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2017/01/04

コラム

山本太郎直伝 黒鯛流儀 山本太郎流 カキチヌ釣法徹底解説~その3~

冬のかかり釣り釣法として存在感を増す「カキチヌ」

近年、冬季のかかり釣り釣法として急激な人気を博し、またすっかり定着してきた「カキチヌ釣法」。今回も人気のカキチヌシーズン突入!ということで、カキチヌに必要な道具・適したタックル、釣り方等を詳しく解説していきたい。


全国的にもカキ養殖の聖地としてあまりにも有名な広島湾では、古くから「かぶせ釣り」と称して、カキを用いた釣り方が行われてきた。広島湾以外のエリアで目下カキチヌが行われている所は、三重県(鳥羽が主)・京都府舞鶴湾一帯・石川県能登島の一部が挙げられる。現在、最もカキチヌが盛んに行われていると思われるのは、三重県・鳥羽周辺と石川県能登島周辺ではないだろうか。ただ、東北や四国、九州あたりにもカキ養殖が盛んなエリアがある筈だし、同地でのカキチヌは必ず秘かに行われていると考えられる。カキはチヌにとってこの上ない「特効エサ」。日頃から住みかとなりエサ場となる養殖場ではカキチヌは冬季の最強の釣法!といっても過言ではないだろう。難しいことや面倒なことは何もない。今冬は是非チャレンジしてみよう!

カキチヌの時に使うライン

ラインはカキが吊ってあるカキ棚のポイントでは一貫して太仕掛け、広島湾のように空のカキ棚では潮流等を考慮したうえで号数をチョイスする。三重県の鳥羽周辺の釣り場は、大半がカキ棚に直接カセを固定してあるスタイルで、釣り座の直ぐ後ろは無数のカキが吊されている。カキはロープに付着させていて、長さはおおむね水深の半分強あるので、相手が大型になる程取り込みの難易度は高い。不用意な細仕掛けはどうしても気持ちで負けてしまい、相手に主導権を与えてしまう結果に繋がる。太仕掛けはこちらが主導権を得る最良の策といえる。フロロカーボン糸の2.5~3号、空のカキ棚なら1.5号位がいいだろう。

カキチヌに使うハリ

カキの身はご承知の通り大きなうえに柔らかい。食す(人間・チヌ共に)にあたってはこの上ない食材なのだが、サシエサとしては思いのほかハリ持ちが悪い。特にカキの殻付きをサシエサにする場合はさらにハリ持ちが悪くなり、一瞬の衝撃でさえアッサリと身切れを起こしてしまう程だ。
小バリではより身切れが起き易くなるので、カキチヌでは大バリが断然有利になる。マガキは11月頃から食用として出荷が始まるが、シーズンインした早期は未だ身が小ぶりで、春に向かって徐々に大ぶりになっていく。チヌバリの4~6号が適合するが、オーソドックスなチヌバリの形状よりフトコロからハリ先の角度が鋭角な改良形がエサ持ち、掛かり共に向上するのでお薦めだ。

オモリ

カキチヌのサシエサは、殻付きの 片割り・半貝(フタ側、皿側)・むき身の4通り。殻付きで使う場合はオモリを打たないが、むき身でしかも潮流が速い状況下、あるいは中層にタナゴ等のエサトリが多い時、オモリが必要になる。交換が容易なうえ、何度も使えるゴム張りガン玉2B~2号程度までは用意しておきたい。

