Step14で詳しく説明していますが、フットコンエレキモーターはペダルを踏むとモーターが駆動し、ペダルを離すと止まるようにするのが基本の設定。この場合、電源スイッチは「MOMENTARY ON=(ペダルを踏んでいるときだけオン)」の位置になります。
そして、フットコンエレキモーターの操作に慣れてきて、「もう少しレベルアップしたい!」という人に試してほしいのが「CONSTANT ON(=ペダルを踏まなくても常にオン)」というモードです。
「ペダルを踏んだり離したりすると、水中ではプロペラが回ったり止まったりしますよね。それって、バスにとってかなりの違和感と恐怖を与えていると思うんです。これはサイトフィッシングをしているとよくわかりますよ。日本のバスはボートに慣れているからビュッと逃げることは少ないけれど、さっきまでルアーに反応を示していた魚が、エレキモーターを踏んだ瞬間に興味をなくしてしまうことはよくあります」(伊藤)
「CONSTANT ON」のモードを使う第一のメリットは、この違和感を軽減できること。一定の速度でプロペラを回転させたままボートを動かし続けたほうが、オンオフを繰り返すよりも魚にプレッシャーを与えにくいと考えられるからです。
操作に慣れが必要なので、まずは直線的で開けたバンク(傾斜のある岸)に沿って、なるべくゆっくりしたスピードで「CONSTANT ON」の練習をしてみましょう。この場合、水面下に杭や立木などの障害物がないか必ず確認してください。エレキモーターのプロペラがボトムをこするような、極端に浅い場所も危険なので避けてください。
常に動きながらキャストしていくので、最初はスピナーベイトやバズベイトなどの根掛かりしづらいマキモノを選ぶとよいでしょう。岸や障害物に近づいたらすぐにMOMENTARY ONに切り替え、危険回避できるよう準備しておきましょう。
「平坦な区間はCONSTANT ONでザーッと流して、めぼしい地形変化が出てきたらMOMENTARY ONでじっくり探る。メリハリをつけることで、そのフィールドをより早く、より広範囲に把握できるようになるはずです」(伊藤)
「CONSTANT ON」のモード、あるいはエレキモーターを踏み続けて釣るときは、ルアーを「前方へ、前方へ」とキャストしていくことになります。この場合ラインが適度にたるむので、マキモノ系のルアーは自然なラインテンションでいい感じに泳いでくれます。
伊藤さんはレンタルボートでもバスボートでも「トロールパーフェクト」というアイテムをセットしています。これはエレキのシャフトの接合部に圧力をかけ(強さは調整可能)、ヘッドが軽い力で回転しないようにできるオプションパーツです。ペダルの踏み心地は多少重くなりますが、CONSTANT ONやハイバイパスでエレキを踏んでいるときにボートを直進させやすく、安定した走行が可能になります。