2020/11/20

コラム

逃さなかったワンチャンス 大分県佐伯市米水津「横島3番」【前編】

徳島県在住の森井陽さんがやって来たのは、大分県佐伯市米水津の名礁・横島3番。東九州エリアに足を運ぶことが少ない森井さんにとって初挑戦の釣り場となる。米水津一帯は前日まで、南から強いウネリが入っていたが、北西からの強風がそれを抑えてくれた。鶴見半島から吹き降ろす冷たい空気は秋本番へと一気に季節を進め、グレ釣り師の気持ちを昂らせる。

目標は「横島サイズ」超え

「まだ9月なのに北西風が吹いて、まるで冬の磯みたいな雰囲気ですね。釣れそうな気配がプンプンしますよ」というのが森井さんの横島3番に対する第一印象。本日の目標はNEWライアームの美しい曲がりを見せてくれる魚を掛けることで、そのためには、通称「横島サイズ」と呼ばれる30cm級の口太を上回る釣果が欲しい。手にしたロッドは軽快なフィーリングを愉しめるNEWライアーム1号‐500だった。

まずはBのウキをチョイスして半遊動仕掛けを組む。ハリスは1.5号を5m、ハリはグレバリ7号でスタート。浮力調整用のガン玉はストッパーの直下に打った。

使用したロッドはライアーム1号-500。BB-X 2500DXG S LEFTにはファイアブラッド ストレッチ(サスペンド)1.5号を巻いてきた。

「新しいライアームは、必要な技術は採用し、余計なものを省いたハイエンド・ミドルクラスといえるロッドです。車で例えるとライアームは装備をそぎ落としたレーシングカー。ハイエンドモデルのロッドは性能も装備も最上を追求したスポーツカーでしょうか。ライアームは軽くてブレないロッドで、4、5番の曲がり込みを良くした粘るブランクスがロッド全体で魚の引きを吸収してくれます」。

ライアームはシマノ独自の塗装技術によりブランクス自体の軽量化に成功。1.5号530mで177gというシマノ磯ロッド最軽量を実現した。

3Dテクノロジーにより設計された一体構造で、磯ロッドのガイドに求められる形状、軽さ、強さを実現した軽量Xガイド搭載(#1~#2)。

手のひらにフィットする形状と軽量高強度素材CI4+を採用することで優れたグリップ力と操作性を発揮するパームフィットシートCI4+のリールシート。

濡れた手でも滑りにくく、質感にも優れたマットラバーコーティング滑り止め(リールシート、バットエンド)を採用。ひじとの密着性も高まるため、魚を掛けてからも安定感のあるやり取りができる。

名手の戸惑い

北西風を背中に受ける場所に釣り座を構え、足元にマキエを打つと、イスズミが乱舞して魚の活性は高そうに見える。ところがいざ仕掛けを投入すると、下げ潮はスーッと沖へと抜けてしまい、ツケエがそのままの形で残ってきた。最初に掛けた魚はハリ外れしたが、引きの感じからおそらくイスズミ。2度めのアタリは25cmほどの尾長だった。

沖へ出る下げ潮を狙って遠投気味に探ってみる。軽快な操作性を発揮するライアーム1号-500なら狙ったポイントを外さない。

自重はわずか165g。まるで自分の手の延長のように、軽快に操作できるライアーム1号-500。

最初に竿を曲げたのは、おそらくイスズミ。足元の瀬際付近にはイスズミの群れが幅を利かせていた。

下げ潮に乗せて仕掛けを流していった先で待ち受けていたのは小型の尾長。良型の口太を狙う上では厄介な存在だ。

その後は7、8杯の先打ちマキエを入れて、後打ちのマキエもしっかりと被せているにもかかわらず、Bのウキを使った半遊動仕掛けで狙っても、00のウキに変更して半遊動沈め釣りで入れ込んでみてもクロの反応を得られない。ウキの浮力を3B、01と目まぐるしく変えていくが、攻略の糸口が見つからないまま時間だけが経過していく。

ウキを浮かべた釣りに固執することなく、すぐに半遊動沈め釣りへ移行。いち早くヒットパターンを見つけ出し、サイズアップを図りたい。

シマノ/ファイアブラッド ストレッチ(サスペンド)は、魚の引きを伸びてかわす道糸。カラーは視認性に優れる蛍光グリーンの単色で、比重1.14のナイロンモノフィラメントライン。

「磯の左右を通り抜けていく潮がぶつかり合うことで湧昇流となっているようで、この釣り座からだとどこを狙っても仕掛けが潮を噛まないですね。事前に数釣りができる釣り場だと聞いていたのですが、遠投して沖を探ってもツケエが残ります」。
森井さんのホームグラウンドである四国南西部では、可能な限り遠投することで良型のグレに近づけるが、横島3番のグレにはそのパターンは通じないのか。森井さんの試行錯誤は続く。

下げ潮の時間帯は湧昇流が発生。上げ潮の時間帯は本流に引かれる潮が不安定で、狙いどころを絞りづらかった。

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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