2020/03/18

コラム

早春でかイカサーチ! リーフ内シャローでスローに見せる! Sephia Clinch エクスカウンター Shallowの有効性

温暖な気候が影響し、本州と比べて3~4ヶ月ほど早めに春のエギングシーズンへと突入する沖縄。さらにその地形は本州のそれと大きく異なり、岸際から広大なシャローリーフが延々と続く。これまでとは根本的に違う状況下で、果たして湯川さんは春のでかイカを手にできるのか。シャローエリアでの攻略法を解説しながら、沖縄初エギングに挑む!

実釣フィールド/沖縄本島北部(沖縄県)

日本の最南端に位置する沖縄県は本州と比較すると常に温暖な気候で、厳寒期の1月~2月でも気温は15℃前後。しかも沖縄本島西側には黒潮が流れているので、水温的にもアオリイカが生息する条件としては申し分ない。そのためかアカイカ、シロイカ、クワイカという、日本で確認できるアオリイカ類のすべての種が生息している数少ない地域でもある。今回は地元で『やんばる』と呼ばれる、北部地方をメインに得意のラン&ガンを展開した。

DAY1 得意の地磯ラン&ガンで数少ないディープを探す

– 昼12時前に、北部の中心街となる名護市に到着。3日間のスケジュールで、夕方の17時には沖縄を経たなければならない。実質2日間の実釣時間で、どれだけ満足できるサイズへと迫れるのか。
「沖縄は観光で何度も訪れていますが、取材として、しっかり釣りをするのは初めてなんです。経験者の話やインターネットでの衛星写真など、事前にある程度情報を集めてはみましたが・・・予想以上に浅いですね。しかも水がキレイすぎて、魚っ気がないのもすぐにわかる。ポイントは見切りやすいかもしれません(笑)」

– まずは小規模な磯場に入る。が、磯場というよりはシャローリーフの岸際に『大規模な岩』があるというイメージだ。まずはクリンチラトルカエル跳びアッパー3.0号ピンクコアでサーチ開始。
「本州で見られる磯場のような、足元からある程度の水深があるという感じじゃない。しかも、水中は割と砂地が多くて、アオリイカが身を寄せそうな場所は点在するシモリくらいしか見えないですね。リーフエッジのカケアガリも、遠投したところで届くレベルの距離じゃない。どこから回遊して来るんだろう・・・」

岸沿いに山が迫っているのに・・・足元にはシャローが広がる

– 目ぼしい磯をチェックしながら北上するが、ここまでアオリイカの姿すら確認できていない。キャストを繰り返しつつも、背面の山側を振り返って湯川さんが首をかしげる。
「海岸沿いまで山が迫っているので、そのままの急斜面が水中まで続いて深くなっていると思ったんですが・・・実際はリーフのシャローエリアが沖まで続いている。岬状になっている地形も場所によっては岸からドン深なんですが、たいていの場所はどういうわけか浅い。本州を基準にしたポイントの選び方を、根本的に改めた方がいいかもしれないですね」

 

岸際まで山が迫っていたり、岬状の地形になっている場合は、急斜面がそのまま水中まで続いているので足元からある程度の水深がある場合がほとんど。しかし、海岸線にリーフが広がる沖縄の場合は、どんなに近くてもカケアガリは100~200m先。そこまで延々とシャローエリアが続くのだ。

S77ML/S89ML

– 今シーズンになってフラッグシップシリーズに新たに追加された、S77ML/S89MLの2本を使用。
「S77MLは取り回しが良い長さなので、ラン&ガンで次々とポイントを撃っていくには使いやすいです。MLでもバット&ベリーの反発力は強いので、3.8号などの大型エギを使ってもシャクリ負けすることもなく、さらに長さの割には遠投もできます。S89MLは長さを活かした遠投性能の高さはもちろんですが、アクション時のストロークが長いのでラインスラックをたくさん出すことができ、その分エギを大きく、ゆったりと動かすことができます。特に身体が大きくなってノソノソと動きがちな春の親イカを誘うには、適している1本ですね」

夕マズメ直前に明確なでかイカのアタリ!
しかし・・・まさかのラインブレイク!!

