2016/05/04
コラム
山本太郎直伝 黒鯛流儀 かかり釣り実釣編 その3
モーニングで探る時間とダンゴ釣りへの切り替え
モーニングで探る時間は20~30分程度、あまり深追いをするとマキエが疎かになるのでよくない。反応が全くない状態が続いたら、キッパリ見切ってダンゴを準備する。
準備が出来たら5~10個程度打ち込み、正攻法であるダンゴ釣りを開始。釣り場や季節の進み具合にもよるのだが、おそらくダンゴが割れてサシエが出ても、まだアタリはきわめて少ないはず。
いつまでもサシエが取られない状況が考られるが、ここは「チヌが寄るステージ作り」が最優先。「いきなりチヌを釣ってやる!」というものでなく、これから先に回遊してくれるであろうチヌの寄り場をしっかり作りたい。
一定のリズムで打ち返すのがポイント
サシエをかすめ取るエサトリが居ないと、いつまでもエサはそのまま残っているので、つい誘いばかりで打ち返しが億劫になり易い。活性が低い厳寒期から早春にかけて、最もよく見られるパターンだ。打ち返しが少くなると、頼みの綱であるダンゴが入らず、ステージ作りがどんどん遠ざかっていき、結果チヌは寄ってくれない。
くれぐれもアドバイスしておきたいのは、サシエが残っていようともリズムを崩さずにダンゴを絶やさないこと。思いついたようにドカッとまとめ打ちをしたり、ダンゴの空打ちをしたりではなく、一定のリズムでサシエをダンゴに包んで打ち返す。乗っ込み期はこれに尽きる。
低活性時の誘いはあまり良くない?
近年のかかり釣りにおいては、低活性時の誘いはあまり効果的ではない。
昔は「誘いと釣果は比例する!」と、よくいわれていたが、今やそのような格言は通用しない。その理由はまたどこかで詳しく解説したいが、エサトリの多種多様化、釣人が使うマキエやサシエの変化により、チヌの摂餌、釣れ方も大きく様変わりしている。
ポイントは、「エサトリとの共存」と「間(ま)」
現在のかかり釣りは昔のように誘いや打ち返しだけで押し通すのではなく、ズバリ「エサトリとの共存」と「間(ま)」で喰わせる。エサトリを嫌い、「チヌだけを寄せてやろう!」と考えるのではなく、エサトリを上手く利用しながら、「チヌアタリだけをいかにとらえていくか!」そこに尽きるだろう。
関連記事
RELATED COLUMN