2015/08/19
コラム
山本太郎直伝 黒鯛流儀 ウキダンゴ釣り(紀州釣り)のタックルを解説(1)!
ウキダンゴ釣り(紀州釣り)に合った竿とは?
今現在のところ、ウキダンゴ釣りの専用タックルは皆無に等しく、ウキフカセ用の黒鯛竿を代用しているのが実状。
将来、ウキダンゴ用に特化したモデルの登場も期待したいが、ウキフカセ用でも取り立てて問題を感じる事はない。
まずはロッドだが、全長5~5.3mが使い回しもよく、扱い易い。ひと昔前までは、ロッドを持って逆の手でダンゴを遠投、更に投入後、ロッドでラインやウキの処理を即座にするといった基本の動作があるため、4~4.5m程度のやや短めが人気だった。
だが昨今、黒鯛竿は目まぐるしい進化を遂げ、超軽量かつ超スリム、さらに操作性が向上し、難なく前述した動作をこなしてしまう。
アワセやチヌとのやり取りの面を考慮すると、断然長い方が有利なだけに5~5.3mは利便性が高い。
ここで号数(硬さ)について少し詳しく解説したい。
ウキダンゴ釣りは遠投、大遠投、さらには海底を狙うというスタイルであるために、どうしてもアワセの効き具合を気にする人が多い。
水深が10mを越えてしまうような釣り場なら、なおさらだろう。そこで磯竿では06~1号、黒鯛竿では1~1.5号といった、やや硬めの調子に人気が集中していた。
だが硬調竿はたとえアワセの問題がクリア出来ても、あらゆるリスクも発生してしまう。
まずは重さ。ウキダンゴ釣りはウキフカセ釣りに比べ、終始ロッドを持ち続ける訳ではないが、重いロッドはとにかくこたえる…。
たかだか20~30gの違いしかないのだが、この差は凄まじい。
細仕掛けに対応した竿を選ぶ!
もうひとつ大きな問題がある。ウキダンゴ釣りはチヌがターゲットだけに、基本は細仕掛け。
道糸2号以内、ハリスは1~1.5号までが標準になる。大遠投、深タナを狙っていたウキが気持ちよくスパッ!と消し込まれると、居合い抜きの如く大アワセを入れるのがこの釣法ならではの動きでもあり、また最大の醍醐味でもある。
だがここで硬調竿・細仕掛けゆえの難点、「アワセ切れ」が発生し易くなってしまうのだ。大型チヌが揃う釣り場や障害物が多い釣り場では硬調竿もやむを得ないが、それ以外では軽量で疲れ難く、細仕掛けをフォローしてくれ、やり取りを2倍楽しくしてくれる軟調竿が私のイチオシ!
シマノ黒鯛竿では04/06号がウキダンゴ釣りを格段に面白くしてくれる筈だ。
よくあるトラブル「空中爆発」
さてダンゴの投入についても詳しく解説しよう。
通常のウキフカセ釣りとは異なり、ウキダンゴ釣りはロッドを振り込んでダンゴを遠投するのではない。
基本の動作を説明すると、
- 利き腕でダンゴを持ち、
- 逆腕にロッド、リールのベールをオープン、中指でスプールを押さえ(ラインバラケ防止)、
- ダンゴを遠投、
- 投入と同時にロッドの弾力でウキの飛ぶ力をあおりながら、ラインメンディングをする。
たとえば風が右から吹いていれば、瞬時に竿先を右の風上に倒し、ラインのハラミ具合に注意しながら速やかにラインを送り出していく訳だ。
この時に最も多発するトラブルが、ラインがガイドに絡む事によるダンゴの空中爆発。要するに勢いよく飛び出したダンゴが、ラインのガイド絡みで急ブレーキを掛けられてしまうというものだ。
入門したての初心者は、まだ動作に馴れていない事もあり、ダンゴ投入直後のロッドワークが悪く、いとも簡単にラインが絡んでしまうはずだ。
新しいモデルではライン絡みが少ないIMガイドが搭載されており、トラブルはかなり軽減される。
ただしIMガイドであっても、真正面からの風や正面に近い強風が吹くと、ガイド絡みは多発してしまう。
オススメしたい「インナーガイドロッド」
特に初心者の場合は、どうしても避けきれないため、外ガイド竿よりも鱗海SIシリーズなどのインナーガイド竿がお薦め。
一時期のインナーガイドはラインの出が懸念されたが、現行モデルはブランクスの内側にハイパーリぺル(超撥水)塗装が施されていて、ほぼストレスは感じない。
インナーガイド竿は初心者の方は無論、上級者でも悪天候時用の予備竿として準備しておくと大変便利だ。
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