– そして、辿り着いた1日目最後の磯。これまでラン&ガンしたポイントの中ではもっとも水深があり、19時過ぎの満潮に向かって潮が上がってくる、悪くないタイミングだ。
「今が16時30分。これから2時間が勝負ですね・・・ただ、向かい風で波も強い。本当は満潮から下げていくタイミングの方が足場もしっかり確保できるし、潮も効きやすい。ただ、それだとナイトゲームになってしまうので、今日はこれがラストチャンスです!」


– デイゲームを身上とする湯川さんだけに、今日一番の集中力が見て取れる。クリンチエクスカウンターShallow3.5号→3.8号へと、エギのサイズアップ。
「3.5号だと理想より速くフォールしているイメージなので、大きなボディでより潮流を受けて馴染ませ、ゆっくりフォールさせるためです」


– その後30分ほどすると、目視でも潮が動いているのが判るように。それまでボヤけていた潮目もハッキリとした『線』となり、徐々に岸へと近付いてきたところで大きなアタリ! ドラグ音が響き、ラインが一気に引き出される。しかし・・・。
「あっ・・・切れた!! ラインがリーフで擦れたようですね。PE0.6号&フロロ3号リーダーでも、磯場や沖縄のようなリーフエリアでは、こういうこともあります。あのダッシュ力・・・確実に2kg以上はありましたね」

DAY2 意外と多い砂地のシャローも視野に入れて再トライ

– 2日目は朝マズメが狙えるということもあり、宿泊先から近い小規模な磯でトライ。
「昨日はシャローの中にあるディープ、もしくは沖のディープに近い場所を探していましたが、予想以上にディープが少なく、カケアガリも遠い。ならば無理なく朝マズメ前後に、しかも8時の満潮までに間に合う近場で1杯獲っておきたいです。条件的には悪くないのでシャローに差してきているか、もしくは昨日の夜から残っている個体がいるかもしれません」

 

– やはり小規模な磯というよりは、サーフの中にある『大規模な岩』。そしてその延長として、沖にシモリが点在している。朝マズメということもありベイトフィッシュの群れや、時折魚もボイルしている。シモリとシモリの間、シモリの沖側の壁、手前の壁、そしてシモリの上とゆっくり、丁寧に探っていると、ついにアオリイカからの反応が。
「ようやくですね。しかもクワイカ。本州ではなかなか釣れないアオリイカなだけに、小さいけれどうれしい1杯です」

「延々とシャローエリアが続く沖縄にはピッタリのモデルとも言えます。ボトムがリーフの場合は着底させると根掛かったり、ラインブレイクしやすくなることが多いので、ラインテンションを張ってゆっくりとフォールさせつつ、手前に移動させて来る『水平フォール』のような使い方がマッチしていました」

002エレガントレッド

砂地に点在するシモリから2杯目のクワイカ。
「やっと複数のイカを見た」

– クワイカは沖縄や小笠原などの亜熱帯にのみ生息。日本でアオリイカと分類されるイカの中でもっとも小さく、成長してもせいぜい500g程度。おもにシャローエリアに生息している。
「クワイカの居場所としては、釣れた場所は正解ですね。ただ、今の段階では本命のアカイカとシロイカが、シャローに差している形跡が見えない・・・。もう少し似たような場所を探して、様子を見てみます」

 

– 8時満潮での潮止まりの時間帯を利用して、再び大きく北上。下げ方向で潮が流れ始めるタイミングで入った磯のシャローエリアで、再びクワイカを捕獲。
「2杯追尾してきたうちの、小さい方が抱いてしまいました(笑)。水深2mほどのサーフにシモリが絡むという、朝イチで釣ったクワイカのポイントと似たような状況ですね。やっぱりデイゲームでアカイカ、シロイカを狙うなら、もう少し水深が必要だと思います」

「今朝のクワイカはもちろん、昨日の夕マズメに切られたヤツも含めて、今回は赤やピンクといった暖色系のカラーに反応が良い気がします。カラーローテーションを頻繁に行って、反応しやすい布地カラーや下地カラーをいち早く見つけるのも、釣果を上げるコツですね」

005 ピンクコア

前日のアタリ磯に入り直すも・・・
「潮が短時間しか動かない」

– その後さらに北上し、沖縄本島最北端の辺戸岬周辺の磯をチェックするが、潮止まりの時間帯ということもあり反応はもちろん、クワイカの姿さえ見られない。時間はすでに16時を回っている。
「20時前の満潮に向けて上がってくる潮に合わせて、昨日最後に切られた磯に入り直します」

