2020/05/14
コラム
リミットは午前まで!雨風吹き荒れる中、イシダイリミテッド 500 手持を橋本陽一郎が匠に操る!!
1日目は調子に恵まれない橋本陽一郎さん。2日目の午前中が勝機だと見極め、新製品イシダイリミテッド 500 手持と共に強雨と大雨の五島列島・福江島攻略へと挑んでいく…。
マキエとツケエの戦略
木槌で細かく砕いたカラス貝をスコップで撒き込むと、手前側の潮は右流れとなっている。右手後方のワンドから引かれていく潮と、左手から入ってくる流がぶつかる地点では湧き上がる潮が生じているが、狙うべきは潜り潮。沖へ向かってなだらかに続く斜面に仕掛けをハワせるようにして釣る。
第1投目のツケエは、この時期には貴重なトッポガニ(イボイワオウギガニ)で、カウンター16.8に仕掛けを落ち着かせると、すぐに穂先を叩くようなエサ盗りの反応が出た。ところがその後は小さなアタリすらなくなり、サザエにアラカブが喰ってきた以降は、沈黙の時間帯が続く。
午前10時の満潮を過ぎると少し水温が下がったようで、ついに全く魚の気配を感じられない状態となってしまった。
「潮の流れが前回とは違いますね。そのせいで今日はよく根掛かりします」
結局この日は一度のチャンスもなく、橋本さんのチャレンジは翌日へと持ち越しとなった。
圧巻の連発 大雨・強風の2日目
2日目は上空を低気圧が覆い、朝から強風を伴う大雨となった。渡船・せいわが渡してくれた釣り場は、橋本さんが得意とする足元狙いの南方宙釣りを展開できる福江島の穴くぐり(糸串鼻)。
「ここは下げ潮が入ると激流になるので勝負は午前中です」
上礁してすぐに10分間ほどカラス貝のマキエを散らすように打ち、第1投目のツケエはトッポガニを選択。潮は左前方から当てきて右へと跳ねる流れで、まずはカウンター11の地点に仕掛けを落ち着かせる。
最初のアタリが出たのは、竿を構えてから29分後のことで、スーッと入った穂先を引きよせるように優しいアワセが入った。難なく浮かせたイシダイは50cmオーバーで、ここから連発劇がスタートする。
次の1枚はカウンター12の置き竿から喰い込ませ、3枚目、4枚目はいったんカウンター17に入れた仕掛けを14のカケアガリまで引き戻すことで仕留めた。
アタってきたイシダイを百発百中で掛ける橋本さんの武器は研ぎ澄まされた手の感覚で、イシダイの口の中でハリスワイヤーを滑らせ、首振り結びにしたハリのハリ先をこちらに向けてから確実にジゴクを捉える。
ハリスワイヤーを滑らせるフッキングは置き竿でも同様に成立するとのことで、イシダイリミテッド 500 手持はその名の通り、手持ち竿による南方宙釣りに最適なロッドだが、実は置き竿での釣りも得意なのだという。
「胴調子の軟らかい竿は喰い込みが良さそうに見えて、最終的にはエサを離してしまいます。その点、イシダイリミテッド 500 手持なら置き竿にしていても竿の反発力でフッキングする。口の中でハリスワイヤーが滑り、ハリ先がジゴクに行くというわけです」
低水温期の時合は短く、上げ潮が勢いを増すと同時にアタリは遠のいたが、ついばむようなアタリを見せるものの、なかなか喰い込まなかったイシダイを1時間ほどかけてキャッチすることに成功。ついに釣果を5枚まで伸ばす。
時計の針が示していたのは午前11時56分で、そろそろ下げ潮が勢いを強めて釣りにならなくなるタイミングを迎えていた。
「今日はとんでもない強風でしたが、この竿だったから結果を出せました。張りのない竿では釣りにすらならなかったでしょう」
シャキっとした張りにより強い風の中でも高い操作性を発揮し、余裕のパワーで次々と宙に舞わせたイシダイリミテッド500手持。このロッドを手にしたイシダイ釣り師の技は、さらなる高みへと到達する。
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