2021/01/23
コラム
本格シーズン前のグレを快釣 大分県佐伯市深島「ツバクロ」【前編】
照り付ける太陽と、イスズミだらけの海。まだ水温が下がらない時期のグレ釣りは、釣り師の集中力が問われるタフなゲームだ。
INDEX
貸し切りの深島
ニューロッドのポテンシャルを示す場として田中修司さんが選んだのは大分県佐伯市の深島。蒲江港からの出船は午前5時だったが、連日の暑さのためかほかに釣り人の姿はなく、良型の尾長や口太が期待できる名礁・ツバクロへと上礁することができた。
朝まづめのチャンスを逃すまいとすぐに行動を開始。あらかじめ準備していたマキエを本命の釣り座から足元に打つと、すぐにスズメダイが群れをなす。その下には明らかに50cmを超えた緑がかった灰色の魚影も確認できたが、それが尾長なのかイスズミなのかは判別できなかった。瀬際にはニザダイとブダイも姿を現し、さながら水族館の様相だ。
ロッドケースから取り出したのは、白でコーディネイトされたBB-Xスペシャル タマノエとBB-XスペシャルSZIII1号。リールに巻かれた道糸は2号で、ハリスも2号、ハリは尾長バリの6号を選択する。
左沖へと流れる上げ潮に乗せて0号ウキの半遊動仕掛けで探っていくと、オキアミ生のツケエは残ったきたが、加工オキアミに替えると最初のアタリ。難なく取り込んだのは40cm近いイサキで「ツケエの沈下スピードを速くするために加工オキアミを使いました。うれしいお土産ができましたね」と笑顔を見せた。
納得のズームロッド
アタリもなく静寂に包まれていた磯の空気を、突然始まったファイトシーンが一変させた。一気に左手の沈み瀬へと走ろうとする獲物に対し、思いっきりロッドでタメて逃走を阻止した田中さん。しかし底知れないパワーを発揮する相手は、何度もグイグイとロッドをシメ込んでくる。
弱気になったら即敗北。左には三つ連なる大きな沈み瀬、右には足元にサンゴ礁があるこの釣り場で、一瞬でも主導権を渡すと瀬ズレでバラしてしまうことは明らかだった。
手に汗を握る攻防は、終始強気のやり取りを展開した田中さんに軍配が上がった。大きな魚影が確認できたところでロッドをズームアップ。ところが、獲物をタモへと導いたところで田中さんが苦笑いを浮かべた。キャッチした獲物は50cmを優に超えるイスズミだったからだ。
「ズームインのままやり取りをして、取り込みの前にズームアップしました。シリコンを採用したシルキーズームは操作がスムーズで、使い勝手が良いですね。以前のズームロッドは伸ばした時に持ち重りのような違和感を覚えたものですが、このロッドは全くそれを感じさせません。軽快な5.0mで手返しの良い釣りを展開し、状況に応じてズームアップ。このズームは納得の仕上がりです。使っているのは1号ですが、コアブランクスは半端なく強いことがお見せできたと思います。次は尾長を掛けたいですね」。50cmの口太を凌駕するファイトを制したことで、手にしたロッド・BB-XスペシャルSZIIIのポテンシャルの高さが際立った。
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