2015/08/05
コラム
山本太郎直伝 黒鯛流儀 落としこみ・前打ち釣りの便利アイテム紹介と山本太郎直伝!! 裏技紹介
落としこみ・前打ち釣りの必需品・便利グッズのおさらい
玉網(Rinyusai 小継玉の柄 600とステン磯ダモ 45cm)、鮎ベルトに餌箱(エアサーモベイト)、ペンチ(ライトプライヤーNH)、手拭きタオル等を装着。フィッシング用ベストはガン玉ケース、ハリス、ハリ類を各ポケットに収納出来るので大変便利。その他ウエストタイプの自動膨張式救命具は必需品。木製逆さ桶も餌の鮮度が保て、あれば便利。
山本太郎お薦めタックル
[ロッド]
・Rinyusai 落としこみスペシャルMF 39/45
・Rinyusai 前打ちスペシャルHHF 53
[リール]
・Rinyusai 88 SPECIAL
・Rinyusai Esplaty 67 SPECIAL
[仕掛け]
・ナイロンライン 蛍光色グリーン 2号~2.5号
・フロロカーボンハリス 1.2~2号を矢引程度
・チヌバリ2~4号
・ガン玉各種ガン玉はハリスに打たず、ハリ軸か耳に直接打つ。
落としこみ・前打ち釣りの裏技紹介コーナー
前回の記事でも述べたように、落としこみ・前打ち釣りは「足で釣れ!」の格言があるように、とにかく広く探り歩くのが最強のテクニック!
特に最盛期に突入したこれからの時季は、これに勝るものはない。
だが、状況あるいは時間帯によっても、これだけではどうしようもない場合も多々ある。
そんな時私がその困難を乗り越えてきた対策・裏技等をせっかく愛読いただく方々に少し紹介しよう。
チヌにもテリトリー意識!?
まずは両釣法に対する考え方、捉え方だ。通常魚釣りとは魚の食欲に訴え、ハリの付いた餌を喰わせて釣り上げる、という至って単純な行為で成り立っている。
あらゆる釣りのジャンルの中で、強いて挙げるなら、鮎釣りは唯一、直接的な食欲!というのでなく、鮎が持ち易いテリトリー意識を活用して掛ける釣り。
餌を喰わせて釣り上げるものではない。長年チヌ釣りをしていて、特に落としこみ、前打ち釣りだけは食性と共に、強いテリトリー意識を感じる場面が多い。
無論テリトリーといっても、鮎が持つテリトリーとは少々違うが、明らかに食性ではなく、「テリトリー意識からの餌への攻撃か!?」と思ってしまう行動を見せる。
たとえば魚影が肉眼で確認出来るような澄み潮時であったり、水深が極めて浅いポイントでよく観察してみると分かる。
基本的にチヌが食欲に関わる摂餌(せつじ)行動を取る場合、その動きはキビキビとしていて、どちらかというと、脇目もふらずに着生物をついばみ続ける。
ところが摂餌のスイッチが切れていると思われるチヌは、前者とは明らかに動きが違い、何かに執着するかのようにその場をほとんど離れない。
そして時折ピンポイントで他のチヌが寄ってこようものなら、猛然と追い払おうと執拗に攻撃するのだ。
この行為はやはり「自分の餌場を守る!」といったテリトリー意識から、と思えてしまう。
さて、ここまでは鮎と同等のテリトリー意識、と考えられるが、「果たしてそれは仲間に対してだけか?」その真意は定かではないのだが、そんな状況下でチヌの鼻先にサシエを落としてみた。
すると、何度かはサシエを無視していたのに、突如猛然とサシエの目の前まで来たり、ほんの一瞬くわえたりする事もあった。
時にはサシエ自体にまるで体当たりするような行動も見せることもあったり・・・これらの行動はおおいに喰い渋り対策のヒントになったが、そのイメージは私の頭からずっと離れず、以後厳しい状況下で幾度も助けられた。
「チヌが肉眼で確認出来るのにアタって来ない…」「高実績ポイントにも関わらずアタリがない…。」
こんな時は数投で簡単に諦めず、何投も仕掛けを入れる角度、沈下速度、誘いのインターバルを変え、チヌをジラすようにしつこく攻めてみてほしい。
サシエについてはそのままでもよいのだが、イガイよりは動くカニ!また、少しでも攻撃時にチヌが長くくわえてくれる噛み砕き辛い餌(厚みがあり大きいもの)が有効と考えてほしい。
「訊き(きき)」という動作
他のチヌ釣法、別の魚種釣法ではあまり使わない手法なのだが、こと落としこみ・前打ち釣りの場面で多用するのが「訊き(= ラインを少し張って様子を見る)」という動作だ。
私自身、両釣法の経験を重ねるにつれ、この訊きの動作が圧倒的に増え、腕を上げた!といっても過言ではないだろう。
訊きの動作を行なう状況として、
・堤壁スレスレに仕掛けを落とした後、途中で仕掛けが沈まなくなった場合、「着生層に引っ掛かったのか?」「魚が餌をくわえたアタリなのか?」の判断を訊きで確認する。
・仕掛けの着底後、サシエを浮かさずラインスラックだけを取る。違和感を感じる疑わしきライン、目印の動きを訊きで確認する。
等が挙げられる。
もしそれらの動きが魚信なら、訊きの動作からそのままアワセへと移行させないといけない。
それだけに訊きの動作は両釣法の要!といっていいだろう。
実際には思った以上に大きく動かしてしまいがちだが、気持ちとしては5cm~10cmといった緻密な動作が望まれ、より正解かつ確実な訊きは多いに役立ってくれる筈。是非訊きは多用していきたい。
「下までついてこい釣法」
皆さんも経験はないだろうか?
「チヌは居るのだが、潮が澄み気味だったり、波気のない凪であったりで、我々釣り人側の気配を気にしているのか、餌よりも警戒心が勝ってしまっている…。
まさにチヌはそんな感じで、落としたサシエに並走するかのようについて沈んでいく。」
あまり良くない条件&状況としてよくあるパターン。そんな時、堤壁を狙う落としこみ釣りにおいて効果が高いと思われる釣法。
上記の状況下のチヌは肉眼で見える上層では摂餌せず、見えなくなる下層で摂餌する場合が非常に多い。
しかも沈み切った仕掛けがピンと張り、サシエが止まった直後や着底した直後。要は沈んでいたサシエの動きが止まるリアクションで摂餌するのだ。
同釣法を30年以上経験してきて、最も多く体験し、また確信しているチヌの行動といっていい。
先にも述べた悪条件下なら、上層で喰わせる考えはキッパリ捨て、徹底して下層で喰わせることに頭を切り替えた方がいい。
下層で勝負をかけるなら、沈下速度は速い方が打ち返しの効率は断然いい。
「下までついてこい釣法」で、着底の直前と直後を丁寧に丁寧に!先に解説した「訊き」の動作も忘れずに多用してほしい。
次回はウキダンゴ釣りを紹介。
関連記事
RELATED COLUMN