2015/12/22
コラム
山本太郎直伝 黒鯛流儀 タナ調整のコツ
まずどこを攻めるのか?
潮流や風、波、ウネリ、エサトリ等との関係で、実際の水深+αで調整をするのが昨今の一般的な攻め方であることは 「#20 ウキダンゴ釣りのタナ調整 『+α』と『はわせ釣り』(1)」 でも解説した。しかしながら、釣行する釣り場が、日頃からダンゴ釣りではなく、ウキフカセ釣りで攻められていることが多い場所なら、思い切って底を切る調整で狙ってみよう。
元々チヌという魚は、ベタ底を這うように回遊するのではなく、宙層を回遊している。ウキダンゴ釣りでは比重の大きい配合餌で、底へ底へとチヌを寄せていくのだが、ウキフカセ釣りでは逆に上へ上へとチヌを誘い出す。どちらかといえばチヌという魚は底よりも上へ浮きやすいと認識していた方が良い。
釣り場でウキフカセ釣りが多いなら、サシエをベタ底に這わせるより、少し底を切る方がチヌへの違和感も少ないうえ、高いアピール度も期待出来る。底切り幅は10~50㎝程度。ダンゴが割れるまでシモるウキが、水面下で視認可能な範囲で釣りをしたいところだ。
ウキの「動き」がヒントになる!
更には、多少慣れるまでは判断し辛いのだが、シモっていたウキがダンゴが割れたのち、ゆっくりと海面上に浮上してくる「動き」。ウキフカセ釣りが多い釣り場で、かつチヌの活性が高い時は、ウキの浮上時にアタることも意外に多い。
まずは異常がない場合の浮上時の動きを頭にインプットしておき、「浮上が遅い」「浮上せずに消えていく」「浮上の途中で止まる」等の違和感を感じたらドンドンアタリと認識してアワセていきたい。コーンやサナギ等、コンパクトな餌でダンゴアタリがよく出る時に効果ありだ。
サシエを動かさないことも重要なポイント
近年、短竿の筏、カセ釣りでもよく見られるパターンだが、高活性時にも関わらず、サシエをできる限り動かさずにジッと置く方がハマることも多い。ひと昔前まではチヌ釣りにおいて、「誘い (餌を動かすこと)」は強力な武器だったのだが、昨今エサトリの種類が増えたことや温暖化でチヌのリズムが変わったのか、必ずしも「誘い」を行なうことがベストではなくなった。イメージとしては、ダンゴの煙幕内にサシエがジッと留まっていて、匂いや濁りでスイッチが入ったチヌがおもむろに摂餌(せつじ)する、といった感じだ。
仕掛けを止める方法は2つ
さて、ウキダンゴ釣りではウキフカセ釣りのように誘いをかけたり、仕掛けを修正したりせず、潮流の流れに任せるのが一般的なスタイル。ダンゴが割れるとサシエ、仕掛けはおのずと潮流に押されて動いていく。筏、カセ釣りのように竿を止めれば仕掛けも止まるという訳にはいかない。そこで半強制的に仕掛けを止めるのだが、止める方法は簡単に2つ。
1つは、+αのいわゆる「はわせ幅」を大幅に取り、ラインが受ける潮流の抵抗を角度回避する方法。もう1つは、手っ取り早くオモリを打つ方法だ。
オモリを打つことに関しては、ウキへの影響を考慮して、打たない方がいいことを 「#13 ウキダンゴ釣りに使用するウキ その他の小物について」 で述べたが、状況によっては、頭を柔軟にして対応していきたい。+αのはわせ幅を取るなら実水深の1.5倍程度、オモリを打つなら使用するウキの浮力を考えながら、ジンタンやガン玉で微調整するといい。
どんな釣り、釣法でもいえることだが、「固定観念と横着は釣りの大敵!とにかく頭を柔軟に!」である。是非チャレンジしていただきたい。
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