2015/08/26
コラム
山本太郎直伝 黒鯛流儀 ウキダンゴ釣り(紀州釣り)のタックルを解説(2)!
「スパイラルX」について
さてシマノロッドにはもうひとつ強力なウェポンがある。すでにもう体感済みの方も多いと思うが、目下シマノロッドには無くてはならないものになっている「スパイラルX」である。実は、このテクノロジーは開発段階から細かな構造理論、性能理論を設計、製造者側から聞かされてきたものの、正直あまりピンとはこなかった。耳にはするが、構造がどんなものか分からない…。という方々も多いと思うので、私が知る限りを簡単に説明しておこう。
スパイラルXは縦方向のカーボン繊維に対して、内側に螺旋状に斜め繊維が、更にブランクス外側に逆方向の斜め繊維が切れ目なく、カーボンテープでX型に密に巻かれている。そして、この構造がどのような好影響をもたらしてくれるかというと、ずばりネジリ剛性アップだ。
チヌ釣りにおける「スパイラルX」の効果
ロッドのネジレはいくつもの場面で発生しているが、皆さんは釣りをしていてネジレを感じた事があるだろうか?
チヌ釣りでネジレが発生するであろう状況は、仕掛けを強く振り込んでの大遠投(ウキフカセ)、アワセ時の特に魚がハリに乗った瞬間、チヌとのやり取りで相手が強く絞め込んだ時等々。その中でも最もネジレが生じ易いのが、やり取り時の強い絞め込みで、チヌが大きくなればなる程、ネジレは強く発生してしまう。簡単にいうと、ロッドが大きく曲がると曲がりに対して戻そうとする反発力が働くが、反発力方向とは異なった方向に曲がる力がかかると竿がネジレ出す訳だ。竿がネジレた状態になると、反発する力は激減し、いわゆる「腰抜け」の状態になり、主導権は完全に相手が奪ってしまう。チヌ釣りの場合、のべ竿のように竿だけで引きをタメるわけではないので、リールもその役割は大きい。もしかすると、これまで竿がネジレ始めるまでに、先にラインを出してしまっている方も少なくないかも知れない。
だが、スパイラルXの構造はネジレに対してすばらしく良く働くので、性能をもっとフルに活用出来るようになれば、自分の釣りがかなり変わるはず。話を元に戻すが、ウキダンゴ釣りで私が04/06号の細身の号数を軸にしているのは、スパイラルXの性能を少しずつながら活用できてきたから。大遠投、深ダナ狙いでもアワセは何ら不安なし。ワンランク細身のロッドをチョイス出来るので、釣りの面白さも倍増する。皆さんも是非試していただきたい。
ウキダンゴに合ったリールとは?
スピニングの2500~C3000番が一般的だが、新しい提案としてリリースされた「BB-X RINKAI SP (リンカイ スペシャル) 1700DXG」「BB-X HYPER FORCE コンパクトモデル 1700/C2000サイズ」は軽量コンパクトで同釣法にはグッドサイズだ。1.7~2号ラインが100m程度巻ければ十分なので、ラインキャパも何ら問題ない。「レバーブレーキかドラグか?」 についてはどちらでも可。ただ、とっさの強引に的確に対応するには、やはり自分の意思でラインを出せるレバーブレーキが確実。早い段階から身体に覚えさせておけば、レバーブレーキは最強の味方になってくれる。
次回はウキ、その他の小物類の解説
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