必要な小物類

サシエサに使う片割りはナタが必要で、強靭な殻の蝶番近くをカンカンと割り切るには、ある程度頑丈なモノがいい。基本的には渡船店で準備されているが、あくまで簡易式のモノなので、できれば自分専用のナタを用意したい。ホームセンターや渡船店でも事前に頼んでおけば購入可能だ。半貝では殻をこじ開けながら貝柱を切るための刃渡りがやや長く、あまり鋭利過ぎないナイフも必須。これも食用カキの専用ナイフとしてホームセンター等で販売されている。その他、渡船店によってカキやイガイをクラッシュしたマキエサを用意してくれるところもあるが、荒潰しでカキ殻が大きくて通常のマキエシャクではすくい難い。シャクの頭が大きくて柄の短いものがいいが、100円均一等で販売している園芸用のシャベルもすくい易くて大変便利だ。もうひとつ必須のアイテムが手袋。カキは殻が鋭利で、サシエサの片割りや半貝にする時、注意していても気づかないうちに手や指先を切ってしまう。軍手やゴム手袋を準備しておき、カキを持つ時は必ず装着して作業することを心がけよう。

マキエ・サシエサについて

エリアによって多少の違いがあり、広島湾のようにマキエをほとんど使わない(サシエサにする時に出る殻を撒く程度)スタイルもあるが、三重県のように基本はカキやイガイをクラッシュしたものを用意してくれるスタイルが多い。カキはチヌにとっては特効エサ、栄養素も高く喰いはこの上ないだろう。とはいえ広島湾は特例で、やはりある程度のマキエは必要で1日の目安としてはダンゴオケに2杯くらい。午前と午後で一杯づつが適量だろう。マキエは一杯でおおむね7~800円だが、自分の予算に合わせ、事前に予約しておくと準備してくれる。サシエサは殻付きの生きたままを用意してくれるが、これも1日の目安は30~50個くらい。20~30個(カキの大きさによる)入った1ネットで1000円前後と意外にリーズナブル。マキエクラッシュの中にサシエサで使える半貝やムキ身も混じっているので1~2ネットで十分だ。(余ったカキは食用として持ち帰ってもいい)カキでチヌを狙うイメージだとさぞかし高額?と考えがちだが、実は安心して手軽に楽しめるのである。サシエサは前述した通り、あくまでカキがメインであるが、時として他のサシエサで大当たりすることも珍しくない。これまでの経験ではボケ(オモリ装着のみ)や宙層にエサトリが多い時にイガイ、早春にアケミ丸貝で好釣果を得たこともある。少量でいいので、持参しておくと思わぬ釣果に結びつくかも知れない。尚、サシエサのカキは必ず地元産を使用すること。過去にスーパーで購入した他の地域のカキを持ち込んで試したが、結果は不発に終わった。地元産に敵うものはないのだろう。

ダンゴについて

カキチヌの場合、ダンゴを全く使わない釣り人は意外に多い。だが昨今のかかりチヌはエサトリとの共存で、「あらゆる魚を寄せ、エサトリ達に刺激してもらいながらチヌを仕留める」というスタイル。チヌだけを寄せてチヌを仕留めることは不可能といっても過言ではなく、何よりも「エサトリを寄せることがチヌへの近道」。エサトリとは切っても切り離せないのはダンゴ釣りと何ら変わりない。三重県の釣り場(カキチヌ)ではカキやイガイのクラッシュマキエを準備してくれる所が多いが、クラッシュとはいえ少々カキ・イガイを撒いたくらいで簡単に魚は寄ってくれない。やはり「ダンゴは速効性、貝は持続性」と理解して差し支えない。ダンゴの使い方は別打ちが主体で、サシエサを包むことはしない。宙層で海タナゴやアイゴ等のエサトリが多く、サシエサがまともに落ちていかない場合は、片割りで身を隠すようにダンゴを握りつけるパターンを使うが、あくまで別打ちを多用する。したがって量も多くは要らないし、あれこれブレンドして集魚力や水加減を気にする必要もない。チヌ用の箱ダンゴか袋ダンゴのどちらでもいいので、単品のまま水分をやや抑えたパサパサの仕上がりでOKだ。写真のようにムキ身の不要なヒモ・貝柱の部分をすり潰してダンゴに混ぜ込み、着底寸前、または着底の直後にボロっと割れる感じで使えばいいだろう。

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