2021/12/25
コラム
夢のヒラマサを求めてビッグゲームに挑む 長崎県対馬市内院「小母崎」「三角」
秋も深まり磯釣りシーズンが本格化する。上物はクロ、底物はイシダイだが、忘れてならないのは青物だ。
冬に備えた魚たちの荒喰いは自然の摂理。小魚を追い回し海面で飛沫が舞うナブラがあちこちで見られる。
シマノフィールドテスターの只松雄司さんは博多港からフェリーで対馬厳原港へ向かった。喰う喰われるの弱肉強食の世界に心躍らせながら最強タックルで挑む。もうビッグチャンスは目の前にある。
ヒラマサの魅力
ヒラマサは時速45キロの遊泳力を誇り磯のスプリンターと呼ばれる。しっかりと口にハリ掛りさせたとしてもやり取りや取り込みは一筋縄ではいかない。根に突っ込み激しく抵抗するためパワーとテクニックの勝負となる。魚の大きさによっては一人でタモ入れすることは容易ではなく仲間の助けが必要になることもある。
秋は50〜80cmクラスが狙え、春は10kgオーバーの一発に備えてそれなりのタックルを選択する。
ヒラマサ釣りは夢のあるゲームで年中ヒラマサだけを求めて遠征する釣り人もいるほど。いったんこの釣りの魅力にハマったら頭の中はヒラマサのことでいっぱいになる。それだけこのターゲットは釣り人を熱くさせる。
遠投カゴ釣りのタックル
磯でのプラッキングやフカセ釣りもあるが、只松さんは遠投カゴ釣りを選択した。カゴ釣りはカゴからこぼれたオキアミボイルが潮に乗って流れていくので、離れた場所の魚も呼び寄せる。そのため群れに当たれば大釣りも可能となる。
ロッドはブルズアイ 遠投4-520PにリールはステラSW14000XGをセット。
対馬内院の磯でいうなら潮通しの良い星岩での釣りをイメージしたタックルだ。
離島遠征にはオーバースペック気味くらいで十分。不意の大物が掛かっても確実に獲れる布陣で挑むべし。磯のナビゲートは総合釣りセンター梅乃家にお世話になった。
大潮の日を選んだのは潮がしっかり流れてくれ青物の回遊のチャンスがあるだろうという思惑からだ。
理にかなっているカゴ釣り
まずは小母崎という瀬に上がった。足場は高く取り込みの際には6m以上のタマノエが欲しい場所だ。その点、只松さんは、抜かりなくBB-X スペシャル タマノエ650を準備していた。
ヒラマサ狙いの場合は上カゴ仕掛けを使うのが一般的だ。活性の高いヒラマサの遊泳層は水面下2ヒロ以内を想定し浅ダナを狙う。
道糸とハリスの間にカゴを取り付ける。カゴの下部がウキになっているので、仕掛けを投入するとカゴが反転して詰めたエサが海に放出される。そこでツケエとマキエがうまく同調する仕組みになっている。
しかも、使うエサはオキアミのボイルなので潮に乗っていきやすく、マキエの効果は流れた先に広く拡散される。
魚はエサが流れてくる潮上へ向かって泳ぐのでマキエが効いてくればボイルを追ってやってくる青物とのビッグゲームのゴングが鳴る。
早速、只松さんはカゴにボイルを詰め、40m先へと遠投。沖の潮に乗せてさらに沖の潮目へと送り込む。
思わぬゲスト
見渡すと100m以上沖の方ではナブラが立っている。そして青物の影と飛沫が時折現れる。こちらへこいと念じながらキャストを繰り返す。しかし、朝まづめに期待するも、潮目が次第に遠くなってしまった。これも大潮の特徴で潮回りが大きくなりすぎたため沖合だけ本流が走ってしまったようだ。逆に磯周辺の潮は当て潮になり、いくら遠投しても押し返されてしまう。
青物釣りは運に左右される。
押し返されたカゴを空撮するとこぼれたボイルにグレが群れていた。
「これじゃあ青物の気配もまったくないってことだね」
次の瞬間、ウキが海中に引き込まれた。
まさかと思われたが、その正体は、なんと40cmオーバーの口太だ。ヒラマサバリ12号にも構わず喰ってきた。
カゴ釣りはマキエとツケエが同調するので太仕掛けでも喰ってくることの証明にはなった。潮目がもっと近くに流れてくれれば状況は変わっただろう。目の前にターゲットが見えていただけにガチの勝負を挑みたかった。
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