 

– 17時過ぎに到着。この日は大潮なだけに、大きな潮の動きを期待していたのだが・・・そんな雰囲気は微塵もない。
「大潮は干満の差は大きいですが、実際に潮が動くタイミングというのはとても短く、一気に上がったり下がったりする。その短い時間に合わせて釣りができるかどうかという、ある意味ギャンブル性の高い潮周りなんです」

– しばらくすると湯川さんの言葉通り、急激に潮が動き始める。ボヤけていた潮目もハッキリと出始めたところで、アオリイカからの反応が出る。
「乗らない!! フォール中のアタリで、アオリイカ特有の触腕でかっさらうような感じでした。あのパワーは、クワイカではないと思います」

 

日没を迎えて、2日目が終了。残り半日、湯川さんのプランは如何に。

DAY3 わずかでも水深がある沖磯に賭け、キロアップを捕獲!

– 沖縄ならではのクワイカは手にしたが、本命のアカイカ、シロイカの姿を見ぬまま最終日を迎えた。ここで湯川さんは大きな賭けに出る。
「沖磯に渡ります。昨日まで探っていた磯はサーフ絡みということもあり、平均で2mほどの水深しかありませんでした。沖磯なら最低でも4~5mあると思うので、期待できると思います」


– 渡った沖磯は周囲20mほどと小さく、確かに水深はあるがせいぜい4mといったところ。
「足元にテーブルサンゴがありますね。こういうストラクチャー周辺には、アオリイカが身を寄せている可能性は高いです。岸に向かって若干深くなったスリットらしき地形変化もあるので、雰囲気としては悪くありません」

– その言葉通り、釣りを始めて間もなくロッドが大きく弧を描く。これまでのクワイカとは、明らかに違うサイズの引きだ。MLパワーの柔らかいティップを活かして、ファイトを堪能しているようにも見える。
「足場がオーバーハング気味だったので、実際は内側に突っ込まれてラインが岩に擦れないかヒヤヒヤでしたが・・・ようやく本命が獲れましたね。確実にキロアップです!!」

002エレガントレッド

かつての経験を反映させて『広大過ぎるシャロー』を何とか攻略

– 昼前から突然の豪雨に見舞われたこともあり、一足早めの終了となった。
「通年で暖かい、すでに親イカシーズンが始まっている、そしてアカイカも釣れるという、エギングにはイイこと尽くめのイメージでしたが・・・実際は広大過ぎるシャローエリアに、かなり苦労しました。実は瀬戸内も似たようなロケーションで、シャローエリアが延々と続き、アオリイカが岸際に寄る条件がとてもシビア。僕は釣れるまで2年掛かりました。その時の経験を反映させてみたけれども、やっぱりキーとなったのは『水深』と『ストラクチャー』でした」


– そのキーが意味するものとは?
「アオリイカが沖のディープから岸際のシャローに回遊するキッカケとなる深さと、シャローエリアで身を寄せられる場所です。瀬戸内の春はアマモやホンダワラといった藻場が形成され、そこにアオリイカが身を寄せて産卵します。しかし、沖縄のシャローには藻場がない。ならばシモリやテーブルサンゴなど、独立したモノがその代わりになるのでは・・・と考えました。昨日のクワイカはシモリから、そして今日のキロアップも足元でのフォール中に、テーブルサンゴの影から出てきましたから。機会があれば、また同じ時期にチャレンジしたいですね。経験という引き出しが増えた分、少なくとも今回よりは良いゲームができるはずだと思います」

プロフィール

湯川 マサタカ (ゆかわ まさたか)

[インストラクター]

和歌山県紀伊半島をホームに活躍するエギングのエキスパート。プライベートではルアー釣り全般をはじめアユ釣りやイカダ釣りなど海水・淡水を問わず、幅広い釣種を楽しむフリースタイルアングラーでもある。日中をメインにボトムを丁寧に探る釣りを得意とする。釣り場を見抜く洞察力も鋭く、反応がなければ1投で見切るほどの攻撃的なスタイルが持ち味。

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