2021/01/22
コラム
本格シーズン前のグレを快釣 大分県佐伯市深島「ツバクロ」【後編】
照り付ける太陽と、イスズミだらけの海。まだ水温が下がらない時期のグレ釣りは、釣り師の集中力が問われるタフなゲームだ。
●前回記事はこちら
本格シーズン前のグレを快釣 大分県佐伯市深島「ツバクロ」【前編】
INDEX
ズームアップで口太攻略
満潮を迎えた午前8時。相変わらずエサトリの大群と、大型のイスズミがマキエに反応している。それなのにマキエを先打ちし、その先に投じた仕掛けを引き戻すパターンではツケエが一向に取られない。
何とか活路を見出そうとする田中さんはウキを000のCORE ZERO-PIT DVC TYPE-Dにチェンジし、浮力を最大限までマイナスにして仕掛けを入れ込んでいったが、底潮がほとんど動いていないようだ。
いつ訪れるか分からないチャンスを逃すまいと、高い集中力を維持する田中さん。状況が一変したのは正午前で、潮位が下がって足場が高くなるのと同時に強い東風が吹き始めた。こんなときはロッドをズームアップすることで穂先を海面に近づければ、ラインメンディングを容易に行える。
「漁師は、こち(東風)が吹くとシケると言います。さっきまでは汗が噴き出すほど暑かったけど、少し涼しくなってきましたよね」。
ここが勝負どころと考えた田中さんは狙いを口太に絞ってハリスを1.7号、ハリをグレバリ6号に変更。0号のウキに対してG5のガン玉を打った。マキエワークはイスズミをかわすためのマキエを固めて先に打ち、本命用のマキエは散らして打つというパターンで、潮の流れを利用してツケエをイスズミの下に差し込んでいく作戦を展開する。
この方法が正解で、納竿までに40cm級までの口太を4尾キャッチ。結果的に口太に有効だったツケエはオキアミ生だった。
「風と潮が逆になるとアタリがボヤけてしまいますが、ウキを見てアタリを取りました。潮が良くなると2ヒロぐらいのタナで喰ってきますね」。
本格的なグレ釣りシーズンを前にベールを脱いだBB-X スペシャル SZIII。持ち重りがなく、強いズームロッドという新たな武器を手にした田中さんの表情は自信に満ちていた。
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