伊藤さんの朝イチの釣りを紹介した「step34」のなかに、こんな場面がありました。泳いでいるバスを目で発見、状況を読み取ると同時にヒットに結びつけた、というシーンです。
「あれは偏光グラスをかけているからこそ得られた情報ですね。魚が見えづらいマッディーウォーターでも、やっぱり偏光グラスは不可欠。水の色や濁り具合、エビや小魚などのエサの存在、そのほか水中の変化全般を意識して見ています。バスプロがよく『生命感』という言葉を使いますが、そうやって観察しながら、生き物が多いエリアなのか、そうでないのかを判断している部分もありますね」(伊藤)
水がクリアなフィールドなら裸眼と大差ないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。偏光レンズは水面の反射を軽減するため、裸眼と比べより鮮明に水中の様子が見えるようになります。
また、茂ったオーバーハング(水面に覆いかぶさっている木)の下の暗部など、外部との明暗の差が大きなスポットを観察するときにも、偏光グラスがアングラーの視認性を高めてくれます。
偏光レンズにはいくつかのカラーがありますが、「快晴時=ハイライトコンディション用」「曇りや雨のとき=ローライトコンディション用」の2色があると便利です。
「魚が見えるといっても、実はそれほどハッキリしていなくて『あれ? バスかな?』という程度だったりします。そのちょっとした違和感に気づけるかどうかがポイント。透明度がそれほど高くない場所ほど、偏光グラスがその違和感を伝えてくれます」(伊藤)
「見やすくする」という機能だけでなく、安全面でも偏光グラスは必須のアイテムです。万が一、自分や他人のルアーが顔に飛んできたときは、偏光グラスが目を保護してくれます。また、光量の強い夏場などは、偏光グラスで眩しさを低減するだけで、疲労感がかなり減ります。まだ持っていない方は、ぜひ購入をおすすめします。
魚影を発見してヒットに繋げた場面。クリアウォーターではありませんが、偏光グラスがあれば水中の「違和感」をキャッチしやすくなります。
シェードの奥を観察するときは、ブラウンやグリーン系などの明るいレンズが見やすいでしょう。
水中のベイトフィッシュや水質の変化、沈んだ障害物を発見しやすいのも偏光グラスがあればこそ。たとえ魚探がなくても、偏光グラスがあれば手に入る情報はグッと増えます。