2025/03/05
コラム

伊藤巧がトーナメントで勝つためにシマノのスピニングリールを選択する理由

バスフィッシングトーナメントトレイルの世界最高峰【B.A.S.S. バスマスターエリートシリーズ】において、昨年2勝目を手にした伊藤巧さん。今、彼がアメリカで勝つためにスピニングリールが必要な訳、そしてそれがシマノでなければならない理由を話してくれた。
アメリカで勝つために必要なこと
日本の釣りとアメリカの釣りは違う。繊細な日本の釣り。豪快なアメリカの釣り。対比するとそのようなところだが、現在、それは変わってきている。
2019年からアメリカのトーナメントに参戦する伊藤巧さん。伊藤さんは「今、勝つために必要なのは、シマノのスピニングリール」と言う。
日本ではトーナメントで数々の栄冠を手にしてきた伊藤さんだが、アメリカで勝つためにあるひとつの答えを導き出した。
「アメリカで勝つために、日本で釣りをするときと変わったのは、自分の長所を活かした釣りをすること」と語る。
アメリカ=パワーフィッシングと定義づけされることが多いが、伊藤さんは自分の長所である繊細な釣りに比重を置く。これを実践するためには、シマノのスピニングリールが必要というわけだ。
「リールの性能、これを武器にすることは、シマノのリールを使っているボクにしかできない。そして、これこそが勝利に直結する」(伊藤さん)
アメリカのトーナメントは広大なフィールドで開催される。しかし、そんな広大なフィールドでも、近年は日本のフィールドのようにプレッシャーがかかっている。しかもバスマスターは4日間の戦いであり、世界トップレベルの選手が同じようなスポットを叩き続ける。練習期間も含めると、そのプレッシャーは日本のトーナメントと遜色ないといってもいい。その中でもバスに口を使わせるためには、スピニングタックルが必要になる。

アメリカのフィールドにおいてのスピニングタックルの必要性を語る。

スピニングリールの性能の差が、勝利に直結すると伊藤さんは言う。
ステラのドラグはバターだ
「アメリカ人は『ステラのドラグはバターだ』とよく言うんです」と、伊藤さんは口にする。その理由はバターのように滑らかということらしい。
伊藤さんというとステラを使っているイメージがあまりなかったが、今はステラのドラグを信頼した、ライトラインでの釣りを頻繁に行っている。その理由は前述したが、勝利に直結しているから。さらに、ドラグ性能だけでなく、ステラが誇る耐久性も高く評価している。
細いラインを使って、ドラグ性能を信じてアングラーが不安なくファイトできる。長時間ボートを走らせるとき、デッキ上で衝撃を受けるタックルの心配をすることなく、アクセルを踏めるリールの耐久性。これがアメリカの釣りで伊藤さんがステラを選ぶ理由だ。
伊藤さんがスピニングリールに求めることとは…
「まず、糸が切れないこと。自分が想像するよりもロングキャストができること、などはもちろんのこと、一番はずっと使っていても壊れないことです」

伊藤さんにとって、100%信頼して使えるリール、それがステラだ。

アメリカのトーナメントでは、移動にほとんどの時間を費やすこともある。
インフィニティループによって受ける恩恵
ステラは、リトリーブの際にスプールにラインが超絶に密に巻けるインフィニティループを搭載している。インフィニティループによって、ルアーをキャストする際にラインがバタつかずに放出される。その感覚はルアーにラインが付いていないのでは?と錯覚するほど。ラインがバタつかない、つまりラインのブランクタッチを抑えて飛距離アップに貢献し、ラインの消耗を軽減することに繋がる。さらに… と伊藤さんは付け足す。
「均一にラインが巻かれるということは、ドラグの精度も上がるということ。ステラといえば唯一無二の滑らかなドラグ。これはインフィニティループによって、より性能がアップしたといえます。その感覚はデジタル的。機械で制御されているドラグのようです」
また、ドラグの耐久性はデュラクロスを搭載することで前モデルに比べると飛躍的にアップした。
「デュラクロスになって、ドラグの耐久性は前モデルに比べて10倍もアップしました。たとえば、前のステラが1年間同じドラグ性能で使えたとします。すると最新のステラでは10年間使えるということ」
リールの使い方には個人差があるが、単純に最新のステラのドラグ耐久性は、今までの10倍の時間、使用感が変わらずに使えるということである。

インフィニティループは飛距離アップ、ドラグ性能の向上に貢献する。

デュラクロスによってドラグの耐久性は前モデルと比較して10倍アップした。
ヴァンキッシュはパワー寄りの釣りで使う
日本での釣りの場合は使い方が異なるが、アメリカでの釣りで伊藤さんがステラの他に使うスピニングリールが、ヴァンキッシュである。使うモデルはステラと同じ2500SHG。自重の軽さを活かした釣りをするときに使う。
たとえば、太めのPEラインを巻いたパワーフィネスにおいて、使っているルアーが小さく軽くてもパワー寄りの釣りをするときにセレクトする。
「バンタムの2610MLや269Mなど、強いロッドに軽いヴァンキッシュを合わせて、パワーフィネスでカバーにラインを引っ掛けてルアーを中層でシェイクする。そのときにタックルが軽いと、小さな違和感を感じやすいんです」(伊藤さん)
ヴァンキッシュはステラに搭載されているインフィニティループやデュラクロスも備わっている。
パワーフィネスでは2号30ポンドといった太いPEラインを巻くこともある。ところが抵抗感が大きい太いラインで軽いルアーをキャストすると、ラインが上手く放出されない。それがインフィニティループによってストレスなく飛ぶ。
ステラとの大きな違いはMGLローターであること。軽さが特徴のMGLローターは、ハンドルの”止める、巻く”を、スムーズに移行させることができる。ハンドルを力入れずに巻けるため、違和感を感じやすいのである。ヴァンキッシュの特徴はパワーのあるスピニングリールでありあがら、繊細に扱えることなのだ。

ヴァンキッシュには、ステラに搭載されているインフィニティループも備わっている。

ヴァンキッシュをセットしたタックルで狙い通りにバスをキャッチ。

ステラ、ヴァンキッシュを選ぶ理由は「勝てるリールだから」と語る。
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