膨張、透ける、フラッシングの3系統をローテーションするのが釣果アップの秘訣。

ヒートンなので、テールにプロップを装着するというチューンにもあり。

ヒートンなので、テールにプロップを装着するというチューンにもあり。

この2タックルあれば、すべてに対応できる!

奥田さんがジジルプロップを使うときに用いるタックルは下記の2セット。
「バンタムロッド2種を使い分けています。短い方はアキュラシー重視。広いエリアとか広くサーチしたい、ロングシューティングでバスに警戒されなように撃ちたいときは長い方を使います。これですべてのシチュエーション、ロケーション、バスのポジションに対してアプローチできる」
【アキュラシー重視のセッティング】
ロッド:バンタム264L/M
リール:ヴァンキッシュC2500SXG
ライン:ピットブルG5 0.8号+フロロカーボンリーダー 8lb.
【広範囲をサーチ、ロングシューティング用のセッティング】
ロッド:バンタム274M+
リール:ステラC3000XG
ライン:ピットブルG5 1号+フロロカーボンリーダー 10lb.


「ジジルプロップを使うときには、この2セットがあればすべての状況に対応できます」

「ジジルプロップを使うときには、この2セットがあればすべての状況に対応できます」

プロフィール

奥田 学 (おくだ まなぶ)

[インストラクター]

釣り歴は約40年。国内有数のランカーハンターとして、その名を馳せる。奇跡的な釣果とそのスタイルは、全国のバスアングラーの憧れ。 ここ数年は全国のダム湖・川・野池などへ赴き、でかバスを連発。 プロガイドではなくいち釣り人として、さまざまなメディアで活躍する生き様はまさに現代の剣豪、武芸者と呼ぶにふさわしい。

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