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2015/07/15

コラム

山本太郎直伝 黒鯛流儀 チヌ釣り入門者にお勧めの釣り方とは?

まずは、落としこみ・前打ち釣りから

チヌ釣りをしてみたい、チヌを釣ってみたいが、筏や磯は敷居が高い…と思っている入門者の方にはお薦めの釣法。
渡船を利用する冲防波堤を中心に、沿岸のちょっとした突堤や岸壁、石積の護岸等で手軽に楽しめる。
さらには他のチヌ釣りはダンゴや配合餌といったマキエが必要であるが、落としこみ・前打ち釣りに関しては、マキエが一切不要。
ロッドにリールとライン、ハリ等のちょっとした小物類。あとはサシエがあれば、いつどこででも楽しめるお気軽釣法である。

他の釣法との違い

基本的に大半の魚種は、いわゆるマキエを絶え間なく撒くことで魚を誘き寄せ、食欲を誘発してサシエを食わせる。
筏、カセのかかり釣りやウキフカセ、ウキダンゴ釣り(紀州釣り)もその原理は同じで、マキエがチヌを呼び、強い警戒心を解いてくれる。
そのことで違和感なくサシエを摂餌(せつじ)へと持ちこめる。要はマキエでチヌ釣りが成り立つのだ。

落としこみ・前打ち釣りは、どのような釣りか?

だが落としこみ・前打ち釣りはフィールドである防波堤や護岸の壁面に生息する着生物(代表的なものではイガイやフジツボ、またそれらの中に棲息するカニ、エビ等の甲殻類)を狙って接岸するチヌを狙い打つ訳だ。
落としこみ釣りは、壁面の着生物が剥がれて落ちる、あるいはカニが脚を滑らせて落ちる様を演出して、下で待ち構えるチヌを。
前打ち釣りは防波堤の基礎石や沈み根、捨て石周りに着くチヌに対し、石でうごめく小動物を演出して誘う釣法だ。
着生物を演出する事でチヌを狙い打つ分、よりタイトに堤壁、底石に絡めて狙う必要性がある。
これらの釣期だが、前述した通り着生物で成り立つ釣りだけに、貝類や小動物が豊富に付くタイミングが最盛期となる。

着生物の生態やサイクル

ここで、少し着生物の生態やサイクルについて説明しておこう。


一般的に防波堤、護岸の壁面には、先ずは天然のカキが着生。そしてフジツボやイガイが覆い被さるように増殖していく。
防波堤で最も有効な着生物は繁殖力と増殖量が凄まじいイガイだが、そのサイクルは早春の頃稚貝が芽吹き始め、急成長し出すのが春~晩春の頃。
米粒大の大きさから一気に2~4センチ台へと成長する。この頃は堤壁を覗いてみると、黒々として見え、チヌ達もイガイを意識し、ボツボツ接岸してきているタイミングだ。
やがてそのイガイは更に急成長し、中には5センチ以上に達する貝も混じるが、入梅後の大雨や長雨による水潮で多くが死滅。
剥がれ落ちたり、口を開いたりしてしまう。このタイミングが両釣法の最盛期で、チヌは労せずして餌にありつける事をよく知っている。


更に季節は移行し、海水温も最高潮に達するお盆過ぎにはイガイ群もほぼ死滅。
年を越す通称バカ貝と呼ばれる大型貝を残し、ほとんどが壁面から姿を消してしまう。
イガイ群がなくなった秋以降、堤壁にはフジツボや深棚層に着生するパイプ虫やカニ等がむき出しになるというサイクルの繰り返しである。
解説した着生物のサイクルからもお分かりのように、シーズン初期、カニやフジツボ、パイプ虫から始まり→イガイの稚貝(繊維で繋がった稚貝の塊)→イガイの1枚掛→カニ、フジツボ、パイプ虫へと戻っていくのが大まかなパターンだ。

キモはマッチ・ザ・ベイト!!

落としこみ・前打ち釣り、両釣法のキモはズバリ、マッチ ザ ベイト!!
決して釣れないという訳ではないが、その場その時にある餌、またその時にチヌが最も欲している餌を合わせてやればチヌは簡単に釣れる。
実績の高い渡船利用の冲防波堤は着生物も豊富に付いている事と思うが、地続きの突堤、護岸等では、まず堤壁にイガイ等の着生物があるか?
ここはしっかりチェックしておこう。イガイは海水塩分濃度の濃い所では生息し難く、河口付近の汽水域に多い。
普段誰も釣りをしていない、あるいは実績がなくとも着生物が豊富に付いている所があれば、是非竿を出してみたい。

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