2020/05/28

コラム

渓流彷徨い日記 オフサイト よもやま話~その5~

若い釣り人を増やさなければ、日本国内のエサ釣り文化はどんどん廃れてしまうのではないかと危惧しています。できれば釣り教室を開いてみたいところですが、渓流釣りの場合は、同時にお教えできるのはせいぜい二人まで。


ということで、渓流釣り未経験・初心者の読者さんに向けて、渓流釣りの基本的なことのご紹介第二回目として、前回の続きの三次元的な流れの捉え方についてのお話です。


キーポイント : ほどよい流速の層にエサを乗せて、渓流魚に届ける。


川の流れって、どこも同じでないことは、すぐに理解できると思います。
障害物、高低差、水深、色々な要素で川の流れは複雑になっています。今回は、それら複雑さを作り出す要素のうち、水深だけに着目してみます。
大学などで流体工学を学んだ経験のある人なら容易に想像できるのですが、流体の速さは水深方向で一定ではありません。底では流れの速さは0にちかく、表層ほど流速は大きくなります。

渓流魚は、なるべく体力を温存しながら流下してくるエサを待ち構えていますから、常に表層を泳いでいることはありません。その下層のほどよい流速の範囲を泳いでいます。
つまり、放り込んだ仕掛けが表層の流れを突破しないと、仕掛けは表層の流れに乗って、渓流魚の頭上を通過してしまうだけになり、釣れない結果になってしまいます。


そこで渓流魚が流れてくるエサを見つけて捕食しやすい流れの層に、仕掛けを届けてあげる必要があります。これが、ほどよい流れの層です。「喰い波」と表現する人もいます。
この「ほどよい」は水温や濁り、天候などによって変わるので、その日、その時の正解を見つけてあげるのも渓流釣りの面白さの一つと思います。


では、どうやって表層を突破するか?重たい錘も選択肢の一つですが、重過ぎれば、渓流魚が泳いでいる層より下をエサが流れる可能性があります。底付近を流れると、錘が根掛かりする確率が上がってしまいます。丁度良い層を流せる錘の選択が必要になります。


ここで注意しなければいけないのは、丁度良い層を流せる錘と、表層を突破する錘は同じサイズとは限らないことです。これが一致する時は良いですが、突破するための錘の方が重いことがほとんど。これでは表層を突破しても、魚が泳いでいる層より下ばかりエサが流れてしまうことになって、エサを喰ってくれる確率は下がってしまいます。


ではどうすれば、表その流れを突破して、ほどよい流れの層に乗せて仕掛けを流すことが出来るのか?
これは次回、お話していきたいと思います。

プロフィール

ちぬ

渓流・本流竿・鮎竿・チヌかかり竿・ワカサギ穂先の開発をおもに担当。渓流・チヌかかり釣りをメインに年間釣行日数は約40~50日。

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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