2020/04/10
コラム
グレを求め急流の白波に熱視線!只松雄司とダイブマスターに死角なし!未知の磯で磯釣りの醍醐味を堪能
長崎県新上五島市相ノ島「平瀬」に渡ったシマノフィールドテスター只松雄司さんは下げ潮では思ったほど潮が動かなかったにもかかわらず状況に応じた仕掛けの変更でグレをものにしていった。そして午後から本流が走り出す。大きく曲がったダイブマスターとともに急流の白波に熱視線が注がれる。
いざ本流へ
上げ潮になると東から西へ潮が流れ始めた。釣り座を移動し午後1時30分を過ぎ、目の前でいくつもの湧昇流が拡大していく。
いよいよ、本流釣りの開始だ。仕掛けを沖に遠投して流すとアタってきたのは30cmの尾長だった。
「いよいよ魚が変わった!」
数日前50cmの尾長が出ているという平瀬。NEWファイアブラッド グレ ダイブマスターの真価を発揮する千載一遇のチャンス到来。
ハリスにガン玉G5+G5+G6の3段打ちで速い潮に入れていく。マキエを打って仕掛けを投入すると瞬く間に100m流された。
潮が蛇行しながら全てを飲み込んでいくダイナミズムに見とれるとその下に潜む遊泳力の優れた魚たちの気配。本流をかき分けるハイスピードグレに的を絞る。
本命潮に集中
只松さんはここであることに気づいた。
「ここは水深が浅いから、あまり深く入れてもタナが合わないだろう。沖には岩礁や沈み瀬がない砂地だったはず。せいぜい流しても水鳥のいる場所くらいまでだ」、と。
マキエも仕掛けもどこに投げても同じ地点を通り過ぎる。つまり潮が集まるポイントがあるのだ。
リールのスプールを指で押さえラインつつ放出させていく只松さんが、
「そろそろ喰ってくる」
と言った瞬間ラインが加速。仕掛けが速い潮に入ったのが分かったという。ベイルを倒し竿を立てる。エサをくわえて反転、岩に逃げ込む遊泳力に潮の速さが加わった尾長のパワーは強烈。
「うおーよく引くなぁ。でも4番あたりまで曲げる意識でしっかりと曲げ込めば力負けはしないよ」
肩のうえで5番から曲がって粘るパラボラチューンR+は尾長の疾走を喰い止め浮かせにかかる。曲線の持つ力の吸収力とスパイラルXコアの持つ反発力が本流から尾長を引きずり出してくる。
怒涛のアタリラッシュにファイアブラッド タマノエ
うっすらと見えてきた尾長は唇の皮一枚にハリが刺さっているだけ。タモを構え、一発で確保。
スムーズな振り出しが持ち味のアンチロックジョイントのファイアブラッド タマノエは軽量で張りがある。
「もたもたしていたらヤバかったな」と肩をなでおろしたが、ここから怒涛のアタリラッシュが容赦なく始まる。
刻一刻と変わる潮の強弱にも只松流の対処法があった。ラインがスプールに引っ掛かってしまうことがある。このときラインが張り過ぎてしまい仕掛けが浮き上がる。こんなときは竿を大きく振って思い切りラインを出してやれば、仕掛けは再び潮の中へ入っていくのだという。潮流は急流になったり瞬間的に緩んだりしながら全体的なスピードは加速。遠投して流すよりも手前から流していく方が喰わせの間を作りやすいようだ。
要領を掴んでしまえば面白いように良型クラスが次々とアタってくる。前半戦の苦労が嘘のようだ。
「もう腕が上がらなくなったよ」と嬉しい悲鳴をあげる只松さん。
本流を生きる口太の尾
それにしてもこんなに速い潮にも関わらず掛かってくる魚の半数は口太だ。その尾ヒレは大きく本流を掻く野生味溢れる見映えだ。尾長かと思うほど、いやそれ以上にパワフルな口太とのファイトも堪能できた。磯釣りの面白さはそんな意外な発見にこそあるのかもしれない。
未知の磯に立つと、細かなライン操作が必要とされるテクニカルな釣りやダイナミックな本流釣りに挑まなくてはならない。ダイブマスターは、この一本で磯釣りの醍醐味を思い切り堪能できる。
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