FOOTCON BASS|シマノ -SHIMANO-

 

伊藤巧の
FOOTCON BASS
the Steps

ボートでの危険と回避方法

休憩するときは安全なスポットにボートを寄せて流されないように注意しましょう。

フィールドを自由に動き回れるボートフィッシングですが、オカッパリにはない特有の危険もあります。今回は、よくある危険の原因を伊藤さんにピックアップしていただき、その対処法を解説しています。ボート特有の危険に十分注意して、安全に釣りを楽しんでください。

[ボート内に溜まった水]
前夜に雨が降ると船底に水が溜まっていることがあるので、出船前に必ず確認しましょう。そのままにしておくと、船が揺れたときに溜まった水が片側に寄ってしまい、その勢いでボックスやバッテリーまで滑って、ボートが急激に傾くこともあります。
雨中の釣りで溜まった水も、こまめに汲み出すようにしましょう。

[船上でのルアー交換・休憩]
ラインを結び直したり、休憩を取るときなどは、風などでボートが流されないよう気をつけてください。作業に集中してしまい、流されていることに気づかず座礁するケースもあります。
無風で周囲に危険のない場所は問題ありませんが、河川などでは岸際にボートを寄せ、安全を確かめてから、万一の衝撃に備え、しゃがんで作業しましょう。

[移動時のスピード]
移動時にエレキモーターのダイヤルをMAX(ハイバイパス)にすると、焼き付いたり故障の原因になったりしがちです。ダイヤルは7~8程度にとどめたうえ、ボックスなどに座って姿勢を低くしながら移動します。
視線はやや遠くの前方へ。障害物に気づくのが遅れてぶつかりそうなときは、エレキモーターを左右どちらかに一瞬だけ踏んで向きを変え、正面衝突を避けつつ、両手で船べりを掴んでショックに備えます。

[ほかの船による引き波]
プレジャーボートや漁船の行き交う水域では、思いのほか高低差のある引き波がやってきて、船が揺れ、転倒したりタックルを落としたりしてしまうことがあります。引き波がくると思ったら、波に対して船首を垂直に向けてください。船の横方向から波を受けてしまうと非常に危険です。リザーバーに見られるエアレーション(ばっ気装置)、あるいは水門からの大量の吐き出しなどにも、船が煽られないよう気をつけましょう。

[危険な昆虫]
ブーン……と、不吉な羽音とともにやってくる「スズメバチ」。平野でも山間部のリザーバーでも遭遇しやすい昆虫です。巣に接近しすぎると威嚇しに来る場合がありますが、無理に追い払わず、姿勢を低くしていると『追い払った』と錯覚するのか、また飛んでいってくれることが多いです。オーバーハングに潜ったときなどにアングラーが遭遇してしまうのが「毛虫」。無害なものもいますが、チャートリュース系カラーの「イラガ」の毛虫は、刺されると強い痛みがするので要注意です。刺さったトゲを流水で流し、粘着テープなどで除去するのが有効ですが、痛みが引かない場合は病院で診てもらいましょう。

移動中は姿勢を低くして、前方や周囲に注意を払います。大型の船舶などとすれ違うときは引き波にも注意してください。