2020/11/27

コラム

逃さなかったワンチャンス 大分県佐伯市米水津「横島3番」【後編】

徳島県在住の森井陽さんがやって来たのは、大分県佐伯市米水津の名礁・横島3番。東九州エリアに足を運ぶことが少ない森井さんにとって初挑戦の釣り場となる。米水津一帯は前日まで、南から強いウネリが入っていたが、北西からの強風がそれを抑えてくれた。鶴見半島から吹き降ろす冷たい空気は秋本番へと一気に季節を進め、グレ釣り師の気持ちを昂らせる。

●前回記事はこちら
逃さなかったワンチャンス 大分県佐伯市米水津「横島3番」【前編】

見えてきたヒットパターン

この日は午前8時が干潮で、潮止まりが近づいたタイミングで釣り座を変更。横風を受ける西向きの角に立った。潮が緩んだことで釣りやすくなってはいたが、かなり沖まで流して喰ってきたのは25cmの尾長で、このパターンが正解ではなさそうだ。そのため、上げ潮に変わったところで元の釣り座に再び移動すると、やや当て気味に左から入ってくる流れが足元のサラシにぶつかり、そこから緩やかに右の本流へと引かれていく。

沖で掛けた獲物を一気に寄せてくる。トーナメントを思わせるスピーディな釣りはライアーム1号-500の得意とするとこと。

通称「横島サイズ」のグレ。ハイシーズンの横島3番ではこのサイズが頻繁に竿を曲げてくれる。

ウキ止めを付けた仕掛けを基本にしている森井さんは、浮力の大きいウキを浮かべて釣るか、マイナス浮力のウキで沈めていくかを状況に応じて使い分けるが、この複雑な潮の流れに対して「サラシが厄介ですが、ウキを浮かべて手前側を狙ってみます」と、3Bのウキを選択。この釣り方で小型の口太が連発するようになったが、ライアーム1号‐500の実力を引き出すには及ばない。

左から当ててくる潮が生じさせるサラシが足元狙いの難易度を高めていた。

真横に流れる潮は沈め釣りでは攻略が難しいが、ウキを浮かせた半遊動仕掛けならウキの動きを見て確実に掛けることができる。

右流れの引かれ潮を狙って足元付近を攻めると横島サイズが連発。上げ潮攻略のパターンが見えてきた。

ついに出た良型

待望の魚信をキャッチしたのは、潮の流れる角度がわずかに沖向きへと変わった一瞬のタイミングだった。ウキが入ったのを見届けた森井さんのアワセが決まると、伝わってきたのは本日最大の重量感。危なげないやり取りでタモに収まったのは白っぽい色をした口太で、この時期には納得の35cmだった。

ついにヒットした重量感のある獲物。もっと曲げてみろとばかりに、思い切り竿でタメる。

潮の流れる角度が変わり、わずかに沖へ向いた一瞬のチャンス。狙いどころを足元に定めていた森井さんが、3Bのウキを使った半遊動仕掛けで35cmの口太を仕留めた。

「魚に食欲が出る潮、釣りやすい潮というのがありますよね。真横の流れでアタるグレは小型が多いのですが、フラフラと沖へ向かう潮が生じれば良い型のグレを期待できそうです。今のように潮が素直に動けば間違いなくエサを喰います」
その言葉通り、沖へ向かう潮に00のウキを沈めていくパターンで35cmの口太を追加。見事に「横島サイズ超え」の目標を達成した。

納竿間際に仕留めた37cmの口太。このころには沖に向かって緩やかに引かれる潮が釣り座の前にあり、00のウキを使った半遊動沈め釣りが有効だった。

ランディングツールはアンチロックジョイントを採用するファイアブラッド タマノエ550。

「ライアーム1‐500は操作性が良いロッドで、基本調子から先調子寄り。スピードのある釣りを展開できるので、競技でも活躍してくれるでしょう」と森井さんが言うように「ベーシックモデル」と呼ぶのをためらってしまうほどの高性能を秘めたNEWライアーム。このロッドを手にすれば、きっと誰しもが名礁にチャレンジしたくなる。

ライアームは軽さと粘りのブランクスに、ハイパフォーマンスな磯ロッドに必要な機能をを凝縮したベーシックモデル。パラボラチューンRの搭載により、よどみのない曲がりを獲得した胴調子で、穂先部はXガイドの搭載で振り抜け感が向上している。

利用した渡船は小浦港の千代丸(山田重一船長)。問い合わせ:TEL 090-1922-7774。

米水津の当番瀬・横島3番。クロ釣りシーズンの最盛期には圧倒的な釣果を期待でき、なかなか予約を取れない人気磯。

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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