2016/06/15
コラム
山本太郎直伝 黒鯛流儀 地域別、「NEW Seihakou SPECIAL(せいはこう スペシャル)」おすすめ穂先
地元三重県の釣り場
私自身三重県に移住してきたこともあり、普段からアクセスのよい地元三重県で釣りをすることが圧倒的に多い。三重県下の釣り場の面白いところは、北部(釣り場があるエリア)の鳥羽周辺、生浦湾(おおのうら)は総体的に早潮。的矢湾や英虞湾は中間。五ヶ所湾から尾鷲湾にかけての南部の釣り場では穏やかな潮流。またカキ・真珠・魚の養殖業が大変盛んであり、どの湾の釣り場も養殖棚・養殖小割りが数え切れないほどある。北部は10m内外の浅場が多く、五ヶ所湾以南では20mを超える深場が多い等、多種多様な釣り場が揃い、試作ロッドのあらゆるテストには最適のエリアといえる。これまでのシマノ筏竿でも開発段階からテストに至るまで大変お世話になってきたこれらの釣場であるから、これまでのデータ等を元に、各釣り場での既存調子の使い分け、さらには最新ロッド、「Seihakou SPECIAL(せいはこう スペシャル)」でのおすすめ穂先を紹介していこう。
まずは先調子の紹介から
シマノ筏シリーズにおいて、これまで最も多くのユーザーから支持を受け、また人気を博してきた調子が「先調子」だ。これは元々の開発段階から掲げてきたことでもあるが、ある程度の速さの潮流でも、そこそこの深場でも、軽仕掛け・重仕掛けでも、勝負の早いエサ・遅いエサでも、「そつなく対応してくれる調子」いわばオールラウンダー的な穂先。実際に使ってみれば分かるが、非常に扱い易く、あらゆる場面で助けられることが多い。三重県の釣り場を例に挙げると、生浦湾の一部、また同湾でのアケミ丸貝・イガイ・カキ等の留め釣りを除けば、全域で対応できる調子となる。釣法やエサにこだわらない部分も先調子の大きな特徴だ。
さて鳥羽周辺の釣り場が速潮であることは先にも述べたが、生浦湾の菅島は特に速く、中~大潮回りでは時として激しくなってしまう。浦村においても開けたポイントはそれほどではないものの、大小の島や磯が点在する水道筋のポイントでは、やはり潮回り次第で激流と化す。カキや丸貝の留め釣りでも、エサ・仕掛けを無理に留めている分ラインが受ける潮流の負荷は相当なもの。貝の釣りは勝負が遅いので、長く留めて釣るのは必至だが、激流時「死に調子」になり易く、ティップの張りに物足りなさを感じることも少なくない。貝の留め釣りでは先調子よりも攻め調子が適しているといえるだろう。
日本海の釣り場
日本海の釣り場は太平洋側とは異なり、干満の差が非常に小さい。通常は50~60cm、大きい場合でも1m以内だが、それだけに潮流も緩やかな釣り場が大半。宮津~舞鶴~福井にかけての若狭エリア、能登島を中心とした北陸エリアでも先調子はオールラウンダー。秋以降の活エビエサでは極先調子の超感度穂先もベストだ。昨シーズンのことだが、能登島と半島の水道筋に面した長浦という釣り場で、ある番組の収録をするチャンスを得た。釣り方は同地で最も有効とされているアケミ丸貝の落とし込みで、貝をパラパラと上撒きしながら、軽い仕掛けでサシエを同調させて落とし込んでいくスタイル。日本海ではあるが、水道筋ということで唯一潮流が走る釣り場だ。ロッドはIKADA LIMITED SII、穂先は先調子をチョイスしたが、潮流にも負けず着底前の宙層アタリを緻密に捉えてくれた。オモリなし、チヌ鈎5号を結んだだけのいたってシンプルな仕掛けなのだが、丸貝の重みと潮流をしっかり受け、絶妙なテンションの乗りだった。昨シーズンはまだ中切(宙切り)調子がリリースされていなかったが、次回は是非とも同地で中切(宙切り)調子を使用してみたい。
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